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中国頼みの韓国経済に新たな打撃、尿素不足で物流大混乱

このところ韓国では尿素水が不足し、大混乱を引き起こしている。尿素水とは、SCR(選択触媒還元)に使用される還元剤で、ディーゼル車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するものである。 環境問題の高まりから、尿素水はいまやディーゼル車には欠かせないもとなっている。もし尿素水がなくなると、ディーゼル車はエンジンがかからなくなったり、止まるようになっている。

なぜ、急に韓国で尿素水が不足しているのか。これにはバタフライ効果があったと言える。ことの発端は、中国と米国の経済摩擦だ。中国と米国という2つの大国が政治的・経済的に対立し、外交問題に発展した。 米国や英国などと価値観を共有する豪州は、米国に追従する形で中国のファーウェイ製品に強い規制をかけ、5Gネットワーク参入を禁止した。 これに対して中国は豪州からの木材、牛肉、ワイン、銅、綿花、石炭などの輸入を制限した。 ちょうど環境問題に熱心に取り組み始めた中国は、石炭使用を制限しようとしていたことも輸入制限に拍車をかけた。

しかし、主要な石炭供給国である豪州から輸入制限したことによって、中国は電力不足に悩まされる羽目に陥った。 豪州から輸入制限をして間もなく、中国国内の石炭生産拠点である山西省で豪雨が発生し、60か所の炭鉱が操業停止となったからだ。石炭使用に制限をかけようとしている中国ではあるが、石炭は相変わらずエネルギー源として必要不可欠なものだ。暖房や発電、製鋼などに石炭を使っている。

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さらに、エネルギー源としてだけではなく、尿素の原料であるアンモニアの生産にも石炭が欠かせない。中国は石炭から尿素水を抽出して輸出してきた。そして、韓国はその尿素水を中国から輸入している。 石炭不足から電力不足に悩まされた中国は、2021年10月15日から輸出貨物標識(CIQ)義務化制度を施行し、事実上、尿素水に輸出制限をかけた。 韓国のディーゼル車両用尿素の97%が中国産に依存していたので、韓国では尿素水が品薄状態となってしまったのである。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67633

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尿素水不足は、ディーゼルエンジンを使っている貨物車両の運行ができなくなり、挙句に製造業に必要な様々な部品や素材、原材料供給網にも影響が出る。価格競争力がないということで国内生産を諦め、輸入に依存してきた原材料や部品、素材が相手国の事情で止まってしまう可能性が出てきた。特に、韓国経済は中国依存であるから厄介となる。

政府は11月7日、豪州から2万リットルの尿素水を輸入するとし、豪州以外にもベトナムなどの尿素生産国とも、年内に数千トンを輸入する協議に入っている。豪州からの緊急輸入2万リットルくらいでは、韓国の尿素水不足は補えない。来月になれば、国内尿素水の物量が底をつき、貨物運送市場が麻痺するなど、物流麻痺事態が起きかねないと懸念している。韓国政府はディーゼルエンジン車に欠かせない「尿素水」の不足現象を解決するため、産業用尿素水を車両用に転換するための方法も検討している。

今回の「尿素の輸入不足」現象は、中国政府の尿素輸出検査義務化措置により発生した。尿素水の原料である尿素は石炭からアンモニアを抽出して作られるが、中国は最近、オーストラリアとの「石炭紛争」で石炭供給が不足すると尿素生産を減らし始め、尿素輸出検査義務化措置で事実上尿素輸出を禁止したことが背景にある。


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[ 2021年11月09日 07:56 ] カテゴリ:韓国経済 | TB(0) | CM(0)
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