上海で北海道米「ゆめぴりか」のPR 料理人の研ぎ方に「まるでマッサージ」
安全性や品質の高さによって中国国内の消費者から信頼されている日本の製品。ブランド米もその1つだ。日本の生産者も中国市場を有望なマーケットと見ており、中国国内に赴いてプロモーションを行うこともしばしばだ。中国メディア・東方網は19日、北海道のブランド米「ゆめぴりか」の宣伝活動が上海市内のスーパーマーケットで行われたことを報じた。
記事は、同市内淮海路のショッピングモール・環貿広場のスーパーマーケットで19日午後、日本人の料理人が、「ゆめぴりか」を使ったおいしいごはんの炊き方についてのレクチャーを行ったと紹介。料理人がお米を研ぐのに使う最初の水が重要であること、お米を揉みつぶすことなく優しく洗うことなど、ごはんを炊く上での大小さまざまなポイントを解説した事を伝えた。
そして、興味深げにデモンストレーションを見ていた「受講者」たちが、実際にお米研ぎにチャレンジ。「まるでお米にマッサージしているみたい」といった声が聞かれたと紹介している。「ゆめぴりか」は来年の春節(旧正月)前に、上海及び周辺地域で発売が開始されるとのことだ。
中国新聞網の19日付報道によると、このイベントは「ゆめぴりか」のほか、海産物をはじめとする北海道グルメをPRするためのもので、高橋はるみ北海道知事やホクレン農業協同組合連合会の代表者らも現地に乗り込んで宣伝を行ったという。「ゆめぴりか」は通常のお米より高めの値段で、中間層以上をターゲットに売り込む予定とのことだが、試食した市民からは「確かに味がいい。値段が良ければ家族が食べる分を買いたい」と上々の評判を得たようだ。
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日本政府は今年度より中国へのコメ輸出を全面的にスタートさせた。中国新聞網は、ホクレンをはじめとする5つの卸売業者などが輸出プロジェクトを始動させていると紹介している。今後、中間層を中心に中国国内でも日本のおいしいお米を食する機会がさらに増えていきそうだ。
これまでは「食べられればいい」という考え方が強かった中国の食事情が、大都市を中心に「より良いものを、より美味しいものを」という考え方に変化しつつある。記事が紹介したお米の炊き方のレクチャーに参加した市民の興味深げな様子からは、高品質な食品に対するニーズだけでなく、それをいかにして美味しく調理するかといったテクニックや知識に対する欲求も旺盛であることが伺える。
http://news.searchina.net/id/1623426?page=1
【管理人 補足記事&コメント】
2014年のコメの輸出量が過去最高を更新した。農林水産省が9日発表した1~10月の輸出数量(援助除く)は3380トンで通年で最高だった昨年(3121トン)を超えた。前年同期と比べ45.8%増えた。国内価格の下落や為替の円安で国産米の割高感が薄れ、和食人気の高いアジア向けを中心に伸びた。日本国内のコメ消費は減少傾向で、コメ卸の神明ホールディングや農機メーカーのクボタは輸出拡大に動いている。生産者も新たな販路として注目し、14年産の輸出用米の生産量は6092トンと前年の2倍強になった。輸出は伸びているが、約790万トンの国内生産量と比較するとわずかだ。個別に輸出し、販路を奪い合っているとの指摘もある。
しかし戦後70年続いた「農業弱体化政策」を転換すれば、日本の農業の高い潜在力が花開き、TPP(環太平洋経済連携協定)にも対応できる強い農業が生まれる。最有力なのは米の輸出だ。日本の米は海外で高く評価されている。米についても、ジャポニカ米(短粒種)、インディカ米(長粒種)の区別があるほか、同じジャポニカ米でも品質に大きな差がある。世界で貿易される米のほとんどはインディカ米であるうえ、ジャポニカ米も含め、その貿易量のほとんどがアフリカ、南アジア、一部の東南アジアなどの低所得国向けの低価格、低品質米である。 インディカ米でも、パキスタンなどで生産されるバスマッティ・ライス、アメリカ・中国向けのタイ産のジャスミン米のような高級米と、アフリカや南アジアなどへ輸出される低級米とは大きな品質の違いがある。
