ウクライナ戦争は一体いつ始まったのか
戦争は1年前に始まった。2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに進撃し、わずか1日で首都キーウを包囲することで始まったロシア-ウクライナ戦争(以下ウクライナ戦争)は、数回にわたって様相を変え、いつしか1年がたとうとしている。戦争の原因と経過、解決策をめぐって様々な立場が交錯し、論争と対立も生じている。
国際政治経済が専門の韓神大学のイ・ヘヨン教授の新著『ウクライナ戦争と新世界秩序』は、その中でも戦争の根本的な原因を西側世界とロシアの確執に見出すという方向性を持つ地政学的分析を代弁する。一言で言えば、米国が主導してきた「グローバル一極体制」がロシアを敵とみなし、締め付けた結果、戦争が起きたという主張だ。 これはロシアの膨張主義または帝国主義に注目したり言及したりするアプローチの対極にあり、解釈と解決策をめぐっても激しい論争が生じている。本書は「ナラティブの戦場」に参戦している一方の陣営の思考構造を点検することを目的として読むのが適切だ。
著者は、この戦争を主導しているのは「自由主義の覇権の拡張」を目論む「ネオコン」だと主張する。ウクライナとロシアという2つの国の戦争というより、米国と西側世界がウクライナを前面に押し立ててロシアと繰り広げている「代理戦争」だというのだ。2000年代に本格化し、ウクライナにまで順番が回って来た「NATO(北大西洋条約機構)の東進」は、著者があげる戦争の直接的な原因の一つだ。
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「NATOの東進あるいは膨張はロシアにとって実存的脅威となるという命題は、遠くは1991年の冷戦解体後から、近くは2014年のマイダン革命後に至るまで、ロシアの外交政策はもちろん、今繰り広げられている戦争の開戦事由(casus belli)の最重要部分だ」。冷戦解体当時、米国と西側世界はソ連に「NATOはただの1インチたりとも東進しない」と約束したが、これは「空約束」となり、東欧諸国だけでなく旧ソ連諸国までもが続々とロシアを包括しない欧州の安保システムに加入していった。(ハンギョレ新聞)
ウクライナとロシアにまつわる歴史をわかりやすく解説
それを知るカギは、30年前のソビエト崩壊という歴史的な出来事にさかのぼる必要がある。もともと30年前まで、ロシアもウクライナもソビエトという国を構成する15の共和国の1つだった。ソビエト崩壊後、15の構成国は、それぞれ独立して新たな国家としての歩みを始めました。これらの国では新しい国旗や国歌が制定された。ソビエト崩壊から30年たっても、ロシアは同じ国だったという意識があり、とりわけウクライナへの意識は、特別なものがあると言われている。
8世紀末から13世紀にかけて、今のウクライナやロシアなどにまたがる地域に「キエフ公国=キエフ・ルーシ」と呼ばれる国家があった。その中心的な都市だったのが、今のウクライナの首都キエフでした。こうした歴史から、同じソビエトを構成した国のなかでも、ロシアはウクライナに対して特に“同じルーツを持つ国”という意識を強く持っていていた。プーチン大統領はウクライナを“兄弟国家”と呼び、「強い執着」があると指摘される。
一方、ウクライナはそうした“兄弟意識”は、ソビエトが崩壊してこの30年間で、当初はあいまいだったウクライナ国民という意識がつくりあげられた。もう1つのカギになるのが「NATO」=北大西洋条約機構の“東方拡大”。「NATO」は、もともと東西冷戦時代にソビエトに対抗するために、アメリカなどがつくった軍事同盟。ロシアはこれまで、西側から陸上を通って攻め込まれてきた歴史があるため、安全保障の観点から、東欧諸国を“緩衝地帯”だと考える意識が強い。
今回の軍事侵攻の背景には、プーチン大統領が、NATOへの加盟を希望するウクライナの政権を“同じルーツを持つ国”に誕生したアメリカ寄りの“かいらい政権”と捉えていることや、NATOのこれ以上の“東方拡大”を容認できないとする安全保障観が影響している。
国際政治経済が専門の韓神大学のイ・ヘヨン教授の新著『ウクライナ戦争と新世界秩序』は、その中でも戦争の根本的な原因を西側世界とロシアの確執に見出すという方向性を持つ地政学的分析を代弁する。一言で言えば、米国が主導してきた「グローバル一極体制」がロシアを敵とみなし、締め付けた結果、戦争が起きたという主張だ。 これはロシアの膨張主義または帝国主義に注目したり言及したりするアプローチの対極にあり、解釈と解決策をめぐっても激しい論争が生じている。本書は「ナラティブの戦場」に参戦している一方の陣営の思考構造を点検することを目的として読むのが適切だ。
著者は、この戦争を主導しているのは「自由主義の覇権の拡張」を目論む「ネオコン」だと主張する。ウクライナとロシアという2つの国の戦争というより、米国と西側世界がウクライナを前面に押し立ててロシアと繰り広げている「代理戦争」だというのだ。2000年代に本格化し、ウクライナにまで順番が回って来た「NATO(北大西洋条約機構)の東進」は、著者があげる戦争の直接的な原因の一つだ。
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「NATOの東進あるいは膨張はロシアにとって実存的脅威となるという命題は、遠くは1991年の冷戦解体後から、近くは2014年のマイダン革命後に至るまで、ロシアの外交政策はもちろん、今繰り広げられている戦争の開戦事由(casus belli)の最重要部分だ」。冷戦解体当時、米国と西側世界はソ連に「NATOはただの1インチたりとも東進しない」と約束したが、これは「空約束」となり、東欧諸国だけでなく旧ソ連諸国までもが続々とロシアを包括しない欧州の安保システムに加入していった。(ハンギョレ新聞)
ウクライナとロシアにまつわる歴史をわかりやすく解説
それを知るカギは、30年前のソビエト崩壊という歴史的な出来事にさかのぼる必要がある。もともと30年前まで、ロシアもウクライナもソビエトという国を構成する15の共和国の1つだった。ソビエト崩壊後、15の構成国は、それぞれ独立して新たな国家としての歩みを始めました。これらの国では新しい国旗や国歌が制定された。ソビエト崩壊から30年たっても、ロシアは同じ国だったという意識があり、とりわけウクライナへの意識は、特別なものがあると言われている。
8世紀末から13世紀にかけて、今のウクライナやロシアなどにまたがる地域に「キエフ公国=キエフ・ルーシ」と呼ばれる国家があった。その中心的な都市だったのが、今のウクライナの首都キエフでした。こうした歴史から、同じソビエトを構成した国のなかでも、ロシアはウクライナに対して特に“同じルーツを持つ国”という意識を強く持っていていた。プーチン大統領はウクライナを“兄弟国家”と呼び、「強い執着」があると指摘される。
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