【韓国経済】韓国造船大手3社、4-6月は最悪の赤字
世界の3大造船会社である現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業は、第2四半期(4-6月)に海洋プラント部門で発生した損失が足かせとなり、軒並み大幅な赤字を記録した。特に大宇造船海洋は3兆ウォン以上、サムスン重工業は1兆5000億ウォン以上の累積損失を一度に反映したため、3社による第2四半期の営業赤字は過去最悪の4兆7500億ウォン(約5060億円)に上った。現代重工業とサムスン重工業は昨年にも既に約4兆ウォンの損失を計上しており、造船大手3社は過去1年で海洋プラント部門だけで8兆ウォン(約8530億円)以上の損失を出したことになる。
造船大手3社が巨額の赤字を計上したのは、原油の掘削、生産に使われる海洋プラントの建造過程で経験不足による試行錯誤を重ね、損失が雪だるま式に膨らんだためだ。大宇造船海洋とサムスン重工業は、受注残高に占める海洋プラントの割合が60-70%に達しており、今後も追加的な損失が発生する可能性がある。大宇造船海洋の第2四半期決算は連結ベースで売上高が1兆6564億ウォン(約1765億円)、営業赤字が3兆318億ウォン(約3230億円)だった。サムスン重工業も同日、第2四半期の売上高を1兆4395億ウォン(約1530億円)、営業赤字を1兆5481億ウォン(約1650億円)と発表した。両社がいずれも売上高を上回る多額の営業赤字を記録したのは、2010年以降に集中的に受注した海洋プラント事業で損失が積み重なったためだ。
海洋プラントは当初の受注額が一般船舶の数十倍に達するが、それだけ工期が長く、建造過程も複雑だ。1億ドル前後の超大型タンカーは受注から引き渡しまで通常は約2年だが、建造費用が最高で30億ドルに達する同サイズの浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)の場合、少なくとも建造に3年を要する。その上、海洋プラントの大半は設計が頻繁に変更されるため、工期が延び、建造費用がどんどん膨らむケースが多い。実際に大宇造船海洋が2011年、12年にノルウェーのソンガ・オフショアから受注した極地用の半潜水式リグ(掘削装置)4隻は建造過程で1兆ウォン近い損失を出したとされる。
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これに先立ち、現代重工業も昨年、海洋プラントなどで発生した3兆2500億ウォン(約3460億円)の損失を計上した。同社は今年第2四半期にも半潜水式リグの建造遅延などで追加的な損失を出し、1710億ウォン(約182億円)の営業赤字となった。造船業界と証券業界ではサムスン重工業の業績に否定的な見方が少なくない。大宇造船海洋は将来発生が予想される潜在的な損失可能性案件を第2四半期決算に反映させたが、サムスン重工業は建造が遅延している海洋プラントが多く、追加損失が出る可能性が高いとされる。
サムスン重工業は現在建造が半分進んだオーストラリアのイッチーズ(ICHTHYS)CPF(海洋ガス処理装置)プロジェクトと建造初期にあるナイジェリア・エジナ(Egina)油田でのFPSOプロジェクトが今後も足かせになると懸念されている。同社は昨年第1四半期決算で両プロジェクトの損失7500億ウォン(約799億円)を計上したのに加え、1年余り後に再び1兆5000億ウォン以上の追加損失を業績に反映させた格好だ。サムスン重工業関係者は「あらゆるリスク要因を反映しており、今後追加損失が出る可能性は非常に低い」と説明した。
専門家は海洋プラント部門の収益性を高めるため、基本設計能力を高めるのが先決だと指摘する。ハナ大投証券のパク・ムヒョン研究員は「基本設計能力がなければ、コスト分析が不可能で、建造過程で損失が出ざるを得ない。すぐに設計人材を大量に養成するのは難しいため、海外の設計専門業者を合併・買収(M&A)するのも一手だ」と指摘した。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金起弘(キム・ギホン)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/30/2015073000643.html
【管理人コメント】
造船業は非常に厳しいでしょう。しかしドル・ウォン為替がウォン安に動いたことで、多少の時間稼ぎとなるだろう。だが損益分岐点が1ドル 1125ウォンと言う産業であるから、今後も利益は得られないだけに、新設備の導入や鉄鋼のコストダウン等々…、対応すべき問題は大きい。どれだけ実施できるのかは未知数ではないのか?
