ソニーが来年インドでPS4発売―現地社長らに聞く
ソニーは18日、来年1月6日にインドで旗艦家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」を3万9990ルピー(約6万6000円)で発売すると発表した。
インドでは前世代のPS3の発売から7年ぶりとなる。PS4はハードウエアの機能や新しいコントローラーが称賛を受けるなど、専門家から高い評価を受けている。
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ソニー・インディアの日比賢一郎社長は、PS4の初年度の売り上げがPS3を上回ることを期待している。
PS4は11月に米国と欧州で発売されてから、販売台数がすでに210万台に達している。
ソニーの今年7-9月期(第2四半期)決算は低調に終わり、4つの電気製品(テレビ、パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ)の販売予想を引き下げた。
携帯電話やタブレット型端末でゲームをする人が増えており、ゲームの多くは「iTunes(アイチューンズ)」や「Google Play Store(グーグルプレイストア)」などのオンラインストアから無料でダウンロードできる。
9億人前後の携帯電話ユーザーベースを持つインドでは、市場規模が極めて小さいゲーム機よりも、モバイルゲームの方がビジネスチャンスは大きい。
米国では、携帯電話やタブレットでカジュアルゲームをする人が増えているため、ゲーム機の売り上げが減少している。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、プレイステーション・インディアのカントリーマネジャー、Atindriya Bose氏、日比氏、ソニー・コンピュータエンタテインメントの中東・アフリカ・トルコ・インド担当ゼネラルマネジャー、ロバート・フィッシャー氏の3氏にインタビューし、ゲーム機とインドへの意気込みについて話を聞いた。インタビューの抜粋は以下の通り。
WSJ:インドのゲーム市場は他の新興国と比べてどうか。
Bose氏:インド市場が本格的に動き始めたのは2006~07年だ。先進国市場や他の新興国市場より約10~15年遅れていることになる。そのため、自分の子供がなぜゲームをしたがるのか理解しているゲーマー世代がいない。これが問題点だ。だが07~13年の間に状況はずいぶん変わった。今はゲームをする人が増えている。
多くの人が、携帯電話・タブレットゲームを危険なものと見なしているが、私はチャンスとみている。インドでは、こうしたゲームははるかに大きい新たなゲーマー基盤をもたらしてくれる。ゲーマーはタブレットで新しくてより面白いゲームをするようになり、自分はゲームに興味があると気付くと高級モデルに買い換えたくなる。そこでゲーム機の登場となる。
市場はますます活気づき、当社にゲーム事業の確かな未来を約束してくれる。
WSJ:インドのゲーマー独特の傾向は何か。
Bose氏:他の多くの国々と違い、特にゲーム機を購入する時には家族の許可を求める。欧米では、程度の差はあるが買うかどうかは自分で決める。インドでは財布のひもは親が握っている。
WSJ:ソニーは消費者製品の一部の分野で厳しい競争に直面している。これを踏まえ、収益を伸ばす上で、インドを中心にプレイステーションはソニーにとってどれぐらい重要か。
Bose氏:ソニーはインド市場で極めて力強く成長している。したがって、世界市場で何があっても揺るぎない態勢にあると思う。PS4については、登場しつつある新たなビジネスモデルであるため、あらゆる実験を行っている。その観点から言えば、PSはとても重要だ。
WSJ:インドでは市場が限られているゲーム機用のゲームよりも、携帯電話・ソーシャルゲームの方が人気がある。それでもインドでゲーム機を発売する意義は。
Bose氏:現在、ハードコアゲーマーの数はインドでも増え続けており、十分な数に達している。携帯電話でそこそこゲームをしている人はすべてハードコアゲーマーの遺伝子を必ず持っている。そこで当社は適切に製品を販売し、ピラミッドの上端には価値があることを理解させるための価値体系を築く。
フィッシャー氏:例えば、PS3用に発売されたゲームの一部を見ると、売り上げ記録が破られている。これはインドにはゲーム専用機に対する非常に旺盛な需要があるという大きな自信を与えてくれる。
WSJ:インドでは多くのユーザーが海賊版ゲームをするために電子機器を改造している。これにはどのように対処するつもりか。
Bose氏:インドでは新作ゲームの売れ行きがとても良い。(顧客も)成熟しつつあり、コンテンツを相応に評価し始めている。
WSJ:カジュアルゲーマーにPSの利用を促すために何をしているか。
Bose氏:PS4、あるいはPS3、PSN、PSストアでも、カジュアルゲーマーに門戸を開いている。400~500ルピー(約600~820円)という売れ筋の価格帯のゲームや素晴らしいゲームがあまりにもたくさんあるため、マーケティングが重要だ。
WSJ:ソニーのマーケティング戦略は。
Bose氏:当社のマーケティングはコンテンツ(ゲーム)を重視している。コンテンツで顧客を楽しませなければならない。これを強化するために、(顧客が)PSを体験できる場所を設ける。
WSJ:特にインドの顧客を意識したゲームを投入する予定はあるか。
日比氏:もちろん、そうした作品を開発する機会と可能性を探っている。可能性はあるかもしれないが、まだ検討中で具体化していない。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304273404579267710872601706.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond
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