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恐るべきトランプ氏の勢い

ドナルド・トランプ米共和党大統領候補の外交関連発言に悩まされる日々が続いているが、時折、迷路に閉じ込められた気がする。彼の発言を分析することに、果たして意味があるのだろうかと疑念を抱いたこともある。米国の北朝鮮専門家は金正恩(キムジョンウン)労働党委員長をどこへ飛んでいくか見当もつかないラグビーボールだと嘲笑っているが、トランプ氏は金委員長の何倍もの攻力を持っている。

トランプ氏の発言に、比較的一貫した流れが全くないわけではない。彼は、国際紛争地域に対する米国の軍事的介入に反対する孤立主義を強く表明している。バラク・オバマ大統領の対外政策も「アジア再均衡戦略」を除いては、実質的に非介入主義に基づいている。そのような観点からすると、「トランプ外交路線」が全く突拍子もないわけでもない。 しかし、トランプ氏は、孤立主義と衝突するような発言も躊躇わなく行っている。遊説やテレビ討論での発言はまだしも、彼が自分なりに精製した形として発表した4月末の外交演説にも、辻褄が合わない内容が含まれている。軍事的介入の自制を主張しながらも、国防の強化を口にする。スンニ派過激勢力の「イスラム国」をすぐにでも一掃できると豪語しながらも、軍事的手段ではなく、「哲学的闘争」を通じてそれを実現するという。

トランプ氏の発言に現れる矛盾点は、決して彼が分裂的思考を持っていたり、無知だからではない。アメリカ人の一般的な情緒がそのように分かれているからだ。 最近、米国の有力な研究所「ピュー・リサーチ・センター」が公開した世論調査の結果によると、アメリカ人の57%は、米国は国内問題の解決に集中することを望んでいる。米国が他の国の問題の解決を助けるべきだと答えた割合は37%にとどまった。国際主義ではなく、孤立主義を好むアメリカ人がより多いことがわかる。


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ところが、同じ世論調査で、この反対の流れも共存している。グローバルな脅威に対抗し、国防費を増額すべきとするアメリカ人は35%を占めた。金融危機の余波がピークだった2010年にはわずか13%が国防費増額に賛成したというから、急激な上昇傾向にある。 2001年の9・11テロ直後の50%を記録して以来、最高値だと研究所は伝えた。 トランプ氏は両立できない見解を持つ米国の有権者層すべて抱き込もうとしているようだ。だからこそ、分裂的に見える。彼にとって唯一の原則は、大統領になるために、徹底的に人気に迎合し、多くの票を集めるべしというものだ。彼が大統領になっても同じであろう。支持率の上昇につながるなら、口車に乗せることも、二枚舌を使うことも憚らないだろう。

また、彼はいくら前言を覆しても、主流メディアがいくらその点を批判しても、普通のアメリカ人たちの世論は、彼が「強いアメリカ」を再建するメシアであるかのように、非常に寛大である。人気迎合主義と打たれ強さ、そこにトランプ氏の恐ろしさが潜んでいる。先日、トランプ氏が、スーツを着て大きなフォークを持った滑稽な姿で、あれだけ「憎悪」していたメキシコの大衆料理のタコスボールを食べながら、「ヒスパニックを愛しています」と書かれた写真を公開したときに、なんだか鳥肌が立った。憎しみがあっという間に愛に変わってしまったのだ。

恐るべきトランプ氏。彼に対外政策の哲学を期待するわけではないが、小さな名分を語る余地すらないように見える。支持率を上げるためなら、対外政策などは弊履のごとく捨てたり、変えたりするかもしれない。何よりも、大国間の秘密の取引で他国の運命を決定する可能性も、今までの政権よりはるかに高いと思われる。半分の確率まで這い上がってきた「トランプ大統領」という現実は、思ったよりも厳しそうだ。
韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/24132.html

【管理人コメント】
国が低迷すれば強いリーダーシップを持った人材がもてはやされるのは、どの国も同じだ。
しかし彼の場合は、パフォーマンスとしても条約無視発言であるから、関連国から見れば困りごとである。
政治家であるから、外交的発言と受け止められるわけで、過激な発言よりは解かりやすい説明のほうが説得性があるのだが、年々政治家レベルも低下しているだけに、そうも語っていられないのもアメリカの実情だろう。

しかし現状ではトランプ氏が大統領になる可能性は決めて低いとされる。
無党派からの支持率が取れていないのは致命的だろう。



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[ 2016年05月13日 09:53 ] カテゴリ:国際 | TB(0) | CM(0)
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