一風堂ラーメンが韓国から突然撤退した理由
2011年から韓国・ソウルで3店舗を展開していた一風堂(力の源カンパニー)が今年2月末日、すべての店舗でのれんを下ろした。一風堂といえば、言わずと知れた豚骨ラーメンの雄だ。1985年、九州・博多にカウンターわずか10席からスタートして以来、日本のラーメン界を牽引し、今や国内で94店舗、海外でも2008年のニューヨークを皮切りに12カ国・地域に52店舗を擁するグローバル企業でもある。
どうして閉店してしまったのか。一風堂の広報は、「閉店はライセンス契約満了に伴うもの」と説明する。「あくまでもAKグループとの契約終了に伴うビジネス判断からです。今回は離れましたが、AKグループとは今でも友好な関係を保っています」とのこと。AKグループ側からも似たような説明が返ってきた。しかし、外食業界に詳しい韓国の記者はこう解説する。「外国の有名ブランド店と契約した際、その味を保つことは大前提ですが、ほかにもそのブランド店らしさを保つために店舗デザインからインテリア、スタッフの教育まで相当な経費がかかります。一風堂も人気はありましたが、(AKグループ側にとって)ライセンス料がやはり相当負担になったと言われています。その分利益が出ていたかというとそうではなかったようで、ブランド価格を押してまでの経営には至らなかったというのが大筋の見方です」
韓国では1990年代にフュージョン料理が流行し、2000年代に入るとその国に特化したお国ならではの料理が人気となり、「ノバタヤキ」と呼ばれていた居酒屋はイジャカヤと呼ばれ、より日本に近い味が好まれるようになった。健康志向は「ウェルビーイング」というキーワードで浮上してからその志向は年々高まっていて、最近では野菜満載の韓国料理のビュッフェが人気となっている。
韓国と日本は飛行機で約2時間という近い距離で往来が頻繁なことも外食産業とは無関係ではないようだ。日本に旅行に行く韓国人観光客は今や年間およそ400万人(2015年、日本政府観光局)。日本への旅の目的を尋ねるとまず「食」を挙げる人は多い。しかし、旅の中での特別な「本場の味」と日常の中での「外食」では感じ方も味わい方も異なる。本場の味や店のたたずまいなどをよく知る人が増えたぶん、地元での外食として本場の味をどうローカライズさせていくか、またどう調和させていくのか。外食を展開する企業はいま一度、再考する必要がありそうだ。
東洋経済
http://toyokeizai.net/articles/-/117659
【管理人 補足記事&コメント】
記事では、一風堂がニューヨーク、シンガポールに続いて進出したのが韓国だった。韓国の総合複合企業のAKグループとライセンス契約を結び、2011年5月、ソウルきっての流行スポット江南に1階はラーメンダイニング、2階はバーという瀟洒な作りの第1号店を華々しくオープンさせ、「毎日行列ができていた」ほどの人気店となった。
同年末には2号店、翌年には3号店も同地域にオープン。2014年には20~30代が集まる大学街などに進出するという報道も流れ、このまま順調に店舗数を伸ばしていくものとみられていた。と伝えているのだが、現状ではライセンス料のみならず反日もあったのではないか…。
時期としては撤退するのにちょうどよかったのだろう。
個人的には韓国などで商売するよりは場所を変えたほうが良いだろうと思うが…。
どうして閉店してしまったのか。一風堂の広報は、「閉店はライセンス契約満了に伴うもの」と説明する。「あくまでもAKグループとの契約終了に伴うビジネス判断からです。今回は離れましたが、AKグループとは今でも友好な関係を保っています」とのこと。AKグループ側からも似たような説明が返ってきた。しかし、外食業界に詳しい韓国の記者はこう解説する。「外国の有名ブランド店と契約した際、その味を保つことは大前提ですが、ほかにもそのブランド店らしさを保つために店舗デザインからインテリア、スタッフの教育まで相当な経費がかかります。一風堂も人気はありましたが、(AKグループ側にとって)ライセンス料がやはり相当負担になったと言われています。その分利益が出ていたかというとそうではなかったようで、ブランド価格を押してまでの経営には至らなかったというのが大筋の見方です」
韓国では1990年代にフュージョン料理が流行し、2000年代に入るとその国に特化したお国ならではの料理が人気となり、「ノバタヤキ」と呼ばれていた居酒屋はイジャカヤと呼ばれ、より日本に近い味が好まれるようになった。健康志向は「ウェルビーイング」というキーワードで浮上してからその志向は年々高まっていて、最近では野菜満載の韓国料理のビュッフェが人気となっている。
韓国と日本は飛行機で約2時間という近い距離で往来が頻繁なことも外食産業とは無関係ではないようだ。日本に旅行に行く韓国人観光客は今や年間およそ400万人(2015年、日本政府観光局)。日本への旅の目的を尋ねるとまず「食」を挙げる人は多い。しかし、旅の中での特別な「本場の味」と日常の中での「外食」では感じ方も味わい方も異なる。本場の味や店のたたずまいなどをよく知る人が増えたぶん、地元での外食として本場の味をどうローカライズさせていくか、またどう調和させていくのか。外食を展開する企業はいま一度、再考する必要がありそうだ。
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【管理人 補足記事&コメント】
記事では、一風堂がニューヨーク、シンガポールに続いて進出したのが韓国だった。韓国の総合複合企業のAKグループとライセンス契約を結び、2011年5月、ソウルきっての流行スポット江南に1階はラーメンダイニング、2階はバーという瀟洒な作りの第1号店を華々しくオープンさせ、「毎日行列ができていた」ほどの人気店となった。
同年末には2号店、翌年には3号店も同地域にオープン。2014年には20~30代が集まる大学街などに進出するという報道も流れ、このまま順調に店舗数を伸ばしていくものとみられていた。と伝えているのだが、現状ではライセンス料のみならず反日もあったのではないか…。
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やってみて、だめなら止める。記事を読むと海外店の打率は
50%くらい。韓国はだめだった一例のようです。
ダメそうだと見えてからさらに 2年以上頑張らせたが、最後撤退。
そもそも博多ラーメンは調理が速い、市場の低価格ファストフード。
この原点から離れるほど営業は難しくなる。
河原成美社長インタビュー(2013.07.09)
>韓国では2011年にライセンスで「IPPUDO SEOUL」を出店しています。
>ただ、海外での展開は独資かジョイントベンチャーの方が良いと分かったので、
>今後、ライセンス契約での海外進出は考えていません。
>日本と海外店鋪にはどういった違いがあるか、
>ラーメン店というよりは、レストラン色が強いですね。前菜があり、
>サラダがあり、メインの日本食があり、そしてラーメンを食べて
>デザートで締める。