ユニクロの不振、しまむらの増益は「デフレに逆戻り」の現象なのか
2月の消費者物価指数は2カ月連続で前年比横ばいとなった。ミクロ経済の小売りの世界では、値上げをしたユニクロが業績悪化し、低価格路線のしまむらが増益、牛丼チェーンでは吉野家が低価格の豚丼を復活させたという。こうした状況をみて、再びデフレに転落するのではないかとの懸念を呼んでいるが、はたしてどうなのか。
まず、ミクロ経済の価格低下とマクロ経済での物価下落を区別しよう。個別価格と一般物価を混同してはいけないという意味だ。ユニクロの価格は個別価格の典型例である。 ミクロ経済での個別価格の低下は、可処分所得が低下しない限り、他の財・サービスの購入に向けられるので、その価格上昇要因となって一般物価に影響を与えない。 個別価格と一般物価との混同は、かつてよく見られた誤りだ。例えば、中国から安い輸入商品が入ってくるので、日本ではデフレになっているという議論を一般紙でも堂々と載せていた。
そうしたデフレ論者に対して筆者は、中国からの安い輸入品が入っていた国は、日本以外にも多数あったが、デフレなのは日本だけであり、日本の金融政策が主原因であると反論していた。アベノミクスによる金融緩和で、それが正しいことがわかっただろう。特に、2013年から14年中頃にかけての一般物価の上昇は金融緩和の成果だといえる。
ただし、14年4月からの消費増税でその上昇傾向が一変する。一般物価は、GDPギャップ(潜在GDPと実際のGDPの差)によっても影響を受けるからだ。消費増税によって総需要が減少し、GDPギャップが拡大した。一般物価に対しては、金融緩和による上昇圧力と消費増税による下降圧力が綱引きして、今のところ下方圧力が勝っている状態だ。この教訓が示しているのは、デフレに逆戻りするかどうかは、GDPギャップの動向がカギを握っているということだ。GDPギャップについては、金融政策と財政政策のほか外的要因によっても影響を受けるが、やはりGDPの6割を占める消費動向がポイントだ。この意味で、17年4月からの消費増税を行うかどうかが決定的である。
安倍晋三政権はこれまでデフレ脱却を旗印に掲げてきた。もし17年4月からの消費増税を見送らないと、この公約を自ら破ることになる。 マスコミなどでは、消費増税について、安倍首相が「リーマン・ショックまたは東日本大震災級の事態が生じない限り、予定通り引き上げる」と明言していることをとらえて、今の経済状況がリーマン・ショック級なのか、東日本大震災級なのかを議論している。 しかし、そもそもデフレ脱却しないのであれば、安倍政権の大前提に関わることなので、消費増税を見送ることは当然であろう。 金融を引き締めたり、増税で緊縮財政をとったりしない限り、再びデフレに転落する可能性は小さい。金融政策と財政政策の併用で、GDPギャップを縮小させればいい。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160421/dms1604210830008-n1.htm
【管理人コメント】
ドル円の為替で現在109円を超えて110円に近い。今年はこんな状態だろう。
1ドル105円が上限となるのが来年以降の値だろうと考えれば、今年で円安は終了する。ただし限界点となる1ドル90円と言う値にはならないだろう。円高に向かうとしても鈍化であるから、来年以降103~105円あたりを推移するようになるのではないだろうか…。
円安期間内で成長戦略が完了する確率は極めて低いが、円高時にも成長戦略として、コストダウン手法でしのいできたが、同じ手法にはならないと思っている。世の中それほど甘くは無い。確かに内部留保金は300兆円を楽に超えているが、現金はそれほど伸びているわけではない。恐らくは成長戦略にも力を入れつつ凌ぐと考えれば、内部留保金を有効活用するのではないだろうか~。私は内部留保金へ課税しろと政府に提案しているが、重い腰を上げてはくれない。企業がうまく自分たちで利用するのだろう。
まず、ミクロ経済の価格低下とマクロ経済での物価下落を区別しよう。個別価格と一般物価を混同してはいけないという意味だ。ユニクロの価格は個別価格の典型例である。 ミクロ経済での個別価格の低下は、可処分所得が低下しない限り、他の財・サービスの購入に向けられるので、その価格上昇要因となって一般物価に影響を与えない。 個別価格と一般物価との混同は、かつてよく見られた誤りだ。例えば、中国から安い輸入商品が入ってくるので、日本ではデフレになっているという議論を一般紙でも堂々と載せていた。
そうしたデフレ論者に対して筆者は、中国からの安い輸入品が入っていた国は、日本以外にも多数あったが、デフレなのは日本だけであり、日本の金融政策が主原因であると反論していた。アベノミクスによる金融緩和で、それが正しいことがわかっただろう。特に、2013年から14年中頃にかけての一般物価の上昇は金融緩和の成果だといえる。
ただし、14年4月からの消費増税でその上昇傾向が一変する。一般物価は、GDPギャップ(潜在GDPと実際のGDPの差)によっても影響を受けるからだ。消費増税によって総需要が減少し、GDPギャップが拡大した。一般物価に対しては、金融緩和による上昇圧力と消費増税による下降圧力が綱引きして、今のところ下方圧力が勝っている状態だ。この教訓が示しているのは、デフレに逆戻りするかどうかは、GDPギャップの動向がカギを握っているということだ。GDPギャップについては、金融政策と財政政策のほか外的要因によっても影響を受けるが、やはりGDPの6割を占める消費動向がポイントだ。この意味で、17年4月からの消費増税を行うかどうかが決定的である。
安倍晋三政権はこれまでデフレ脱却を旗印に掲げてきた。もし17年4月からの消費増税を見送らないと、この公約を自ら破ることになる。 マスコミなどでは、消費増税について、安倍首相が「リーマン・ショックまたは東日本大震災級の事態が生じない限り、予定通り引き上げる」と明言していることをとらえて、今の経済状況がリーマン・ショック級なのか、東日本大震災級なのかを議論している。 しかし、そもそもデフレ脱却しないのであれば、安倍政権の大前提に関わることなので、消費増税を見送ることは当然であろう。 金融を引き締めたり、増税で緊縮財政をとったりしない限り、再びデフレに転落する可能性は小さい。金融政策と財政政策の併用で、GDPギャップを縮小させればいい。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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1ドル105円が上限となるのが来年以降の値だろうと考えれば、今年で円安は終了する。ただし限界点となる1ドル90円と言う値にはならないだろう。円高に向かうとしても鈍化であるから、来年以降103~105円あたりを推移するようになるのではないだろうか…。
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管理人 MON
連絡先 monma@asahinet.jp
海外生産・国内販売のビジネスモデルの代表であって、
海外工場の完在倉庫から直送だから GDPギャップは生じない。
アパレルの国内生産は、ほぼ壊滅じゃないですか。
いわゆるSPAの業態が減少して、国内には企画マンと販売だけが残る。
需給バランスが平衡していればこれはデフレではないです。
数量維持、金額減少という市場の縮小現象。
問題は
アパレルの国内生産の壊滅~製造スキルの消失。
為替レートに振られる販売原価。