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英EU離脱、予想はなぜ外れたのか? 統計的には誤差の範囲だった

欧州連合(EU)離脱をめぐる英国民投票では、投票直前の世論調査やブックメーカーの賭け率、金融市場の動きなど、いずれも残留を予想したものが多く、実際の投票結果と大きく食い違った。 金融市場では「投票率が高いと残留派有利」という見方も外れたことで、大きく予想を間違える結果になった。

残留派は若者、離脱派は高齢者が主力であった。そのため、投票率が高いということは、若者が選挙に行くというわけで、残留派が有利になるといわれていた。保守党が勝利した昨年の総選挙の投票率66%よりも高かったことから、金融市場では残留派有利とみなされた。 直前の世論調査で残留派が盛り返したことも、残留派有利という思い込みを誘発した。

残留派の国会議員が殺された事件を契機に、なんとなく残留派が勝つのではという感覚があったのではないか。 ブックメーカーの賭け率についても、残留有利というものがかなり多かったが、これは残留を信じたい心理的バイアスが働いたのだろう。

こうした世論調査を受けて、筆者は投票日前に、マスコミから意見を求められたが、残留予想が多いといっても、統計的に考えれば誤差の範囲であり、結果はわからないと答えた。そのマスコミは、残留確実というコメントを欲しかったらしく、筆者のコメントはボツになった。

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世論調査を見ても、その時々で残留派が有利になったり、離脱派が有利になったりしており、どちらが勝つかは神のみぞ知るという世界であった。世論調査と投票の関係については、バンドワゴン(勝ち馬に乗る)効果と、アンダードッグ(判官びいき)効果があることが知られている。

バンドワゴン効果とは、事前の予想が出されると、その予想が自己実現されるように、態度を決めていない層が一気に雪崩を打って、勝ち馬に乗ることだ。 アンダードッグ効果とは、事前の予想が出されると、それを実現させまいと判官びいきのように、反対勢力が結束し、予想と反対の結果が出ることを指す。 今回の国民投票では、アンダードッグ効果が表れたとみられる。つまり、直前にやや劣勢といわれた離脱派が盛り返した形だ。

バンドワゴン効果は支持が明確でない層に、アンダードッグ効果は支持が明確な層に現れるといわれるが、残留と離脱はそれぞれ明確な支持層があるので、アンダードッグ効果が出たのだろう。 その意味で、直前の国会議員の事件は、残留派を油断させ、離脱派をいっそう鼓舞する結果になったとみることもできる。 こうして考えてみると、事前の世論調査で僅差となった場合、選挙結果はどうなるかわからないということが教訓になるだろう。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160630/dms1606300830003-n1.htm

【管理人 補足記事&コメント】
若者と年寄の分裂というわけだ。税金で過ごす自国民とそうではない自国民とで二分した形だ。
EU本来の目的と相反するわけで、離脱すれば自由化と言えばそうではない。自由になるための努力を形成するまで多くの時間を要する事になる。先行きを見れば離脱が良いかと言うと一概には言えない。理想は現状で問題点解決にあたる事が重要だったが、離脱が出ればまた、EU連合に亀裂が入る可能性が出る。

またイギリスとて国が二分したような状態では、税金で暮らす自国民にとっては、富裕層の崩壊とともに、その状況は崩れるだろうし、若者は、世界進出企業が縮小或は撤退すれば、雇用が失われ、イギリス経済は道筋がたつまで大きく低迷する。

イギリスの農業は集約農業であり、機械化されている。農業の労働人口は2%以下だが、食糧自給率は70%を越えている。GDPの約2%を占める農業の内訳は3分の2が畜産物、残りの3分の1は耕作物である。家畜はウシ、ヒツジが多く、耕作では主に小麦、大麦、オーツ麦、ジャガイモ、砂糖大根、果物、野菜が栽培されている。

また、イギリスは大量の石炭・天然ガス・原油を埋蔵している。GDPの10%はエネルギー製品が占めており、この値は先進国では最も高い。北海油田により、イギリスは1990年代に西ヨーロッパではノルウェーに次いで2番目の産油国となった。

自給率が高く資源が豊富なのは大いに結構だが、それだけに富裕層支配国家となったのでは…。。。
それが崩れれば、厄介なのは目に見えているが…。。。




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[ 2016年06月30日 13:01 ] カテゴリ:国際 | TB(0) | CM(1)
主権が民主主義の根幹。。。
私が高校で世界史を学んだ頃は、ヨーロッパはまだECの時代でしたが。。。EUという連合組織になったのは、89年にドイツが合併して一つの国になり、 ソ連が崩壊した91年にはヨーロッパから共産主義が消え。。。それを契機に「ヨーロッパの国々はお互い一つの国になろうじゃないか、 そうすれば二度とヨーロッパで戦争が起きない」という「平和の実現」を謳ったからだと認識しています。

政治的な統合目指し、いずれ通貨も統一することになりましたが、完全に一つの国になったわけではなく、要は「主権をお互い制限し合った形」が採られました。

今EU離脱で騒がれている英国では、1991年から2015年までの25年間に430万人以上の移民が増えたとのこと。。。特に10年くらい前からは、ルーマニアなどの東欧やバルト3国などからの移民が増加し続けているのだそうです。

それに付随して、以前は移民の割合が10%くらいだった地域でも、この10年間で20%ぐらいに増え、住環境などが相当変化しており、年金生活者などは不安を募らせてることもあり、今回の国民投票で年配者が離脱に回った理由がその辺にもありそうです。

こうした移民問題では、 キャメロン首相が公約で移民の増加を年間10万人に抑えると言っても、結局は移民が年間33万人以上も増え、公約の3倍以上も移民を受け入れているように、英国独自の主権が通せない。。。つまり連合体なので「EUの言いなり」しかないわけです。

英国民が、「われわれは、自身の国、資金、境界、そして移民政策を管理したい」 と、望んだとしても、欧州連合という「国際協定」により不可能な状況。。。即ち、民主主義が制限されて来たわけです。(この辺は日本と違いますが)

本来、「主権」とは「民主主義」そのものであり、民主主義により有権者たる国民が自ら国の行く末を選択する権利こそが「主権」あるいは「国民主権」なはずです。

つまり、現在の英国は、EUに加盟しているため、移民政策について「主権」「民主主義」に基づき自ら決定できない。。。 自分たちの国を「独立主権国家」とは到底思えない、その苛立ちが離脱派を支えたように思われます。

また、EUは「グローバル経済化」「移民による活性化」等も目的に掲げて来ましたが、結局それは富裕層だけの幻想でしかなく、一般国民は大したメリットを享受出来ず。。。生活がじわじわと困窮し、移民の影響は希望と活力よりも不安と混乱をもたらしたというのが実態だったと思われます。

米国に見られる「トランプ旋風」と「孤立主義への回帰傾向」も、きっとこれと通底するものがあるように思います。。。
[ 2016/06/30 18:19 ] [ 編集 ]
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