しかし中国などは鉄鋼が予備在庫として余っているなら、安く購入すればコストダウンになるが、韓国における鉄鋼材の処理経費で相殺されてしまう可能性がある。まして別会社であるから、どう対応するのかは、大きな関心ごとである。日本の造船業に押されて、韓国造船業は低迷の一途となるわけで、今後の造船はむしろ日本に依頼したほうが安いのではないか?
逃げ手は日本との事業提携で合弁会社或は合併し、日本企業の傘下に入るしか道は無い。
造船大手3社が巨額の赤字を計上したのは、原油の掘削、生産に使われる海洋プラントの建造過程で経験不足による試行錯誤を重ね、損失が雪だるま式に膨らんだためだ。大宇造船海洋とサムスン重工業は、受注残高に占める海洋プラントの割合が60-70%に達しており、今後も追加的な損失が発生する可能性がある。大宇造船海洋の第2四半期決算は連結ベースで売上高が1兆6564億ウォン(約1765億円)、営業赤字が3兆318億ウォン(約3230億円)だった。サムスン重工業も同日、第2四半期の売上高を1兆4395億ウォン(約1530億円)、営業赤字を1兆5481億ウォン(約1650億円)と発表した。両社がいずれも売上高を上回る多額の営業赤字を記録したのは、2010年以降に集中的に受注した海洋プラント事業で損失が積み重なったためだ。
海洋プラントは当初の受注額が一般船舶の数十倍に達するが、それだけ工期が長く、建造過程も複雑だ。1億ドル前後の超大型タンカーは受注から引き渡しまで通常は約2年だが、建造費用が最高で30億ドルに達する同サイズの浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)の場合、少なくとも建造に3年を要する。その上、海洋プラントの大半は設計が頻繁に変更されるため、工期が延び、建造費用がどんどん膨らむケースが多い。実際に大宇造船海洋が2011年、12年にノルウェーのソンガ・オフショアから受注した極地用の半潜水式リグ(掘削装置)4隻は建造過程で1兆ウォン近い損失を出したとされる。
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これに先立ち、現代重工業も昨年、海洋プラントなどで発生した3兆2500億ウォン(約3460億円)の損失を計上した。同社は今年第2四半期にも半潜水式リグの建造遅延などで追加的な損失を出し、1710億ウォン(約182億円)の営業赤字となった。造船業界と証券業界ではサムスン重工業の業績に否定的な見方が少なくない。大宇造船海洋は将来発生が予想される潜在的な損失可能性案件を第2四半期決算に反映させたが、サムスン重工業は建造が遅延している海洋プラントが多く、追加損失が出る可能性が高いとされる。
サムスン重工業は現在建造が半分進んだオーストラリアのイッチーズ(ICHTHYS)CPF(海洋ガス処理装置)プロジェクトと建造初期にあるナイジェリア・エジナ(Egina)油田でのFPSOプロジェクトが今後も足かせになると懸念されている。同社は昨年第1四半期決算で両プロジェクトの損失7500億ウォン(約799億円)を計上したのに加え、1年余り後に再び1兆5000億ウォン以上の追加損失を業績に反映させた格好だ。サムスン重工業関係者は「あらゆるリスク要因を反映しており、今後追加損失が出る可能性は非常に低い」と説明した。
専門家は海洋プラント部門の収益性を高めるため、基本設計能力を高めるのが先決だと指摘する。ハナ大投証券のパク・ムヒョン研究員は「基本設計能力がなければ、コスト分析が不可能で、建造過程で損失が出ざるを得ない。すぐに設計人材を大量に養成するのは難しいため、海外の設計専門業者を合併・買収(M&A)するのも一手だ」と指摘した。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金起弘(キム・ギホン)記者
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赤字3.3兆ウォンというのは、半年分の売上相当。
銀行借入が 21兆ウォンあるらしい。
さらに追加融資して事業継続させるのだろうか。
倒産させたら不良債権(債権回収)になる。
日本のメガバンクが銀行に貸した資金は造船にも
貸し出されているようだ。