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債務残高2600兆円 借金大国中国の危機は日本のチャンス

いま中国では、習近平国家主席と李克強首相の間で、経済政策をめぐる対立が激化しているという。 国有企業保護政策を維持して権力掌握を進めたい習主席に対し、李首相が「ゾンビ企業(経営の行き詰まった国有企業)の淘汰」など「痛みを伴う構造改革」を提唱しているからで、習主席の側近が「今年前期の景気は良好」とする李首相の見解を真っ向から否定し、「(このままなら)中国経済は『V字回復』も『U字回復』もなく『L字型』が続く」と痛烈に批判したと報じられたのである。

この景気判断については習主席のほうが正しいと思う。たとえば、今年6月に中国社会科学院の学部委員で国家金融・発展試験室の理事長を務める李揚氏が「2015年末の時点で、中国の債務残高は168兆4800億元(約2600兆円)で、GDP(国内総生産)の249%に達し、うち企業分が156%を占める」と発表した。 発言の趣旨は、中国の債務はコントロール可能な範囲で、債務リスクに対応するための十分な資金があることを理由に「債務危機は存在しない」と強調するものだったが、この数字は経済規模が違うとはいえ日本の借金1000兆円の2.6倍だから、やはり寒気がするような規模である。

李氏は「借金より資産のほうが多い」から安心と言うが、実は中国の借金が正確にはいくらあるのか、誰もわかっていないと思う。中国の借金には、大きく四つの要素がある。「国営企業」「民間企業」「地方政府」「国」である。249%のうち企業分が156%ということは、地方政府と国が残りの100%近く、という計算になる。 だが、すでに本連載で指摘したように、これまで地方政府の富の源泉だった農地を商業地や工業団地に用途変更して利益を得る不動産開発やインフラ整備などの投資プロジェクトはことごとく行き詰まり、地方政府は莫大な借金を抱えて収拾がつかない状況に陥っている。


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おまけにアリババ(阿里巴巴)などのネット通販隆盛の影響で多くのショッピングモールはテナントが入らなくなって「鬼城(ゴーストタウン)」化しているため、地方政府が商業地などの開発によってけるという従来の仕掛けは、もはや機能しなくなっている。では、これから中国はどうなるか? これもすでに本連載で書いたように、中国政府が人件費を市場に委ねず強制的・人為的に毎年15%ずつ引き上げてきたせいで中国企業の競争力は低下したのだが、だからといって賃下げは人民の反発が怖いからできない。

となると、おのずと為替は元安に向かうので、変動相場にするしかなくなる。変動相場制にしたら一気に元安が進み、現在の1ドル=6.6元が半分の1ドル=13元くらいまで下がらざるを得ないだろう。そうなれば輸出競争力は回復するかもしれないが、経済はハイパーインフレになって人民の生活は困窮する。実際、長い休止期間を経てトレーディングを再開したアメリカの著名投資家ジョージ・ソロス氏も「中国経済は危機を避けられない」と明確に予測している。

中国経済が破綻すれば、世界経済は大混乱する。もしかすると、1929年に当時の新興経済大国アメリカのバブル崩壊が引き起こした大恐慌のような状況になるかもしれない。 ただ日本は、オーストラリアやブラジルなどの資源国に比べれば対中輸出に依存していないし、元安によって中国から輸入している食料品、電気製品、衣料品などが安くなり、中国に進出している日本企業のコスト競争力も強くなるから、日本にとってはマイナスよりもプラスのほうが大きいだろう。
中国経済の破綻に備えつつ、危機を好機に転じるという発想と準備が重要だ。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160903/frn1609031530002-n1.htm

【管理人 補足記事&コメント】
中国メディアの騰訊は「日本の対外純資産残高が5年ぶりの減少となった」としながらも、日本国内の見方を引用し、外国人投資家が保有する日本の株式の価格上昇によって対外負債残高が増加したことが対外純資産残高が減少した理由と伝えた。 一方、日本の対外資産残高は前年比0.7%増となり、7年連続で増加し、過去最高となったと伝え、日本企業の国外での買収や直接投資が増えたことが理由と紹介。さらに、主要国の15年末における対外純資産は2位がドイツで、3位が中国だが、中国は192兆3700億円と、日本の56%の水準でしかない。

もっとも中国は約2兆ドルもの対外純資産を有して、14年の経常収支における所得収支は298億ドルのマイナスだ。これだけ巨額の対外純資産を持ちながら投資収益率がマイナスであることが資産管理における最大の問題だろう。そもそも外貨準備高の性格が日本と中国ではまるで違う。外貨準備高とは対外決済や為替市場の安定のために当局が保有する資金である。日本の定義では日銀と財務省が保有する外貨の総額で、その大半はかつての外貨介入によって取得されたものであり、その源泉は全てが過去の経常黒字にある。また2015年7月末残高1.27兆ドルであり、その90%の1.12兆ドルが外国証券、大半は米国債だ。

それに対して中国の外貨準備高には政府、中央銀行のほかに国有銀行など民間保有の短期外貨資産が含まれているとみられる。その源泉は過去の経常黒字の積み上がりに加えて、海外からの借り入れが大きく寄与している。と考えれば中国の外貨準備は負債の塊とも言えるが…。。。



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[ 2016年09月04日 18:56 ] カテゴリ:中国 | TB(0) | CM(0)
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