人材を奪われ、お金にならない半導体産業
「窮余の策」。最近、韓国国内半導体業界の関係者らが中国企業を評価する際によく使う表現だ。開発と量産時点を合わせるために、経済性と効用性の落ちる技術を無理に組み合わせるという意味だ。ここ数年中国企業は、自国政府の全面的な政策・金融支援の下、韓国技術者を引き抜きする方法で急速に追いかけてきた。しかし、まだ韓国と3、4年の技術格差が保たれているのも事実である。国内半導体業界では、中国への行き過ぎた過大評価も、過小評価も避けなければならないという指摘が出ている。中国の「半導体崛起」を明確な脅威として認めるものの、現在の技術格差を巡る正確な診断と、これをもとにマクロ対応策を策定することが重要だという。
今月7日(現地時間)、米シリコンバレーで開かれた「フラッシュメモリサミット」で、中国国営清華ユニグループ傘下の長江メモリテクノロジー(YMTC)は、初の3次元(3D)NAND型フラッシュの量産試作品を公開した。10月に本格的な試験生産に突入して、来年大量生産に乗り出すという青写真も出した。NAND型フラッシュは、Dラムと違って電源を切ってもデータを記憶するメモリ半導体で、データ使用量の多いモノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)、バーチャルリアリティ(VR)などの第4次産業革命に欠かせない。これまで韓国からメモリ半導体を事実上全量輸入してきた中国が、半導体自給率を2025年には70%まで引き上げるという目標の下、自国企業に各種の補助金や税制上の優遇を注ぎ込んできた理由だ。
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同日、YMTCのサイモン・ヤン最高経営責任者(CEO)は「Xtackingは現存するNAND型フラッシュのなかで入出力速度が最も速い」と主張し、業界最高水準である三星(サムスン)電子より二倍以上良いと強調した。しかし、いざベールを脱いだ中国の次世代技術について専門家らの間では、経済性と効用性が落ちて、実際の量産は難しいだろうという否定的な評価が多かった。三星証券のファン・ミンソン研究員は、「YMTCの32段3D・NAND型の生産コストは、主な競合他社より5倍以上も高いと推定される」とし、「64段の3DNAND型でもコストの格差を大幅に縮めるのは容易ではなく、技術開発と量産目標を達成することは困難だろう」と語った。
http://japanese.donga.com/
NANDフラッシュメモリの発明企業が東芝であることは、良く知られている。DRAMを超える記憶密度と記憶容量を実現しながら、データを電気的に書き換え可能にしたメモリだ。およそ30年前の1987年12月に、国際学会IEDMで、NANDフラッシュメモリのメモリセルがはじめて発表された。さらには、メモリセルストリング(メモリセルの連なり)を垂直に立てることでNANDフラッシュメモリの記憶密度を著しく向上させる3D NAND技術をはじめてシリコンダイにして国際学会で発表したのも東芝だ。
そして多値記憶技術の究極と言える、4bit/セル技術(QLC技術)を開発して大容量シリコンダイをはじめて国際学会で発表したのも東芝なのだ。約9年前の2009年2月に国際学会ISSCCで、QLC技術による64GbitのNANDフラッシュメモリをSanDiskと共同で発表した(米SanDiskと東芝が世界最大容量のNANDフラッシュを共同開発参照)。NANDフラッシュメモリの技術開発は、ほぼつねに東芝が牽引してきた。技術開発における東芝の存在は、かぎりなく大きい。
ところが、NANDフラッシュメモリの事業(ビジネス)となると、事情が違ってくる。半導体メモリの雄、Samsung Electronicsがずっと、トップシェアを握り続けてきた。そもそものはじまりは1990年代に、東芝がセカンドソースを確保するためにSamsungにNANDフラッシュメモリ技術をライセンス供与したことだ(ライセンス供与で東芝とSamsungが提携したのは1992年)。1990年代後半から2000年代前半にNANDフラッシュメモリの市場が立ち上がると、トップシェアを奪ったのは東芝ではなく、Samsungだった。このため現在でも、東芝からSamsungへの技術ライセンス供与は失敗だったとする声が、半導体メモリのコミュニティには存在する。
東芝-WD連合が発表した3D NANDフラッシュの記憶容量は512Gbitで、前年のISSCCで発表した64層の3D NANDフラッシュと変わらない。多値記憶方式もTLC方式で同じである。このため、シリコンダイ面積は前年の132平方mmから今年は86.1平方mmと、およそ3分の2に小さくなっている。仮に製造歩留まりが100%近くあるとしたら、じゅうぶんに価格競争力を備えたチップとなる。実際に96層とQLC方式を組み合わせたら、どのような3D NANDフラッシュとなるのだろうか。Samsungの発表をベースに計算すると、ワード線の積層数が64層から96層に増えることで、記憶容量が1.5倍に増加する。つまり、ほぼ同じ面積のシリコンダイに1.5Tbit(1,536Gbit)を収容可能になる。 近い将来に、QLC方式の96層3D NANDフラッシュ技術によって1.5Tbitのフラッシュメモリが開発される。