アメリカは350万トンの輸出を行いながら、高級長粒種ジャスミン米を中心にタイなどから80万トンの米を輸入している。牛肉と同様、米でも産業内貿易が実際に行われているのである。 国内でも、同じコシヒカリという品種でも、新潟県魚沼産と一般の産地のコシヒカリでは1.5倍の価格差がある。国際市場でも、日本米は最も高い評価を受けている。現在、香港では、同じコシヒカリでも日本産はカリフォルニア産の1.6倍、中国産の2.5倍の価格となっている。日本に米を輸出している中国の最大の内政問題は、都市部の1人当たり所得が農村部の3.5倍にも拡大していることに象徴される「三農問題」である。中国がこの問題を解決していくにつれ、中国農村部の労働コストは上昇し、農産物価格も上昇する。日本の農産物の価格競争力が増加する。
輸出するために米を増産する必要があるとすれば、減反は当然廃止となる。そもそも関税がなくなれば、減反によって国際価格よりも高い水準に価格が設定されている「国内の価格カルテル」は維持できない(関税撤廃後の米農業への影響を試算するのであれば、減反廃止後の米価と国際価格を比較すべきである)。そうなれば、価格は大きく低下し国際競争力はますます強化される。世界に冠たる品質の米が、減反廃止に加えて、生産性向上と直接支払いでいっそう価格競争力を持つようになると、まさに鬼に金棒である。
実際に、どれだけ輸出できる可能性があるのか。1993年の大凶作の翌年、減反を一時期解除した。このときの生産が1200万トンである。突然の減反解除で米農家は十分な対応ができなかったにもかかわらず、これだけの生産は実現できた。現在、水田面積は減少しているものの十分な時間的余裕があれば単収も向上し、これだけの生産は可能との予測がある。価格低下で国内の需要量が850万トンに拡大しても、なお、アメリカ並みの350万トン程度の輸出は可能という事だ。 米の国際貿易量は、この20年間で1000万トンから4000万トンへと拡大し、なお拡大を続けている。2014年の我が国の米輸出量は4516トン、輸出金額は14億円だった。輸出量が350万トンに増えれば、輸出金額は1.1兆円になる。農業を再建するのに十分な額だが…。
記事は、同市内淮海路のショッピングモール・環貿広場のスーパーマーケットで19日午後、日本人の料理人が、「ゆめぴりか」を使ったおいしいごはんの炊き方についてのレクチャーを行ったと紹介。料理人がお米を研ぐのに使う最初の水が重要であること、お米を揉みつぶすことなく優しく洗うことなど、ごはんを炊く上での大小さまざまなポイントを解説した事を伝えた。
そして、興味深げにデモンストレーションを見ていた「受講者」たちが、実際にお米研ぎにチャレンジ。「まるでお米にマッサージしているみたい」といった声が聞かれたと紹介している。「ゆめぴりか」は来年の春節(旧正月)前に、上海及び周辺地域で発売が開始されるとのことだ。
中国新聞網の19日付報道によると、このイベントは「ゆめぴりか」のほか、海産物をはじめとする北海道グルメをPRするためのもので、高橋はるみ北海道知事やホクレン農業協同組合連合会の代表者らも現地に乗り込んで宣伝を行ったという。「ゆめぴりか」は通常のお米より高めの値段で、中間層以上をターゲットに売り込む予定とのことだが、試食した市民からは「確かに味がいい。値段が良ければ家族が食べる分を買いたい」と上々の評判を得たようだ。
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日本政府は今年度より中国へのコメ輸出を全面的にスタートさせた。中国新聞網は、ホクレンをはじめとする5つの卸売業者などが輸出プロジェクトを始動させていると紹介している。今後、中間層を中心に中国国内でも日本のおいしいお米を食する機会がさらに増えていきそうだ。
これまでは「食べられればいい」という考え方が強かった中国の食事情が、大都市を中心に「より良いものを、より美味しいものを」という考え方に変化しつつある。記事が紹介したお米の炊き方のレクチャーに参加した市民の興味深げな様子からは、高品質な食品に対するニーズだけでなく、それをいかにして美味しく調理するかといったテクニックや知識に対する欲求も旺盛であることが伺える。
