韓国最低賃金の盲点、大企業社員にも最低賃金違反
最低賃金の急激な引き上げと制度的な問題点によって、平均年収が1億ウォン(約1000万円)前後の高賃金の大企業も最低賃金法を守らないところが相次いでいる。新入社員の年収が5000万ウォンを超える現代モービスが新入社員の最低賃金違反の疑いで雇用労働部(省に相当)から是正命令を受けたほか、平均年収9000万ウォン以上の現代自動車でも来年は従業員の10.6%に相当する7000人が最低賃金以下となる。
これは法律に盲点があるためだ。最低賃金は通常賃金を労働時間で割って算出する。勤労基準法6条によると、通常賃金は基本給(週休手当含む)と固定手当を合計して計算する。毎月支給ではない賞与、成果給、超過勤務手当は除外される。現代自動車の入社2年目の社員は月給が467万ウォンだが、通常賃金は170万ウォンにすぎない。
この社員の場合、1日8時間、週5日勤務で月間労働時間は174時間だ。しかし、現代自は労使合意により、土日を全て有給休日と見なしている。勤労基準法(55条)は、1週間に1回以上の有給休日を付与すると定めているが、労組が強い場合は週休2日をいずれも有給休日と定める企業もある。雇用労働部はそれを制度化しようと、最低賃金を計算する際、実働労働時間ではなく、有給労働時間で計算すると定めた施行令改正案まで策定しており、財界が強く反発している。現代自関係者は「このままでは勤続年数が短い社員約7000人の月給を約50万ウォンずつ引き上げなければならない状況だ」と話した。
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こうした状況は現代自だけで起きているわけではない。平均年収が6700万ウォンのルノーサムスン自動車でも一部の若手社員の賃金が来年の最低賃金を満たせなくなる。企業は賞与を毎月分割支給したり、日曜日だけを有給休日扱いしたりして対応を進めている。そのためには賃金団体交渉の合意内容を変更しなければならないが、労組が拒否すれば、打つ手がない。
http://www.chosunonline.com/
2016年8月に告示された2017年の最低賃金は時給6,470ウォンで、7.3%も引き上げられた。これは1988年に最低賃金が施行されてから29回連続の引き上げであり、この期間の平均引上げ率は9.5%に至る。日本の最近(2000年から2015年まで)の最低賃金の平均引上げ率1.3%と比較すると、韓国の最低賃金の引き上げ率の高さが分かる。最低賃金の引き上げ率が高いことなどを原因で、韓国では最低賃金を守っていない企業が多く、最低賃金未満の時給で働いている労働者の割合は2002年の4.9%から継続的に上昇傾向にあり、2015年には11.5%に達している。
業種別(2015年基準)では、飲食宿泊業が35.2%で未満率が最も高く、次は、不動産賃貸業(19.8%)、協会及び団体(19.2%)、卸・小売業(16.4%)等の順。企業規模別では、相対的に零細企業の割合が多い従事員数5人未満企業の未満率が27.9%で最も高く、最低賃金未満の時給で働いている労働者の約95.5%が、従事員数100人未満の企業で働いていた。景気低迷により大幅な最低賃金の引き上げに対応できない中小・零細企業が増えていることや、最低賃金を支給していない企業に対する摘発・監督や処罰が適正に行われていない事が理由にある。
これは法律に盲点があるためだ。最低賃金は通常賃金を労働時間で割って算出する。勤労基準法6条によると、通常賃金は基本給(週休手当含む)と固定手当を合計して計算する。毎月支給ではない賞与、成果給、超過勤務手当は除外される。現代自動車の入社2年目の社員は月給が467万ウォンだが、通常賃金は170万ウォンにすぎない。
この社員の場合、1日8時間、週5日勤務で月間労働時間は174時間だ。しかし、現代自は労使合意により、土日を全て有給休日と見なしている。勤労基準法(55条)は、1週間に1回以上の有給休日を付与すると定めているが、労組が強い場合は週休2日をいずれも有給休日と定める企業もある。雇用労働部はそれを制度化しようと、最低賃金を計算する際、実働労働時間ではなく、有給労働時間で計算すると定めた施行令改正案まで策定しており、財界が強く反発している。現代自関係者は「このままでは勤続年数が短い社員約7000人の月給を約50万ウォンずつ引き上げなければならない状況だ」と話した。
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こうした状況は現代自だけで起きているわけではない。平均年収が6700万ウォンのルノーサムスン自動車でも一部の若手社員の賃金が来年の最低賃金を満たせなくなる。企業は賞与を毎月分割支給したり、日曜日だけを有給休日扱いしたりして対応を進めている。そのためには賃金団体交渉の合意内容を変更しなければならないが、労組が拒否すれば、打つ手がない。
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2016年8月に告示された2017年の最低賃金は時給6,470ウォンで、7.3%も引き上げられた。これは1988年に最低賃金が施行されてから29回連続の引き上げであり、この期間の平均引上げ率は9.5%に至る。日本の最近(2000年から2015年まで)の最低賃金の平均引上げ率1.3%と比較すると、韓国の最低賃金の引き上げ率の高さが分かる。最低賃金の引き上げ率が高いことなどを原因で、韓国では最低賃金を守っていない企業が多く、最低賃金未満の時給で働いている労働者の割合は2002年の4.9%から継続的に上昇傾向にあり、2015年には11.5%に達している。
業種別(2015年基準)では、飲食宿泊業が35.2%で未満率が最も高く、次は、不動産賃貸業(19.8%)、協会及び団体(19.2%)、卸・小売業(16.4%)等の順。企業規模別では、相対的に零細企業の割合が多い従事員数5人未満企業の未満率が27.9%で最も高く、最低賃金未満の時給で働いている労働者の約95.5%が、従事員数100人未満の企業で働いていた。景気低迷により大幅な最低賃金の引き上げに対応できない中小・零細企業が増えていることや、最低賃金を支給していない企業に対する摘発・監督や処罰が適正に行われていない事が理由にある。
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