習近平氏が「微笑外交」に戦術転換 狙いは「憲法改正阻止」にあった
衆院選に大勝し、第4次政権を発足させた安倍晋三首相。10月の中国共産党大会で2期目の指導体制を確立した習近平国家主席。政権基盤を強化した両首脳の6度目の会談は余裕の笑顔で始まった。習氏が「微笑戦術」に切り替えたのはなぜなのか。
習氏「この会談は日中関係の新たなスタートとなる」
安倍首相「全く同感だ」
約50分間の会談は最後でこのような友好モードで終わった。冷え切った日中関係は改善の兆しを見せる。複数の政府筋によると、日本側は習氏との会談は打診したが、李克強首相との会談は特に要請していなかった。中国の方から「マニラでのASEAN関連首脳会議の際に安倍首相と李首相の会談をやりたい」と持ちかけてきたという。
来年に日中平和友好条約締結40周年を迎えるとはいえ、習政権はこれまで「反日」「反腐敗」を掲げてきただけに、早急な対話路線への転換はリスクも伴う。にもかかわらず、微笑戦術への転換の兆しがあるのは、トランプ米大統領の出現により、日米同盟が強化されたことが大きい。5年近い「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」が奏功し、太平洋とインド洋に面した国々による対中包囲網も広がりつつある。中国経済も変調をきたしている。
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これらが習氏を対日関係修復に動かす大きな要因だといえるが、実はもう一つ理由がある。憲法改正阻止だ。安倍首相が5月に平成32年の改憲目標を掲げて以来、中国は程永華駐日大使らを通じて、日本側に改憲への懸念を何度も伝えてきた。日本側が「日本が自分たちで国を守れるようにするためだ」と説明しても、中国側は「実際には北朝鮮情勢を利用して改憲しようとしているのではないか」と疑念を隠そうとしないという。
内政干渉に取り合う必要はないが、北朝鮮情勢を考慮すると、中国との関係改善は避けられない。対北経済制裁には、北朝鮮の貿易量の9割を占める中国の協力が不可欠だからだ。さらなる事態悪化を考慮すると首脳レベルでの対話も非常に重要となる。 ただ、日中間には尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題など懸案が横たわり、微笑(ほほえ)まれただけで簡単に親中に転じるわけにはいかない。安倍首相は習氏にこうクギを刺すことも忘れなかった。
「東シナ海の安定なくして、日中関係の真の改善はない」
http://www.sankei.com/
今後の世界秩序はアメリカ一極の時代ではなくなる。多極化で流動するか、新たな秩序作りが始まるか、トランプ、習近平、プーチンの動きが鍵を握るだろう。何れにせよ、内政に於いて権力を強固にした中国が大きくのし上がっていくことは疑問の余地がない。今年は日中国交正常化45周年の節目の年である。中国、世界の情勢のなかで日本とどの様に対応していくかが、民族の興廃をかけた一大事である。不透明な世界情勢のなかで、日本は様々な選択肢を駆使しなければいけない。
世界が好むと好まざるとにかかわらず、トランプ、習近平、プーチンのせめぎ合いのなかで日本はどうするか。国交正常化45周年の中国とは経済的に離れられない関係が出来ている。政治的にはいろいろの歴史上の理由もあり、よそよそしい雰囲気のなかにいるが、アジア・太平洋の秩序を考えれば、どうしても腹を割った話し合いが行われねばならない。国交正常化45周年はいろいろな意味で大きな節目と言える。
習氏「この会談は日中関係の新たなスタートとなる」
安倍首相「全く同感だ」
約50分間の会談は最後でこのような友好モードで終わった。冷え切った日中関係は改善の兆しを見せる。複数の政府筋によると、日本側は習氏との会談は打診したが、李克強首相との会談は特に要請していなかった。中国の方から「マニラでのASEAN関連首脳会議の際に安倍首相と李首相の会談をやりたい」と持ちかけてきたという。
来年に日中平和友好条約締結40周年を迎えるとはいえ、習政権はこれまで「反日」「反腐敗」を掲げてきただけに、早急な対話路線への転換はリスクも伴う。にもかかわらず、微笑戦術への転換の兆しがあるのは、トランプ米大統領の出現により、日米同盟が強化されたことが大きい。5年近い「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」が奏功し、太平洋とインド洋に面した国々による対中包囲網も広がりつつある。中国経済も変調をきたしている。
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これらが習氏を対日関係修復に動かす大きな要因だといえるが、実はもう一つ理由がある。憲法改正阻止だ。安倍首相が5月に平成32年の改憲目標を掲げて以来、中国は程永華駐日大使らを通じて、日本側に改憲への懸念を何度も伝えてきた。日本側が「日本が自分たちで国を守れるようにするためだ」と説明しても、中国側は「実際には北朝鮮情勢を利用して改憲しようとしているのではないか」と疑念を隠そうとしないという。
内政干渉に取り合う必要はないが、北朝鮮情勢を考慮すると、中国との関係改善は避けられない。対北経済制裁には、北朝鮮の貿易量の9割を占める中国の協力が不可欠だからだ。さらなる事態悪化を考慮すると首脳レベルでの対話も非常に重要となる。 ただ、日中間には尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題など懸案が横たわり、微笑(ほほえ)まれただけで簡単に親中に転じるわけにはいかない。安倍首相は習氏にこうクギを刺すことも忘れなかった。
「東シナ海の安定なくして、日中関係の真の改善はない」
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今後の世界秩序はアメリカ一極の時代ではなくなる。多極化で流動するか、新たな秩序作りが始まるか、トランプ、習近平、プーチンの動きが鍵を握るだろう。何れにせよ、内政に於いて権力を強固にした中国が大きくのし上がっていくことは疑問の余地がない。今年は日中国交正常化45周年の節目の年である。中国、世界の情勢のなかで日本とどの様に対応していくかが、民族の興廃をかけた一大事である。不透明な世界情勢のなかで、日本は様々な選択肢を駆使しなければいけない。
世界が好むと好まざるとにかかわらず、トランプ、習近平、プーチンのせめぎ合いのなかで日本はどうするか。国交正常化45周年の中国とは経済的に離れられない関係が出来ている。政治的にはいろいろの歴史上の理由もあり、よそよそしい雰囲気のなかにいるが、アジア・太平洋の秩序を考えれば、どうしても腹を割った話し合いが行われねばならない。国交正常化45周年はいろいろな意味で大きな節目と言える。
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