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消費増税を急げば、財政健全化はできるのか…再びデフレリスクを抱えてしまった、日本経済

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2014年1月から日本株市場の停滞が続いていることもあって、アベノミクスに対する批判をメディアで見かけることが多くなっている。マーケットが荒れると、「アベノミクスの化けの皮がはがれた」などというお決まりのフレーズが増えるのは、2013年半ばから繰り返される「風物詩」ともいえる。

「アベノミクス批判」のウラにあるもの

2014年前半は、消費増税による景気減速が予想されることもあり、投資家の暗鬼はなかなか晴れないかもしれない。2013年に経済・金融市場の姿を変えたアベノミクスの成果をすっかり忘れ、「アベノミクスを気に入らない」人達の声はしばらくヒートアップするのだろう。そうした人達の一部は、2013年の大相場にまったくついてこれなかった方々、あるいはまったく興味がなかった方々なのだろう。

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これまでの連載で、「デフレの害悪」、「インフレ」という経済現象の本質について説明してきた。それでも、以下のような批判を頂戴することが多い。「インフレにすれば、経済が良くなる」という理屈がわからない、というものである。インフレという「表層的」なことだけでは、経済は良くならないと思われているのだろう。

筆者は「インフレにすれば経済問題がすべて解決する」などとは考えていないのだが、「インフレ嫌い」の方は、筆者の主張をねじ曲げ、先述のような疑問をぶつけてくる。そうした「歪んだ水晶」を持った方に、筆者の考えを理解してもらうのは非常に困難なのだが、できるだけそうした方にも、デフレの害悪・インフレに正常化する重要性、などをご理解いただけるように努めたいと思う。

デフレから脱却すれば、多くの経済問題が改善する

筆者は「インフレにすれば、日本経済のすべてが良くなる」とは思っていない。だが、「デフレ(それと同時に起きている低成長)は、相当な害悪を引き起こしていた」と考えている。なので、この問題が除去されることで、日本経済が抱える問題は、広範囲に改善に向かう、と考えている。

日本の経済問題には、例えば財政赤字や公的債務拡大、また年金など社会保障制度が揺らいでいる、ことがあるだろう。これらの問題には、さまざまな制度が時代遅れになっている面はあるが、財政赤字が増えている主たる要因は、デフレと低成長による税収の落ち込みである。そして、年金制度が揺らいでいることに関しても、不況が長期化して、保険料収入が減っていることもそれなりに大きい。

デフレから脱却して、経済が通常の状況に戻るだけで、深刻とされる多くの経済問題が改善する。デフレから抜け出し、名目GDPが増えれば(日本以外の他の先進国では普通に起きていることである)、税収も増えるので財政赤字もかなり減る。そうした経済状況に戻してから、財政状況を長期的に安定させるために必要な税制や、歳出の在り方を考えた方が、適切な処方箋が描ける。

実際には、「脱デフレ」が実現する前段階で、財政健全化のために増税が先行して実現してしまった。さらには、「消費税率10%でも到底足りない」などという議論が華やかである。だが、経済が正常化するだけで巷に必要と試算される「増税幅」がかなり小さくなることは、容易に想像がつく。

脱デフレを早期に実現して、日本の経済資源(ヒトや設備)がフルに使われる状況に正常化することではじめて、「日本経済のありのままの姿」が明らかになる。そういう状況にもどってから、財政赤字などの問題が、「本当に深刻なのか」がようやく明らかになる。

経済的な豊かさ実現のための、ベストな選択とは

いよいよ4月1日から消費増税が実施される。日本経済の真の実力が発揮されないうちに増税に踏み出すことは、(1)デフレに舞い戻るリスクを高める、(2)本来の実現できるはずの税収が低く見積もられ、不要な税率引き上げが実現する、という2つの意味で、日本経済はリスクを抱えることになる。

それなのに、一刻も早い増税が必須と考える方は、本当に財政健全化を実現したいのだろうか?「財政健全化」は大事だが、これはそもそも「会計上の赤字や黒字」という数字が増えたか、減ったかという話である。

もちろん、財政赤字や公的債務が、日本経済に及ぼす影響については、さまざまな議論がありうるかもしれない。ただ会計上の数字ではなく、日本人の経済的な豊かさを高めるために、ベストな政策選択は何かという視点が重要である。「脱デフレ」つまり、日本の経済資源がフル活用される状況に近づける対応を最優先させることが求められている。

そうすれば、過去20年、貧しくなり続けた日本人の生活は、確実に豊かになる。残念ながら消費増税が実施されるが、もし脱デフレを最優先にする政策を採用すれば、「アベノミクス」が成功する可能性は、ほぼ100%だったはずだ。

今回の消費増税ショックを、日本経済はなんとか乗り越えることができると筆者は予想しているが、アベノミクスは増税という、必要がないリスクをとってしまったと考えている。いずれにしても、今後2~3年で実現するだろう、インフレを伴う景気回復で、財政赤字などの問題は、巷間論じられているよりも深刻な問題でないことが、明らかになるのではないか。

村上 尚己 :マネックス証券 チーフ・エコノミスト
http://toyokeizai.net/articles/-/34082



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[ 2014年03月31日 20:31 ] カテゴリ:日本経済 | TB(0) | CM(1)
可処分所得が一定なら消費税増税は数量ベースで消費縮小になり、
市場では低価格圧力が強くなります。優秀な製造・流通業者が
低価格同等品を市場へ持ってくる。これで、若干数量減少が
引き戻されます。生活物資の半分はこの原理で動く。
現状、市場ニーズよりも供給能力が勝っているから、おおむね
こういう動きになる。
数量・価格ともに維持するためには所得の引き上げが必要に
なります。産業の全分野でそうなればよいのですが、そうならない。
そうならない例は軽自動車、メーカはベア引き上げを見送った。
[ 2014/03/31 21:12 ] [ 編集 ]
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