韓国造船業に再び好況は訪れるか
韓国のキンパ(のり巻き)は、巨大な米ハンバーガーチェーンが韓国市場に深く根を下ろすのを食い止めた立役者だ。だが、キンパには米国産の米と肉、中国産の野菜、東南アジア産のカニかまぼこが入っていることが多い。
また、米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」は韓国、日本、台湾、米国、欧州メーカーが製造した部品を使って中国で組み立て、全世界に輸出される。このように、一つの商品が複数国にまたがって生産される現象を「グローバル・バリュー・チェーン(GVC)」と呼ぶ。工業化以降、私たちが国家的目標として掲げた「国産化率の引き上げ」は、21世紀の経済においては野暮ったい概念となった。今や重要なのは、世界の生産ネットワークで中核的なポジションを占め、韓国主導のプラットホームを構築することだ。
GVCの進展は、従来の統計にさまざまな問題を及ぼす。GVCの進展に伴い、輸出品に次第に多くの輸入中間財が含まれるようになるため、同じ金額の輸出が生み出す国民所得と雇用は次第に減少する。また、中間財の国境間の移動がさらに頻繁になり、輸出と輸入が所得に比して速いペースで増加するという現象が起きる。
1995年から2011年にかけ、韓国で輸出が国内総生産(GDP)に占める割合は26%から56%に急上昇した。だが、輸出がもたらした中間財の輸入を除くと、同期間の輸出の対GDP比は20%から32%の上昇にとどまる。輸出が国民所得を創出する能力がどんどん低下し、輸出依存度が急速に強まっていると心配する人は、GVCの進展が持つ意味を分かっていない可能性が高い。
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GVCにより、輸出された商品が輸入国で加工・組み立てを経て、再び別の国に輸出されるケースがしばしば発生する。韓国が中国に輸出した半導体がiPhoneに搭載され、米国に輸出されるのが良い例だ。これは貿易統計の解釈に混乱をもたらす。11年の統計で、韓国の総輸出に対中輸出が占める割合は31%、対米輸出の割合は11%だったため、中国の需要が米国の需要より3倍も重要だったかのように映る。だが、韓国輸出品の最終的な需要者を追うと、総輸出のうち中国で最終消費されるものの割合は19%、米国の割合は17%と、ほぼ同程度になる。一般輸出統計が中国を必要以上に重要な市場に見せているのだ。
韓国と中国はGVCの進展において主軸的な役割を果たした。韓国の輸出大企業は新たな生産秩序にたちまち適応し、技術と中国や東南アジアの安い労働力を組み合わせた生産スタイルで保有技術の寿命を延ばした。また、ここで生じた余力を使って同一産業内で技術を向上させた。技術が帆船の帆だとすれば、安価な労働力はそこに吹く追い風だった。だが、この追い風は同時に、輸出大企業がリスクのある新産業に進出する意欲を低下させた。
GVCの進展は1980年代後半に始まり、リーマン・ショック直前の2007年にピークに達した。この間、世界の貿易は世界のGDPより2倍も速いペースで増加した。だが、12年以降は世界の貿易と世界のGDPがほぼ同じペースで増加しており、多くの学者たちはGVCの進展が限界にぶち当たっていると推測する。これは韓国造船業の不況と密接な関連がある。
1980年代末に危機に直面した韓国造船業がこれを乗り越え、長きにわたり好況を謳歌できたのは、GVCによる貿易量の増加が大きな要因だった。多額の資金援助で生き長らえた大宇造船海洋も、この好況の恩恵を受けた。韓国政府はこのシナリオが繰り返されると期待しているようだが、多くの学者は、この先は世界の貿易増加率が2000年代半ばの半分にも満たないと予測している。造船業が経営を立て直すための土台が崩れたということになる。繰り返されない幸運に依存する産業政策は危険だ。冷静な目で世界の構造変化を見守る必要がある。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/07/08/2016070802067.html
【管理人コメント】
何とも結論が無い記事コラムである。
もっとも韓国記事や社説・コラムはすべてこういう状態だ。
政治も同じ、問題提示はするが方法案は無い。
造船業は為替に一番影響を受ける産業である。まして世界に造船は十分行き渡り、今では中古をメンテしたほうが安い。何れは撤退を余儀なくされる産業と言うのはありうるわけで、いつまでもしがみつけば崩壊するだけとなる。中小の客船を含め、企業を一つに集約し事業を大きく縮小し、自国内の客船に力を入れる事である。今だ客船技術が無く日本から重注して改造しているようでは困りごとだろう。