今月7日(現地時間)、米シリコンバレーで開かれた「フラッシュメモリサミット」で、中国国営清華ユニグループ傘下の長江メモリテクノロジー(YMTC)は、初の3次元(3D)NAND型フラッシュの量産試作品を公開した。10月に本格的な試験生産に突入して、来年大量生産に乗り出すという青写真も出した。NAND型フラッシュは、Dラムと違って電源を切ってもデータを記憶するメモリ半導体で、データ使用量の多いモノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)、バーチャルリアリティ(VR)などの第4次産業革命に欠かせない。これまで韓国からメモリ半導体を事実上全量輸入してきた中国が、半導体自給率を2025年には70%まで引き上げるという目標の下、自国企業に各種の補助金や税制上の優遇を注ぎ込んできた理由だ。
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同日、YMTCのサイモン・ヤン最高経営責任者(CEO)は「Xtackingは現存するNAND型フラッシュのなかで入出力速度が最も速い」と主張し、業界最高水準である三星(サムスン)電子より二倍以上良いと強調した。しかし、いざベールを脱いだ中国の次世代技術について専門家らの間では、経済性と効用性が落ちて、実際の量産は難しいだろうという否定的な評価が多かった。三星証券のファン・ミンソン研究員は、「YMTCの32段3D・NAND型の生産コストは、主な競合他社より5倍以上も高いと推定される」とし、「64段の3DNAND型でもコストの格差を大幅に縮めるのは容易ではなく、技術開発と量産目標を達成することは困難だろう」と語った。
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NANDフラッシュメモリの発明企業が東芝であることは、良く知られている。DRAMを超える記憶密度と記憶容量を実現しながら、データを電気的に書き換え可能にしたメモリだ。およそ30年前の1987年12月に、国際学会IEDMで、NANDフラッシュメモリのメモリセルがはじめて発表された。さらには、メモリセルストリング(メモリセルの連なり)を垂直に立てることでNANDフラッシュメモリの記憶密度を著しく向上させる3D NAND技術をはじめてシリコンダイにして国際学会で発表したのも東芝だ。
そして多値記憶技術の究極と言える、4bit/セル技術(QLC技術)を開発して大容量シリコンダイをはじめて国際学会で発表したのも東芝なのだ。約9年前の2009年2月に国際学会ISSCCで、QLC技術による64GbitのNANDフラッシュメモリをSanDiskと共同で発表した(米SanDiskと東芝が世界最大容量のNANDフラッシュを共同開発参照)。NANDフラッシュメモリの技術開発は、ほぼつねに東芝が牽引してきた。技術開発における東芝の存在は、かぎりなく大きい。
ところが、NANDフラッシュメモリの事業(ビジネス)となると、事情が違ってくる。半導体メモリの雄、Samsung Electronicsがずっと、トップシェアを握り続けてきた。そもそものはじまりは1990年代に、東芝がセカンドソースを確保するためにSamsungにNANDフラッシュメモリ技術をライセンス供与したことだ(ライセンス供与で東芝とSamsungが提携したのは1992年)。1990年代後半から2000年代前半にNANDフラッシュメモリの市場が立ち上がると、トップシェアを奪ったのは東芝ではなく、Samsungだった。このため現在でも、東芝からSamsungへの技術ライセンス供与は失敗だったとする声が、半導体メモリのコミュニティには存在する。
東芝-WD連合が発表した3D NANDフラッシュの記憶容量は512Gbitで、前年のISSCCで発表した64層の3D NANDフラッシュと変わらない。多値記憶方式もTLC方式で同じである。このため、シリコンダイ面積は前年の132平方mmから今年は86.1平方mmと、およそ3分の2に小さくなっている。仮に製造歩留まりが100%近くあるとしたら、じゅうぶんに価格競争力を備えたチップとなる。実際に96層とQLC方式を組み合わせたら、どのような3D NANDフラッシュとなるのだろうか。Samsungの発表をベースに計算すると、ワード線の積層数が64層から96層に増えることで、記憶容量が1.5倍に増加する。つまり、ほぼ同じ面積のシリコンダイに1.5Tbit(1,536Gbit)を収容可能になる。 近い将来に、QLC方式の96層3D NANDフラッシュ技術によって1.5Tbitのフラッシュメモリが開発される。
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管理人 MON
連絡先 monma@asahinet.jp
自給体制を築く。これはサムスンがテンプレート。
中国は半導体製造装置をガンガン買っている。日本からも
輸出している。
工場が立ち上がれば、あとは製造物の特性採り、キャラクタライズ、
このへんに時間がかかるが、いずれはできるでしょう。