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手が付けられない「物流大乱」被害はなぜ大きくなったか?

韓進(ハンジン)海運が先月31日、企業再生手続(法定管理)に入った後、世界各地で運航に支障が出るなど「韓進海運発グローバル物流大乱」が手が付けられないほどに拡大している。韓進海運の構造調整は終盤まで経営陣と債権団の綱引きが続き、産業被害に対する韓国政府の対策が不十分だったという批判が強い。 政府は4日午前、政府ソウル庁舎で海洋水産部のキム・ヨンソク長官主宰で企画財政部・外交部など9部署が参加して対策を協議した。政府は海洋水産部が運営中の非常対応班を「関係部署合同対策タスクフォース(TF)」として拡大改編することにした。

■世界各地で船舶68隻が運航支障
海洋水産部と韓進海運の話を総合すれば、船舶68隻が19カ国44港湾で足止めされていることが明らかになった。今月2日の44隻、3日の53隻から一日でさらに14隻が増え、韓進海運船舶の運航支障が急速に拡大している。米国、中国、日本、スペインに続き、スリランカ、ベトナムなどでも船舶が入出港出来ずにいる。これらの国では港湾当局が入出港を阻んだり、荷役関連企業が未払いになっている代金を払えなどの理由で貨物の荷役作業を拒否している。

最も緊急な問題は、韓進海運船舶に積載された輸出貨物だ。運航に支障が出て納期に遅れが相次いでいる。韓国船主協会は、韓進海運の船舶には貨物が約41万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個)が載せられていると明らかにした。8281社の荷主が荷物を預け、貨物の価額だけで140億ドルと推算された。ややもすれば韓進海運が最大140億ドル規模の訴訟に巻き込まれると懸念されているのも、そのためだ。韓進海運事態で輸出に支障をきたす企業を支援するため、貿易協会内に設置した「輸出貨物貿易あい路申告センター」にも、今月1~2日の二日間に25件の被害申告が寄せられた。その合計被害額は50億ウォン(4億7000万円)になる。

路線運賃も暴騰している。韓進海運の主力路線である釜山~米ロサンゼルス路線のコンテナ船運賃は、僅か一日で1FEU(40フィートコンテナ1個)当たり1100ドル台から1700ドルに55%も急騰した。韓国~パナマ~米国東海岸を結ぶコンテナ路線の運賃も50%騰がった。
 
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米国の小売・流通企業にとっても非常事態になった。3日<マーケットウォッチ>の報道によれば、ウォルマートなど大型流通企業が会員になっている小売業指導者協会(RILA)のサンドラ・ケネディ会長は、米商務部と連邦海事委員会(FMC)に送った書簡で「(韓進海運の)物流支障とそれにともなう被害を最小化するために、韓国政府や他の利害関係者などと共に努力してほしい」と要求した。

■韓国政府の事前準備不良
韓進海運の法定管理にともなう被害が拡大していることと関連して、政府の事前準備が不十分だったという批判が出ている。海運業の不況にともなう構造調整方案が検討されてから10カ月が過ぎたが、終盤まで韓進海運問題は「存続させるかどうか」に焦点が合わされていた。主務部署の海水産部も韓進海運を存続っさせる方に重きを置いていただけに、法定管理後の余波に対する政府次元のきめ細かい対策は不十分だった。

足止めされている数十隻の韓進海運船舶に対して、韓国政府は特別な対策を出せなかった。傭船料、荷役・運搬費、装備賃借料など韓進海運の未払い代金だけで6500億ウォン(約600億円)だ。韓進海運が直接返済するか、債権団が支援をすれば解決の糸口を見つけられる。輸出企業は足掻くばかりだ。貿易協会に被害申告をした企業の関係者は「政府がこうした事態を予防できるよう、猶予期間を与えるなり、韓進海運利用企業にあらかじめ警告をすべきだった」と不満を露わにした。

9~10月が海運業の最繁忙期という点も悪材料として作用している。収穫感謝祭やクリスマス商品を集中配送しなければならない9~10月は、一カ月前に予約しなければコンテナ船をおさえられない。韓国国内の荷主が他の国内外船舶を活用できるよう支援するという政府の対策は、現実を知らない机上の空論だということだ。現代商船の船舶を投入することにしたのも米国路線の場合、早くとも8日から、ヨーロッパ航路には今月第2週(12日から始まる週)からになる予定だ。納期が命の輸出業者にとっては苦しい状況だ。韓進海運が属した海運同盟の船会社に輸送支援を要請するという政府の計画は無用の長物になった。すでに海運同盟の“CKYHE”が韓進海運の貨物は載せないと宣言し、事実上退出措置を下したためだ。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/25087.html

【管理人 補足記事&コメント】
韓進海運の船舶には貨物が約41万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個)が載せられている。8281社の荷主が荷物を預け、貨物の価額だけで140億ドルだ。韓進海運が最大140億ドル規模の訴訟に巻き込まれる懸念あり。こういう状態では、負の連鎖が広がる事になる。入港を阻まれ納期遅れの訴訟が次々勃発すれば目も当てられないだろう。現実それが起き始めているのではないか…。

韓進海運は、韓進グループの傘下企業だが、数年前々までは、独立した「韓進海運グループ」だった。韓進グループの創業者は、韓国の他の財閥と同じように、息子たちに有力企業を分割して継承させた。長男の趙亮鎬会長が、大韓航空を継承し、次男が建設業を、そして3男の趙秀鎬氏が海運業をそれぞれ継承した。 趙秀鎬氏の夫人が、崔恩瑛氏だ。ロッテグループの創業者である重光武雄氏の妹が母親で、自分も日本の聖心女子大を卒業している。 財閥夫人になったはずだったが、2006年に趙秀鎬氏がガンで死去する。崔恩瑛氏が急遽、韓進海運グループの会長に就任した。

海運不況で経営は悪化する一方で、2014年に趙亮鎬会長に泣き、韓進海運グループを韓進グループで引き受けたわけで、経営自体が素人である。銀行団は、趙亮鎬会長や韓進グループにも「相応の負担」を強く求めている。2社を合併させるシナリオもあるが、それぞれが属する国際アライアンスも異なる。経営実態や資金繰りも異なり、簡単ではない。挙句に海運業界の処理はまだ、氷山の一角で、「ゾンビ企業」は山ほど残っている状態だ。運も造船も、5〜6年前には悪化するのは理解していただろう。ところが処理がどんどん先送りされ、民間の銀行と民間企業で早めに処理することも可能だったはずだが、結局、政府が動き出すまで誰も主導権を取らなかった。結局政府主導の企業処理や業界再編を繰り返すだけでしかない。



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[ 2016年09月05日 09:37 ] カテゴリ:韓国経済 | TB(0) | CM(0)
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