また、米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」は韓国、日本、台湾、米国、欧州メーカーが製造した部品を使って中国で組み立て、全世界に輸出される。このように、一つの商品が複数国にまたがって生産される現象を「グローバル・バリュー・チェーン(GVC)」と呼ぶ。工業化以降、私たちが国家的目標として掲げた「国産化率の引き上げ」は、21世紀の経済においては野暮ったい概念となった。今や重要なのは、世界の生産ネットワークで中核的なポジションを占め、韓国主導のプラットホームを構築することだ。
GVCの進展は、従来の統計にさまざまな問題を及ぼす。GVCの進展に伴い、輸出品に次第に多くの輸入中間財が含まれるようになるため、同じ金額の輸出が生み出す国民所得と雇用は次第に減少する。また、中間財の国境間の移動がさらに頻繁になり、輸出と輸入が所得に比して速いペースで増加するという現象が起きる。
1995年から2011年にかけ、韓国で輸出が国内総生産(GDP)に占める割合は26%から56%に急上昇した。だが、輸出がもたらした中間財の輸入を除くと、同期間の輸出の対GDP比は20%から32%の上昇にとどまる。輸出が国民所得を創出する能力がどんどん低下し、輸出依存度が急速に強まっていると心配する人は、GVCの進展が持つ意味を分かっていない可能性が高い。
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GVCにより、輸出された商品が輸入国で加工・組み立てを経て、再び別の国に輸出されるケースがしばしば発生する。韓国が中国に輸出した半導体がiPhoneに搭載され、米国に輸出されるのが良い例だ。これは貿易統計の解釈に混乱をもたらす。11年の統計で、韓国の総輸出に対中輸出が占める割合は31%、対米輸出の割合は11%だったため、中国の需要が米国の需要より3倍も重要だったかのように映る。だが、韓国輸出品の最終的な需要者を追うと、総輸出のうち中国で最終消費されるものの割合は19%、米国の割合は17%と、ほぼ同程度になる。一般輸出統計が中国を必要以上に重要な市場に見せているのだ。
韓国と中国はGVCの進展において主軸的な役割を果たした。韓国の輸出大企業は新たな生産秩序にたちまち適応し、技術と中国や東南アジアの安い労働力を組み合わせた生産スタイルで保有技術の寿命を延ばした。また、ここで生じた余力を使って同一産業内で技術を向上させた。技術が帆船の帆だとすれば、安価な労働力はそこに吹く追い風だった。だが、この追い風は同時に、輸出大企業がリスクのある新産業に進出する意欲を低下させた。
GVCの進展は1980年代後半に始まり、リーマン・ショック直前の2007年にピークに達した。この間、世界の貿易は世界のGDPより2倍も速いペースで増加した。だが、12年以降は世界の貿易と世界のGDPがほぼ同じペースで増加しており、多くの学者たちはGVCの進展が限界にぶち当たっていると推測する。これは韓国造船業の不況と密接な関連がある。
1980年代末に危機に直面した韓国造船業がこれを乗り越え、長きにわたり好況を謳歌できたのは、GVCによる貿易量の増加が大きな要因だった。多額の資金援助で生き長らえた大宇造船海洋も、この好況の恩恵を受けた。韓国政府はこのシナリオが繰り返されると期待しているようだが、多くの学者は、この先は世界の貿易増加率が2000年代半ばの半分にも満たないと予測している。造船業が経営を立て直すための土台が崩れたということになる。繰り返されない幸運に依存する産業政策は危険だ。冷静な目で世界の構造変化を見守る必要がある。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/07/08/2016070802067.html
【管理人コメント】
何とも結論が無い記事コラムである。
もっとも韓国記事や社説・コラムはすべてこういう状態だ。
政治も同じ、問題提示はするが方法案は無い。
造船業は為替に一番影響を受ける産業である。まして世界に造船は十分行き渡り、今では中古をメンテしたほうが安い。何れは撤退を余儀なくされる産業と言うのはありうるわけで、いつまでもしがみつけば崩壊するだけとなる。中小の客船を含め、企業を一つに集約し事業を大きく縮小し、自国内の客船に力を入れる事である。今だ客船技術が無く日本から重注して改造しているようでは困りごとだろう。
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連絡先 monma@asahinet.jp
不況経験の学習効果がないようだ。
造船大型リストラの記事が見えたのは5月。
その後、大量失業はどうなったのか、
国の補正予算をじっと待っているのだろうか。
そうだ忘れてはいけない、韓国には造船問題があったんだと
リマインドをかける記事なのだろう。