「中国・北朝鮮の経済交流は拡大進行中」元統一部長官が中朝国境地帯を視察
「中朝経済交流は中国の北朝鮮に対する一方的な支援ではなく、両者の利害関係の一致のなかで拡張型で進められている」
参与政府時代に統一部長官を務めた世宗(セジョン)研究所のイ・ジョンソク首席研究委員が22日に公開した報告書「国境から見た中朝経済交流と北朝鮮経済の実状」の中心となるメッセージだ。北朝鮮の4回目の核実験(1月6日)と「これまで最も強い」といわれる国連安全保障理事会決議2270号の採択(3月2日)後、国際社会の対北朝鮮制裁の共助にも関わらず、北朝鮮の対外貿易の90%あまりを占める中朝貿易は萎縮するどころか上昇傾向ということだ。イ委員は今月初・中旬、中朝国境地域を視察した。
これは貿易統計だけでも容易に確認することができる。今年上半期、中朝貿易は、昨年上半期より2.1%増えた。安保理決議2270号の採択直後の4月(-9.1%)と5月(-8.2%)に減っただけで、残りの4カ月はいずれも増加した。これは北朝鮮の3回目の核実験(2013年2月12日)と国連安保理の対北朝鮮決議2094号(2013年3月7日)のあった2013年上半期に、中朝貿易が2012年上半期に比べて3.1%減少した前例に比べても早い回復である。
イ委員は「韓国政府の高高度防衛ミサイル(THHAD)配備決定発表(7月8日)後、中国税関での通関がはるかに容易になったという現地関係者たちの発言があった」とし、「政府のTHHAD配備の決定が、中国で北朝鮮経済に従事する人々の国連の対北朝鮮制裁に対する心理的負担を、相当部分解除する結果をもたらしたと判断される」と指摘した。イ委員は「7月の中朝貿易統計は公開されていないが、かなりの増加が予想される」と付け加えた。
経済交流の拡大傾向は北朝鮮・中国いずれもの要因によるものだ。まず、中国政府は北朝鮮の4回目の核実験と国連安保理決議2270号の採択以降も中朝国境地域の開発計画を相次いで立てている。中国国務院(総理・李克強)は、北朝鮮の4回目の核実験の翌日1月7日、「国境上の開発開放重点地区」の選定結果を発表した。
国境都市27カ所が選ばれたが、7カ所(琿春、図們、龍井、和龍、臨江、集安、丹東)が中朝国境都市だ。国家級の口岸(税関を置く国境通過地点)72カ所も「開発開放重点地区」に選定されたが、15カ所が北朝鮮と中国の国境地帯の口岸(琿春、図們、集安、丹東、圈河・南平・長白など)だ。 琿春・和龍・丹東など3カ所の国家級の辺境経済合作区も「開発開放重点地区」に選ばれた。国務院は同日「国境国際観光合作区」設立推進も発表したが、中朝国境地域では延辺自治州と丹東市が選ばれた。イ委員は「国務院が選定した所には中央政府レベルの支援がなされる」と説明した。
最近3年間で経済成長の減速傾向が著しい東北3省の地方政府も、中朝経済交流で活路を模索している。吉林省と延辺州政府などは、中央政府の13次5カ年計画に合わせそれぞれ3月24日と4月29日、豆満江三角州国際観光合作区建設計画、図們、龍井、和龍、集安の互市貿易区設立、和龍国家級辺境経済合作区新設、中朝辺境合作促進など、さまざまな対北朝鮮関係の主要計画を発表した。 北朝鮮は2013年以来、全国21カ所に経済開発区を設置し、第7回労働党大会(5月6~9日)にて採択した「国家経済発展5カ年戦略」で対外経済関係の拡大・発展を主な構成部分に規定するなど「経済開放」に力を入れている。
特に琿春の中国紡績・衣類メーカー各社が国境を越え北朝鮮地域に15カ所の加工工場を建て、開城(ケソン)工業団地の方式を援用した「出境加工業」(中国が原材料を供給し北朝鮮労働者が完成品を生産)を活性化する傾向は注目に値する。北朝鮮の今年上半期の対中国輸出品のうち、1位の石炭が昨年上半期に比べて14.6%減となった一方、男性・女性用ジャケットや女性用コート、Tシャツなどが輸出品の順位2~5位をさらい、2桁の増加傾向を見せ、北朝鮮の大衆輸入品目で中間材の人造繊維の比重が高まる現象は、開城工団の方式を援用した新しい中朝経済協力の試みと関連が深い。
さらに、韓国人の白頭山観光は北朝鮮の4回目の核実験以降減少傾向にあるが、新義州(シンウィジュ)~丹東半日観光、集安~満浦(マンポ)・高山鎮(コサンジン)1日観光、万景峰号を活用し琿春~羅先~ウラジオストクをつなぐ中国・北朝鮮・ロシアの3角観光などが新たに試みられている。韓国政府の開城工団の全面閉鎖措置以降「関係ゼロ」となった南北とは異なり、中朝、中朝ロ連携は強化されている。 イ委員は「北朝鮮が外部と相互依存する暮らしから生存パターンを確実に見出せるよう、北朝鮮の対外経済開放の拡大を誘導・支援する新たな戦略の模索が必要だ」と語った。
韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24980.html
【管理人コメント】
