米利上げで日本への影響は? 短期予測は極めて難しい
米連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げと年内の保有資産縮小着手を決めたと公表した。新興国と日本の為替や景気にどのような影響が想定されるだろうか。一般論としていえば、米国が利上げすればドルが強くなり、他国通貨は安くなる。と同時に、新興市場やフロンティア市場への資本流入が減少する。この資金フローの減少が短期間に行われると、脆弱な途上国が政策面で深刻な状況に陥ることもあり得る。
世界銀行が4日に公表した「世界経済見通し」(2017年6月版)によれば、17年の先進国の経済成長率は1・9%に上昇し、新興国・途上国の全体的な成長率も4・1%に上昇するという。 この意味で、米利上げの影響は、以前よりは限定的になるという見方が強い。今回のFRBの利上げに唐突感はなく、予定通りであるので、途上国でも予見可能であった。思わぬ展開の場合、金融市場に混乱があるが、現時点では大きな混乱は生じておらず、途上国の成長を損ねるような事態にはならない可能性が高い。
カギを握るのは、1次産品価格の安定である。これまでのFRBの行動は市場に織り込まれており、1次産品価格の動きも安定的である。その動向をみる限り、これまでのところ懸念材料にはなっていない。
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日本への影響はどうか。日本を含めた先進国では、資本流出があっても自国経済への影響はまずない。そもそも先進国では資本移動の自由が確保されており、資本流出があっても自国の資本で経済を維持できる。となると、米国の利上げは自国の通貨安という結果になる。これは、先進国経済にとって悪いことではない。17年の先進国経済は成長率が伸びるという予想であるが、これが米利上げでさらに後押しされる可能性もある。
もっとも、為替の動きには気まぐれもある。市場は先を読むので、FRBが予定している年3回の利上げも先取りする。今回が年3回のうち2度目であり、あと1回残っているとみれば、今回の利上げは円安方向に動かす要因となる。ただし、今回が利上げの打ち止めとみれば、短期的には円高要因になってもおかしくない。 今後の為替の展開は、FRBが年内のどの時点で保有資産縮小に着手するか、どのような期間でどの程度まで資産縮小するのかが関心事となる。
http://www.zakzak.co.jp/
【管理人 補足記事&コメント】
黒田東彦総裁は米利上げは国内金利について今年3月の会合後の記者会見で、米国の利上げは国内金利の引き上げに「直接的な影響はない」との認識を示している。金融調節方針は、誘導目標である長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いたほか、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」を維持している。日米の金利差が為替に与える影響については「為替は金利格差だけではなくいろいろな要素で動く」と述べている。
過去の動きだけから見ると、米利上げは、日本株に強材料と見られる。米利上げは、米国株や世界の株式にとっては、悪材料だが、、日本株にとっては、やや事情が異なる。米利上げは、米景気が好調なときに実施されるわけで、米利上げは、円安、ドル高につながり易い。米景気が好調な中、円安が進めば、日本の企業業績が拡大し、日経平均が上昇しやすくなると言う専門家の意見も多い。ただ。アメリカはずっとゼロ金利だったため、ドルや米国債を持っていても、あまり旨味がなかったわけで、企業や投資家は、多少リスクを取ってでも金利の高い新興国の通貨や国債に投資をしていた。
しかし、アメリカが利上げをすると、アメリカの金利が高くなるなら、わざわざリスクの高い新興国へ投資するより、ドルや米国債を持っていたほうが良いわけで、新興国からアメリカにマネーは引き上げられ、新興国の成長は鈍化し、加えてドルを欲しがるわけでドルが強くなる。一方で、米国の中央銀行の金利が上がると、各金融機関の金利も上がりわけで、銀行からお金を借りている企業の、利息の支払いが増加し、企業の利益はその分減少する。つまり、企業の業績が悪化する可能性がある。
と考えれば、利上げは自国企業業績を悪化させると同時に、新興国の成長は鈍化し、ドルだけが強まるという話となるのでは異常なわけで、実は単純ではない。一般論だけで判断しにくい部分でもある…。現にシェール革命の掘削作業原価割れで、ほぼ完全雇用に近いアメリカ雇用が失われていた時期もあるわけで、利上げに耐えるだけの企業体力環境と外交努力を含めた企業努力が最重要となる。