http://news.searchina.net/id/1623426?page=1
【管理人 補足記事&コメント】
2014年のコメの輸出量が過去最高を更新した。農林水産省が9日発表した1~10月の輸出数量(援助除く)は3380トンで通年で最高だった昨年(3121トン)を超えた。前年同期と比べ45.8%増えた。国内価格の下落や為替の円安で国産米の割高感が薄れ、和食人気の高いアジア向けを中心に伸びた。日本国内のコメ消費は減少傾向で、コメ卸の神明ホールディングや農機メーカーのクボタは輸出拡大に動いている。生産者も新たな販路として注目し、14年産の輸出用米の生産量は6092トンと前年の2倍強になった。輸出は伸びているが、約790万トンの国内生産量と比較するとわずかだ。個別に輸出し、販路を奪い合っているとの指摘もある。
しかし戦後70年続いた「農業弱体化政策」を転換すれば、日本の農業の高い潜在力が花開き、TPP(環太平洋経済連携協定)にも対応できる強い農業が生まれる。最有力なのは米の輸出だ。日本の米は海外で高く評価されている。米についても、ジャポニカ米(短粒種)、インディカ米(長粒種)の区別があるほか、同じジャポニカ米でも品質に大きな差がある。世界で貿易される米のほとんどはインディカ米であるうえ、ジャポニカ米も含め、その貿易量のほとんどがアフリカ、南アジア、一部の東南アジアなどの低所得国向けの低価格、低品質米である。 インディカ米でも、パキスタンなどで生産されるバスマッティ・ライス、アメリカ・中国向けのタイ産のジャスミン米のような高級米と、アフリカや南アジアなどへ輸出される低級米とは大きな品質の違いがある。
アメリカは350万トンの輸出を行いながら、高級長粒種ジャスミン米を中心にタイなどから80万トンの米を輸入している。牛肉と同様、米でも産業内貿易が実際に行われているのである。 国内でも、同じコシヒカリという品種でも、新潟県魚沼産と一般の産地のコシヒカリでは1.5倍の価格差がある。国際市場でも、日本米は最も高い評価を受けている。現在、香港では、同じコシヒカリでも日本産はカリフォルニア産の1.6倍、中国産の2.5倍の価格となっている。日本に米を輸出している中国の最大の内政問題は、都市部の1人当たり所得が農村部の3.5倍にも拡大していることに象徴される「三農問題」である。中国がこの問題を解決していくにつれ、中国農村部の労働コストは上昇し、農産物価格も上昇する。日本の農産物の価格競争力が増加する。
輸出するために米を増産する必要があるとすれば、減反は当然廃止となる。そもそも関税がなくなれば、減反によって国際価格よりも高い水準に価格が設定されている「国内の価格カルテル」は維持できない(関税撤廃後の米農業への影響を試算するのであれば、減反廃止後の米価と国際価格を比較すべきである)。そうなれば、価格は大きく低下し国際競争力はますます強化される。世界に冠たる品質の米が、減反廃止に加えて、生産性向上と直接支払いでいっそう価格競争力を持つようになると、まさに鬼に金棒である。
実際に、どれだけ輸出できる可能性があるのか。1993年の大凶作の翌年、減反を一時期解除した。このときの生産が1200万トンである。突然の減反解除で米農家は十分な対応ができなかったにもかかわらず、これだけの生産は実現できた。現在、水田面積は減少しているものの十分な時間的余裕があれば単収も向上し、これだけの生産は可能との予測がある。価格低下で国内の需要量が850万トンに拡大しても、なお、アメリカ並みの350万トン程度の輸出は可能という事だ。 米の国際貿易量は、この20年間で1000万トンから4000万トンへと拡大し、なお拡大を続けている。2014年の我が国の米輸出量は4516トン、輸出金額は14億円だった。輸出量が350万トンに増えれば、輸出金額は1.1兆円になる。農業を再建するのに十分な額だが…。
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