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韓国で台湾の経済政策に学ぶ動き

韓国では最近、台湾に注目する動きがみられる。これは韓国経済の閉塞(へいそく)感と裏腹にあるもので、その打開策を台湾の成功例に求めるというものだ。2022年4月にIMFが発表した世界経済見通しは、韓国で関心を集めた。国民生活の豊かさを示す1人当たり名目GDP(ドルベース)で、2022年に韓国が台湾に逆転される見通しになっていたからだ。

過去を振り返ってみると、台湾の1人当たり名目GDPは韓国を上回っていた(図1参照)。しかし、2003年に韓国が台湾を逆転して以来、韓国が台湾を上回っていた。それが2022年に再逆転され、その状態が今後も続くというわけだ。

こうしたことから、韓国では台湾に学べとの指摘が出始めた。IMFの発表を受け、3大日刊紙の1つの「中央日報」(2022年4月25日、電子版)は「台湾は韓国と同じような経済構造を持つ競争相手なだけに、韓国は台湾に学ぶべきとの声が出ている」「輸出主導型の経済構造である上に、輸出品目も似ている台湾が先端産業を中心に急速に成長している」と述べている。

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根本的な要因として、蔡英文政権の経済政策が注目されている。前述の「中央日報」(2022年4月25日、電子版)は「台湾は2001年のITバブル崩壊と2008年のリーマン・ショック以降、経済成長率が鈍化し、『老いゆく虎』とみられた」「しかし、2016年に就任した蔡英文総統が遂行した政策が台湾の実力と体質を180度変えた。

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蔡総統は『技術が台湾の安保を保証する』『民間企業が雇用創出の主人公』との掛け声を全て政策として実行し、技術強国になった」と述べている。さらに、「台湾はグローバルサプライチェーンの中でしっかりした地位を築いた」とし、新型コロナ禍以降の米国の新たなサプライチェーン構築の中で、台湾がメリットを享受しているのに対し、韓国はそれに失敗しているという識者の見解を紹介している。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/a79c98ac458aa983.html


記事では、韓国では「半導体危機論」が折に触れてささやかれていると伝えている。具体的には、(1)韓国はメモリー半導体分野では強いものの、ファウンドリーなど非メモリー分野の競争力は弱い、(2)設計人材が量・質とも不十分、(3)素材・製造装置が弱く、海外の特定国に依存しているといった点が掲げられる。特に、ファウンドリー分野で世界最強の台湾積体電路製造(TSMC)を有する台湾の半導体産業に大いに注目している。

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台湾の半導体関連の大企業数は韓国の2.3倍に上る。台湾当局が半導体産業を全面的に支援し、関連規制を緩和したことが背景にある。台湾当局は半導体専門人材2,000人の育成を目標に、2021~2025年に15億台湾元(約68億7,000万円。1台湾元=約4.58円)を投じている。また、海外の高度人材の受け入れ拡大のために、税制優遇や居住関連規制の緩和を行っている。 さらに政府系機関が先端技術の研究開発の前面に出ている。

特にAI(人工知能)チップ、次世代半導体メモリー設計、先端素材などに注力している。現在の台湾の半導体の競争力は工業技術研究院(ITRI)の研究・開発によるところが大きい。


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[ 2022年10月05日 07:46 ] カテゴリ:韓国経済 | TB(0) | CM(0)
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