世界銀行が4日に公表した「世界経済見通し」(2017年6月版)によれば、17年の先進国の経済成長率は1・9%に上昇し、新興国・途上国の全体的な成長率も4・1%に上昇するという。 この意味で、米利上げの影響は、以前よりは限定的になるという見方が強い。今回のFRBの利上げに唐突感はなく、予定通りであるので、途上国でも予見可能であった。思わぬ展開の場合、金融市場に混乱があるが、現時点では大きな混乱は生じておらず、途上国の成長を損ねるような事態にはならない可能性が高い。
カギを握るのは、1次産品価格の安定である。これまでのFRBの行動は市場に織り込まれており、1次産品価格の動きも安定的である。その動向をみる限り、これまでのところ懸念材料にはなっていない。
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日本への影響はどうか。日本を含めた先進国では、資本流出があっても自国経済への影響はまずない。そもそも先進国では資本移動の自由が確保されており、資本流出があっても自国の資本で経済を維持できる。となると、米国の利上げは自国の通貨安という結果になる。これは、先進国経済にとって悪いことではない。17年の先進国経済は成長率が伸びるという予想であるが、これが米利上げでさらに後押しされる可能性もある。
もっとも、為替の動きには気まぐれもある。市場は先を読むので、FRBが予定している年3回の利上げも先取りする。今回が年3回のうち2度目であり、あと1回残っているとみれば、今回の利上げは円安方向に動かす要因となる。ただし、今回が利上げの打ち止めとみれば、短期的には円高要因になってもおかしくない。 今後の為替の展開は、FRBが年内のどの時点で保有資産縮小に着手するか、どのような期間でどの程度まで資産縮小するのかが関心事となる。
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【管理人 補足記事&コメント】
黒田東彦総裁は米利上げは国内金利について今年3月の会合後の記者会見で、米国の利上げは国内金利の引き上げに「直接的な影響はない」との認識を示している。金融調節方針は、誘導目標である長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いたほか、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」を維持している。日米の金利差が為替に与える影響については「為替は金利格差だけではなくいろいろな要素で動く」と述べている。
過去の動きだけから見ると、米利上げは、日本株に強材料と見られる。米利上げは、米国株や世界の株式にとっては、悪材料だが、、日本株にとっては、やや事情が異なる。米利上げは、米景気が好調なときに実施されるわけで、米利上げは、円安、ドル高につながり易い。米景気が好調な中、円安が進めば、日本の企業業績が拡大し、日経平均が上昇しやすくなると言う専門家の意見も多い。ただ。アメリカはずっとゼロ金利だったため、ドルや米国債を持っていても、あまり旨味がなかったわけで、企業や投資家は、多少リスクを取ってでも金利の高い新興国の通貨や国債に投資をしていた。
しかし、アメリカが利上げをすると、アメリカの金利が高くなるなら、わざわざリスクの高い新興国へ投資するより、ドルや米国債を持っていたほうが良いわけで、新興国からアメリカにマネーは引き上げられ、新興国の成長は鈍化し、加えてドルを欲しがるわけでドルが強くなる。一方で、米国の中央銀行の金利が上がると、各金融機関の金利も上がりわけで、銀行からお金を借りている企業の、利息の支払いが増加し、企業の利益はその分減少する。つまり、企業の業績が悪化する可能性がある。
と考えれば、利上げは自国企業業績を悪化させると同時に、新興国の成長は鈍化し、ドルだけが強まるという話となるのでは異常なわけで、実は単純ではない。一般論だけで判断しにくい部分でもある…。現にシェール革命の掘削作業原価割れで、ほぼ完全雇用に近いアメリカ雇用が失われていた時期もあるわけで、利上げに耐えるだけの企業体力環境と外交努力を含めた企業努力が最重要となる。
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