アップルの「幸せすぎる黄金時代」は終わった
アップルが、第2四半期(1~3月)決算を4月26日に発表し、「13年ぶりとなる減収減益」という内容が大きな話題となった。売上高は前年比で13%低下しており、売り上げの大部分をたたき出すiPhoneの減速が主因と指摘されている。しかし、ジャンルごとの売り上げ台数を昨年同期と比較すると、iPhone(16%減)、iPad(19%減)、Mac(12%減)と、製品ジャンルを問わず売り上げが落ちている。
製品を問わず売り上げが落ちている
このうち、Macについては主力製品であるMacBook Air、MacBook Proなどの大幅改良時期が迫っている点なども考慮すべきだろう。しかし、アップルは第3四半期の売り上げも引き続き前年割れとなると予想しており、やはりジャンルを問わず売り上げが緩やかに落ちていると考えるべきだろう。この売り上げ不振で、アップルはiPhoneの流通在庫を45万台減らしている。そのための生産調整は、すでに入った後と考えられるが、引き続き売り上げ減少が予想される中、さらなる減産も視野に入れねばならないだろう。アップルはiPhone 6の記録的な売り上げを背景に、昨年は流通在庫を100万台増やすと発表していたからだ。これがiPhone 6以前のレベルまで落ち込むのであれば、さらに在庫を減らす可能性がある。
同社が発表する地域セグメントのうち唯一、日本だけが前年同期比で売上金額が24%も伸びている。おそらく、年末の売り上げ不振からの販売施策が今年になって進められたことや、日本の携帯電話事業者が乗り換え支援のキャッシュバック廃止を発表したことに伴う駆け込み需要などが、影響しているのではないだろうか。今回の減収が一時的な”踊り場”なのか、それとも後退期への突入を示すのかを判断するのは、まだ時期尚早かもしれない。しかしながらここ数年は、かつてのように消費者を驚かせる新製品を出せていなかったことも事実だ。
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アップルのたたき出す売り上げと利益は、他社に比べて桁違いに大きい。不調を名指しされるiPhone事業も、追いかけるメーカーが背後に見えているわけではない。そして、アップル自身も、現状に対して手をこまねいて見ているだけではない。iPhone SEがアップルにとって重要な商品なのは、(日本市場ではガラケーからの置きかえ促進という意味もあるだろうが)グローバルではアジア、中東、アフリカで増え続けている中産階級の消費者から、リーズナブルでパワフルなiPhoneが求められているからだ。すなわち、これまで高価すぎてiPhoneに手が届かなかった地域の消費者を、アップル側へと巻き取っていく可能性をもっている。
OECD(経済協力開発機構)によると、現在は世界人口の24%が中産階級に属しているのに対して、2020年には41%まで急増。現在は18億人の中産階級が32億人にまで増える。アップルが、この急増する中産階級を意識しているのだとすれば、iPhone SEを戦略的に用いることでiPhoneユーザーを増やせる余地がある。ただし、iPhoneの高性能化とともにユーザーは、現行製品にあまり大きな不満を持たなくなってきている。機能や使い勝手、デザインやディスプレーなどで、新しい提案をしていくことが難しくなっており、必然的に買い換えサイクルの長期化が始まるだろう。iPhone SEは品質の高い中級機だが、それがiPhone市場の減速をリカバーできるかと言えば、現実には難しいと予想する。
つまり、アップルの今四半期決算の結果は、アップル自身の問題というよりも、急速に普及が進み、市場開拓が新興市場にまで伸びたスマートフォン市場の状況を投影したものと言えるだろう。
http://toyokeizai.net/articles/-/115983
【管理人コメント】
アップルはポータブル音楽プレーヤーや携帯電話を「再発明」することで既存市場を劇的に変えてきた。2007年のiPhone投入からここまではスマートフォン市場の世界的な成長により、進むべき道筋が明確に見えていた。しかし、これまでが特殊で、あまりに幸せすぎた期間といえるかもしれないと伝えている。どんな企業にも、同じ製品を出し続ければ、性能もすべてにおいて限界点に来るのは当たり前である。単にその限界点に来ただけの事である。企業の価値化ここからが勝負と言える。
PCにおいてもアップルが画像処理関連では優れたOSであっても、結局は音楽の世界から今のスマホにたどりついたわけで、今までは成功し、ソニーなど日本の電機メーカーを追いやったが、何もしなければ逆転となる時期が来る。今までの技術をどの様に生かすかが今後の課題となる。開発主体で製造を持たない分気軽ではあるが、その開発能力が鈍化になれば、一気に低迷するわけで、買収でどうにかなる時代は過ぎている。むしろ経営者の采配による部分も多いが、如何に社員からのアイデアを生かすかという部分と、基本であるマーケティング分析によると考えるが…。
