2011年北朝鮮:険しい道のりが待ち受ける金正恩後継体制!!

北朝鮮は2010年秋、本格的な権力継承に着手することを内外に公表した。9月28日に44年ぶりに開催された朝鮮労働党代表者会で、金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男・正恩(ジョンウン)氏を党中央軍事委員会副委員長に選出し、後継者としての地位を公のものとした。
北朝鮮にとって、2011年はさまざまな面で大変な1年になりそうだ。自ら定めた「強盛大国元年」(2012年)が目前に迫った上、後継体制の構築にも拍車をかけねばならないためだ。
正恩氏への権力世襲の公表は、朝鮮労働党代表者会前日に「朝鮮人民軍大将」の称号を与えることから始まった。ただ、「大将」という称号は実際に軍隊を指揮するというより、党中央軍事委員会副委員長に就任するための象徴的な階級という意味合いが強かった。こうしたことから、2011年には正恩氏が後継者としての座を一層固めるため、さらに多くの党と軍の要職に就く可能性が高い。
ただ、主要ポストに就任するからといって、正恩氏への後継体制構築が順調に進むとは言い難い。アピールできるものは「金日成(キム・イルソン)主席の直系の孫」という血筋しかなく、年齢も27歳と若いため、北朝鮮のエリート層や住民の心をつかむこともたやすくなさそうだ。
ほぼ半世紀ぶりに開かれた朝鮮労働党代表者会は、正恩氏への後継を公式化し、後継体制をサポートする構図をつくるための政治的イベントだったとの評価が多い。
正恩氏とともに、党中央軍事委員会副委員長に選出され「軍ナンバー1」の座を固めた李英鎬(リ・ヨンホ)軍総参謀長をはじめ、党書記に起用された崔竜海(チェ・リョンヘ)元黄海北道党責任書記、朝鮮人民軍大将の称号とともに、党政治局員に昇格した金総書記の妹・金敬姫(キム・ギョンヒ)党軽工業部部長とその夫の張成沢(チャン・ソンテク)政治局員候補(国防委員会副委員長兼任)らが代表的な「正恩氏の側近」だ。
その後、正恩氏は10月の朝鮮労働党創建65周年記念軍事パレードのような主要イベントでひな壇に登場し、内外に存在を示した。しかし、正恩氏への後継体制は最初からいくつかの深刻な問題を抱えているため、根を下ろすまでは大変な状況が予想されるというのが、大半の専門家の診断だ。

何より年長者を尊重する雰囲気の強い北朝鮮社会で、経験の浅い27歳の後継者を住民らが心情的に受け入れられるかが未知数だと指摘される。金総書記の場合、1980年10月の党大会で後継者として正式に登場したが、当時の年齢は正恩氏より10歳以上高い39歳だった。それ以前にも、金総書記は1973年9月に党書記に選出されてから、翌年の2月に党政治局員に任命され、後継者に確定されるなど、権力継承のプロセスを着実に踏み、十分な「後継授業」を受けた。
正恩氏が祖父の金主席と外見を似せていることも、後継者としての不安心理が反映されていると指摘される。あまりにもアピールできるものがないため、北朝鮮住民の間でいまだカリスマ的な存在である祖父の威光に頼っているとの見解だ。
また、国家統治には大きな問題がないように見えるが、2008年に脳疾患で倒れ、深刻な状態まで健康が悪化した金総書記が、いつまで後継体制をサポートできるかも不透明だ。
2011年には正恩氏への後継体制構築に拍車がかかるとの見通しが出ているのも、こうした流れからだ。現在は、党中央軍事委員会副委員長の肩書きしか持っていないが、来年には党の最高要職の政治局常務委員や趙明禄(チョ・ミョンロク)前朝鮮労働党政治局常務委員の死亡で空席となっている国防委員会第1副委員長の座に就くとの見方が出ている。
北朝鮮が軍を中心に動く体制を取るだけに、金総書記が軍最高司令官の座を正恩氏に譲り渡すとの観測も一部から出ている。北朝鮮での金総書記の権威は、わずかにでも傷つけたり、歯向かうことは考えられないほど絶対的なものだ。「先軍体制」の証と言える最高司令官職を正恩氏に譲り渡すとの見方が出ているのは、それだけ北朝鮮が権力継承に追われていることを裏付けるものでもある。
外交分野でも正恩氏の活動は活発になるとみられる。何より、早ければ来年上半期(1?6月期)中に、中国を訪れる可能性が有力視される。
10月の朝鮮労働党創建65周年記念日にあわせ、訪朝した周永康・中国共産党政治局常務委員は金総書記と会談し、「北朝鮮の新指導部」の訪中を希望するとの胡錦濤国家主席の意向を伝えた。「新指導部」は当然、朝鮮労働党代表者会で後継者として登場した正恩氏を意味する。
来年は、正恩氏の後継者としてのカリスマが弱いだけに、権力世襲を正当化する「偶像化」が強く推進されるとみられる。
北朝鮮の対韓国宣伝ウェブサイト「わが民族同士」は、すでに11月初め、「金正恩青年大将を仰ぎ、爆風のような『万歳!』の歓声が上がった」といったあからさまな賞賛の文章を掲載した。また、「正恩氏の肖像画が配布された」「平壌朝鮮革命博物館に『金正恩館』が設立された」などの話が対北朝鮮媒体を通じ、伝えられている。
業績のない権力継承者の基盤を短期間で固めねばならないため、さまざまなデマが飛び交い、住民の不満が高まる可能性もある。しかし、金総書記の死亡といった非常事態が発生しない限り、後継体制を脅かすほど不満勢力が膨らむことは考えにくいとの観測が優勢だ。
世宗研究所関係者は、「正恩氏がもっと多くの党と軍の主要ポストにつくなど、来年には実質的な権力譲渡が速やかに行われるだろう。後継体制に反発する声があっても不満勢力として組織化することは難しく、民心の動向を決定的な変数とみるのは非現実的だ」と分析した。
(朝鮮日報)
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