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積極的再分配政策なしに所得分配悪化は止められない

外国為替危機後、悪化の一路をたどっている所得分配の指標が2008~2009年を境に最悪の状況を抜け出した。今後は続けて改善されるという期待が芽生えていた。ところがそのような期待は空しく崩れてしまった。昨年の個人の可処分所得を基準とした所得不平等度が大幅に上昇したことが明らかになった。 統計庁集計によれば、昨年韓国の家計可処分所得のジニ係数は0.304で、2015年の0.295より0.009上った。可処分所得を基準にして不平等の度合いが緩和された流れが5年ぶりに反転したのだが、数値は一挙に2013年の水準に戻った。所得上位20%の層の所得と下位20%の層の所得格差も広がり、相対的貧困率も高まった。

可処分所得のジニ係数は、政府に納める税金や基礎年金、受給費などの政府から受ける公的な振替所得を加えた所得を基準として不公平度を計算したものだ。政府の再分配効果が反映されている。政府の再分配政策が可処分所得のジニ係数を下げる割合は高まり続けている。それでも昨年の可処分所得ジニ係数が再び高まったことを軽く見てはならない。再分配がなされる前の市場所得の不平等度がそれだけ早く高まっているという話であるからだ。昨年の市場所得のジニ係数は0.353で、2015年に比べて0.012も上がった。 働き口の質が悪くなって貧困層が拡大したのがジニ係数上昇の主要原因だ。限界企業のリストラで増えた失業者が零細自営業に大挙飛び込んで、平均就職時間が短いアルバイト型の働き口の割合が大きくなった。

今年に入っては景気が底を打って良くなる兆しが伺える。しかし内需好転でなく輸出回復に頼ったものなので、所得の不平等緩和には限界があるようだ。政府が雇用創出を最優先の政策にしたことは正しいだろう。究極的には民間で良い働き口をたくさん作るように政策を展開せねばならない。政府はさらに積極的に再分配政策も行わねばならない。産業構造、雇用構造の変化、高齢化の影響で市場所得の不平等度が大きくなり続けているが、これを改善するには相当な政策的・政治的努力と時間が必要だ。だからといって放置していると内需不振による長期沈滞から抜け出す方法がない。財政赤字を甘受しても福祉制度を早急に拡充しなくてはならない理由である。




【管理人 補足記事&コメント】
可処分所得とは、国全体あるいは各制度部門主体のすべての源泉の所得から,すべての経常移転の支払いを除いたものをいう。各制度部門別の可処分所得は所得支出勘定において求めることができる。国全体の可処分所得、すなわち国民可処分所得は所得支出勘定を統合することによって求めることが可能だ。各制度部門別の可処分所得はそれぞれの制度部門主体の手元に残って実際に処分可能な所得であるが、非金融法人企業および金融機関ではそれは貯蓄に等しく、消費主体である一般政府、対家計民間非営利団体、家計では消費と貯蓄に分れる。このうち特に重要なのは家計の可処分所得であり、家計消費支出÷家計可処分所得=消費性向、家計貯蓄÷家計可処分所得=貯蓄性向あるいは貯蓄率という。

日本では、「若者の自動車離れ」と呼ばれる言葉・現象の理由の一つとして、若年層の所得の増加が車の価格上昇に追いついていないとの見解がある。ピーク時の1990年には可処分所得の約3か月分で自動車が買えた。直近の2016年では7か月分を超える。バブル時と比べれば約2.5倍ほど自動車は手が届きにくい状態だ。ある意味意では軽自動車という安くて性能が良い車へ移行した結果にもつながっている。一方の韓国では、可処分所得に対して無理に自動車購入している部分もあるわけで、自動車販売台数と一向に変わらない平均年収を考慮すれば予測がつく。

働き口の質が悪くなって貧困層が拡大したのがジニ係数上昇の主要原因だというが、一概に働き口の質が悪いとも言い難い。厳しい割に、仕事の選択ガイドラインが高いのも韓国人の特徴と言える。何でも仕事をする中国人と違うところだが…。その我儘を直さない限り、働く側も受ける側も、成長しないのではないか…。



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[ 2017年05月26日 11:12 ] カテゴリ:韓国社会 | TB(0) | CM(0)
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