韓国経済にも大打撃か…サムスン電子が「巨大な不安」を抱えていると言えるワケ
韓国最大の企業であるサムスン電子の先行き不透明感が高まっている。そう考える背景には、大きく2つのポイントがある。まず、同社の経営体制が創業家一族によるものから“所有と経営の分離”に向かっていることだ。経営体制が変化する中で、同社がどのように組織を一つにまとめ、成長期待の高い分野で競争力を発揮できるかは見通しづらい。
もう一つが、同社の事業戦略だ。世界の半導体産業では、企画・設計・開発と生産の分離が進行している。コロナショックを境にファブレスを目指す企業は増え、企業の優勝劣敗がこれまで以上に鮮明だ。それに対して、サムスン電子は半導体の企画から生産までを自社で完結することを重視しているように見える。その戦略が、加速する環境変化への対応力の引き上げに資するか否かがわからない。そのほかにも同社は主要顧客である中国企業の追い上げにも対応しなければならない。中国共産党政権は、国家資本主義体制をさらに強化してIT先端分野の競争力向上を目指している。先行する企業の技術などを模倣する戦略によって成長を実現してきたサムスン電子を取り巻く競争環境は激化している。それが示唆することは、同社の業績拡大に依存して景気回復を実現してきた韓国経済の先行き不透明感が高まっていることだ。
2020年10月、サムスン電子の“中興の祖”であるイ・ゴンヒ氏が亡くなった。それは同社の事業運営、その体制への不安を高める要因だ。組織・体制面で同氏は“家族以外はすべて変えろ”をモットーに改革を断行して実力主義を徹底した。事業運営面ではわが国企業の技術移転が目指された。
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それに加えて、イ・ゴンヒ氏は歴代の政権と濃密な関係を築き、迅速に大量生産を実現する体制を整えた。同氏の行動の根底には、家族のために企業を成長させなければならないという危機感があった。それがサムスン電子の成長を支え、同社はDRAM、NAND型フラッシュメモリー、薄型テレビ、スマートフォンなどの市場でトップシェアを獲得した。
企業は自分のものだという思いがあったから、イ・ゴンヒ氏は徹底した改革を行い、あくなき姿勢で成長を追求できたといえる。しかし、文政権下の韓国では世論が財閥企業の同族経営を批判し、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長は世襲経営を止めると公言した。今後、サムスン電子は所有と経営の分離を進めなければならない。イ・ゴンヒ氏の相続負担はそれを勢いづかせる。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78975

本来、サムスン電子は家電、スマホ、半導体のより高度な性能や新しい機能の実現に取り組むべき。現時点で経営陣は半導体分野を中心に、企画から生産までを自社で完結するビジネスモデルにこだわっているように見える。 一方で、足許の世界経済では、企画・設計・開発と生産の分離が加速している。 一例として、世界の半導体産業では業界全体の方向性に無視できない影響力を与えてきた米インテルから、半導体受託製造(ファウンドリ)世界大手の台湾のTSMCに主導権がシフトしている。
インテルが7ナノメートルのCPU生産につまずいた一方で、AMDはTSMCに生産を委託してCPU市場での競争力を発揮した。その状況下、サムスン電子はファウンドリ事業の強化を重視している。知識集約型のソフトウェア開発と、資本集約型の製造事業を事業ポートフォリオに加えることが、サムスン電子の変化への対応力を高めるとは言いづらい。高いシェアを誇ってきた家電やスマホなどの分野で新しい機能の実現を目指し、それに必要な半導体の研究・開発などに注力した方が、環境変化への適応力は高まる可能性があると考えると、同社の先行きは楽観できない。
もう一つが、同社の事業戦略だ。世界の半導体産業では、企画・設計・開発と生産の分離が進行している。コロナショックを境にファブレスを目指す企業は増え、企業の優勝劣敗がこれまで以上に鮮明だ。それに対して、サムスン電子は半導体の企画から生産までを自社で完結することを重視しているように見える。その戦略が、加速する環境変化への対応力の引き上げに資するか否かがわからない。そのほかにも同社は主要顧客である中国企業の追い上げにも対応しなければならない。中国共産党政権は、国家資本主義体制をさらに強化してIT先端分野の競争力向上を目指している。先行する企業の技術などを模倣する戦略によって成長を実現してきたサムスン電子を取り巻く競争環境は激化している。それが示唆することは、同社の業績拡大に依存して景気回復を実現してきた韓国経済の先行き不透明感が高まっていることだ。
2020年10月、サムスン電子の“中興の祖”であるイ・ゴンヒ氏が亡くなった。それは同社の事業運営、その体制への不安を高める要因だ。組織・体制面で同氏は“家族以外はすべて変えろ”をモットーに改革を断行して実力主義を徹底した。事業運営面ではわが国企業の技術移転が目指された。
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それに加えて、イ・ゴンヒ氏は歴代の政権と濃密な関係を築き、迅速に大量生産を実現する体制を整えた。同氏の行動の根底には、家族のために企業を成長させなければならないという危機感があった。それがサムスン電子の成長を支え、同社はDRAM、NAND型フラッシュメモリー、薄型テレビ、スマートフォンなどの市場でトップシェアを獲得した。
企業は自分のものだという思いがあったから、イ・ゴンヒ氏は徹底した改革を行い、あくなき姿勢で成長を追求できたといえる。しかし、文政権下の韓国では世論が財閥企業の同族経営を批判し、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長は世襲経営を止めると公言した。今後、サムスン電子は所有と経営の分離を進めなければならない。イ・ゴンヒ氏の相続負担はそれを勢いづかせる。
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本来、サムスン電子は家電、スマホ、半導体のより高度な性能や新しい機能の実現に取り組むべき。現時点で経営陣は半導体分野を中心に、企画から生産までを自社で完結するビジネスモデルにこだわっているように見える。 一方で、足許の世界経済では、企画・設計・開発と生産の分離が加速している。 一例として、世界の半導体産業では業界全体の方向性に無視できない影響力を与えてきた米インテルから、半導体受託製造(ファウンドリ)世界大手の台湾のTSMCに主導権がシフトしている。
インテルが7ナノメートルのCPU生産につまずいた一方で、AMDはTSMCに生産を委託してCPU市場での競争力を発揮した。その状況下、サムスン電子はファウンドリ事業の強化を重視している。知識集約型のソフトウェア開発と、資本集約型の製造事業を事業ポートフォリオに加えることが、サムスン電子の変化への対応力を高めるとは言いづらい。高いシェアを誇ってきた家電やスマホなどの分野で新しい機能の実現を目指し、それに必要な半導体の研究・開発などに注力した方が、環境変化への適応力は高まる可能性があると考えると、同社の先行きは楽観できない。
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