製品を問わず売り上げが落ちている
このうち、Macについては主力製品であるMacBook Air、MacBook Proなどの大幅改良時期が迫っている点なども考慮すべきだろう。しかし、アップルは第3四半期の売り上げも引き続き前年割れとなると予想しており、やはりジャンルを問わず売り上げが緩やかに落ちていると考えるべきだろう。この売り上げ不振で、アップルはiPhoneの流通在庫を45万台減らしている。そのための生産調整は、すでに入った後と考えられるが、引き続き売り上げ減少が予想される中、さらなる減産も視野に入れねばならないだろう。アップルはiPhone 6の記録的な売り上げを背景に、昨年は流通在庫を100万台増やすと発表していたからだ。これがiPhone 6以前のレベルまで落ち込むのであれば、さらに在庫を減らす可能性がある。
同社が発表する地域セグメントのうち唯一、日本だけが前年同期比で売上金額が24%も伸びている。おそらく、年末の売り上げ不振からの販売施策が今年になって進められたことや、日本の携帯電話事業者が乗り換え支援のキャッシュバック廃止を発表したことに伴う駆け込み需要などが、影響しているのではないだろうか。今回の減収が一時的な”踊り場”なのか、それとも後退期への突入を示すのかを判断するのは、まだ時期尚早かもしれない。しかしながらここ数年は、かつてのように消費者を驚かせる新製品を出せていなかったことも事実だ。
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アップルのたたき出す売り上げと利益は、他社に比べて桁違いに大きい。不調を名指しされるiPhone事業も、追いかけるメーカーが背後に見えているわけではない。そして、アップル自身も、現状に対して手をこまねいて見ているだけではない。iPhone SEがアップルにとって重要な商品なのは、(日本市場ではガラケーからの置きかえ促進という意味もあるだろうが)グローバルではアジア、中東、アフリカで増え続けている中産階級の消費者から、リーズナブルでパワフルなiPhoneが求められているからだ。すなわち、これまで高価すぎてiPhoneに手が届かなかった地域の消費者を、アップル側へと巻き取っていく可能性をもっている。
OECD(経済協力開発機構)によると、現在は世界人口の24%が中産階級に属しているのに対して、2020年には41%まで急増。現在は18億人の中産階級が32億人にまで増える。アップルが、この急増する中産階級を意識しているのだとすれば、iPhone SEを戦略的に用いることでiPhoneユーザーを増やせる余地がある。ただし、iPhoneの高性能化とともにユーザーは、現行製品にあまり大きな不満を持たなくなってきている。機能や使い勝手、デザインやディスプレーなどで、新しい提案をしていくことが難しくなっており、必然的に買い換えサイクルの長期化が始まるだろう。iPhone SEは品質の高い中級機だが、それがiPhone市場の減速をリカバーできるかと言えば、現実には難しいと予想する。
つまり、アップルの今四半期決算の結果は、アップル自身の問題というよりも、急速に普及が進み、市場開拓が新興市場にまで伸びたスマートフォン市場の状況を投影したものと言えるだろう。
http://toyokeizai.net/articles/-/115983
【管理人コメント】
アップルはポータブル音楽プレーヤーや携帯電話を「再発明」することで既存市場を劇的に変えてきた。2007年のiPhone投入からここまではスマートフォン市場の世界的な成長により、進むべき道筋が明確に見えていた。しかし、これまでが特殊で、あまりに幸せすぎた期間といえるかもしれないと伝えている。どんな企業にも、同じ製品を出し続ければ、性能もすべてにおいて限界点に来るのは当たり前である。単にその限界点に来ただけの事である。企業の価値化ここからが勝負と言える。
PCにおいてもアップルが画像処理関連では優れたOSであっても、結局は音楽の世界から今のスマホにたどりついたわけで、今までは成功し、ソニーなど日本の電機メーカーを追いやったが、何もしなければ逆転となる時期が来る。今までの技術をどの様に生かすかが今後の課題となる。開発主体で製造を持たない分気軽ではあるが、その開発能力が鈍化になれば、一気に低迷するわけで、買収でどうにかなる時代は過ぎている。むしろ経営者の采配による部分も多いが、如何に社員からのアイデアを生かすかという部分と、基本であるマーケティング分析によると考えるが…。
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減収減益は予測の範囲内に見えます。
同一カテゴリの中でモデルチェンジという戦略の限界。
一番構えているの部品メーカと委託メーカじゃないですか。