今の中国は北朝鮮民が必要である。一方、北朝鮮は外貨獲得に必死であるし、ともに経済を維持するための努力は惜しまないだろうと考えるのが妥当だ。軍事境界線はロシアとアメリカによって設置されたとはいえ、歴史を見れば北朝鮮にあたる場所に国が建国されて以降、中国との貿易は重要であり不可欠だったはず。北朝鮮と中国のつながりの歴史は古い。ともに野望のためには裏で手を組むと考えるのが妥当だろう。
参与政府時代に統一部長官を務めた世宗(セジョン)研究所のイ・ジョンソク首席研究委員が22日に公開した報告書「国境から見た中朝経済交流と北朝鮮経済の実状」の中心となるメッセージだ。北朝鮮の4回目の核実験(1月6日)と「これまで最も強い」といわれる国連安全保障理事会決議2270号の採択(3月2日)後、国際社会の対北朝鮮制裁の共助にも関わらず、北朝鮮の対外貿易の90%あまりを占める中朝貿易は萎縮するどころか上昇傾向ということだ。イ委員は今月初・中旬、中朝国境地域を視察した。
これは貿易統計だけでも容易に確認することができる。今年上半期、中朝貿易は、昨年上半期より2.1%増えた。安保理決議2270号の採択直後の4月(-9.1%)と5月(-8.2%)に減っただけで、残りの4カ月はいずれも増加した。これは北朝鮮の3回目の核実験(2013年2月12日)と国連安保理の対北朝鮮決議2094号(2013年3月7日)のあった2013年上半期に、中朝貿易が2012年上半期に比べて3.1%減少した前例に比べても早い回復である。
イ委員は「韓国政府の高高度防衛ミサイル(THHAD)配備決定発表(7月8日)後、中国税関での通関がはるかに容易になったという現地関係者たちの発言があった」とし、「政府のTHHAD配備の決定が、中国で北朝鮮経済に従事する人々の国連の対北朝鮮制裁に対する心理的負担を、相当部分解除する結果をもたらしたと判断される」と指摘した。イ委員は「7月の中朝貿易統計は公開されていないが、かなりの増加が予想される」と付け加えた。
経済交流の拡大傾向は北朝鮮・中国いずれもの要因によるものだ。まず、中国政府は北朝鮮の4回目の核実験と国連安保理決議2270号の採択以降も中朝国境地域の開発計画を相次いで立てている。中国国務院(総理・李克強)は、北朝鮮の4回目の核実験の翌日1月7日、「国境上の開発開放重点地区」の選定結果を発表した。
国境都市27カ所が選ばれたが、7カ所(琿春、図們、龍井、和龍、臨江、集安、丹東)が中朝国境都市だ。国家級の口岸(税関を置く国境通過地点)72カ所も「開発開放重点地区」に選定されたが、15カ所が北朝鮮と中国の国境地帯の口岸(琿春、図們、集安、丹東、圈河・南平・長白など)だ。 琿春・和龍・丹東など3カ所の国家級の辺境経済合作区も「開発開放重点地区」に選ばれた。国務院は同日「国境国際観光合作区」設立推進も発表したが、中朝国境地域では延辺自治州と丹東市が選ばれた。イ委員は「国務院が選定した所には中央政府レベルの支援がなされる」と説明した。
最近3年間で経済成長の減速傾向が著しい東北3省の地方政府も、中朝経済交流で活路を模索している。吉林省と延辺州政府などは、中央政府の13次5カ年計画に合わせそれぞれ3月24日と4月29日、豆満江三角州国際観光合作区建設計画、図們、龍井、和龍、集安の互市貿易区設立、和龍国家級辺境経済合作区新設、中朝辺境合作促進など、さまざまな対北朝鮮関係の主要計画を発表した。 北朝鮮は2013年以来、全国21カ所に経済開発区を設置し、第7回労働党大会(5月6~9日)にて採択した「国家経済発展5カ年戦略」で対外経済関係の拡大・発展を主な構成部分に規定するなど「経済開放」に力を入れている。
特に琿春の中国紡績・衣類メーカー各社が国境を越え北朝鮮地域に15カ所の加工工場を建て、開城(ケソン)工業団地の方式を援用した「出境加工業」(中国が原材料を供給し北朝鮮労働者が完成品を生産)を活性化する傾向は注目に値する。北朝鮮の今年上半期の対中国輸出品のうち、1位の石炭が昨年上半期に比べて14.6%減となった一方、男性・女性用ジャケットや女性用コート、Tシャツなどが輸出品の順位2~5位をさらい、2桁の増加傾向を見せ、北朝鮮の大衆輸入品目で中間材の人造繊維の比重が高まる現象は、開城工団の方式を援用した新しい中朝経済協力の試みと関連が深い。
さらに、韓国人の白頭山観光は北朝鮮の4回目の核実験以降減少傾向にあるが、新義州(シンウィジュ)~丹東半日観光、集安~満浦(マンポ)・高山鎮(コサンジン)1日観光、万景峰号を活用し琿春~羅先~ウラジオストクをつなぐ中国・北朝鮮・ロシアの3角観光などが新たに試みられている。韓国政府の開城工団の全面閉鎖措置以降「関係ゼロ」となった南北とは異なり、中朝、中朝ロ連携は強化されている。 イ委員は「北朝鮮が外部と相互依存する暮らしから生存パターンを確実に見出せるよう、北朝鮮の対外経済開放の拡大を誘導・支援する新たな戦略の模索が必要だ」と語った。
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