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輸出不振に直面し、政府が打開策を模索=韓国

韓国の総人口は5,163万人(2022年中位推計、出所:統計庁)。内需規模が必ずしも大きいとは言えない。そのため、経済成長には輸出の役割が重要だ。統計庁のデータベースによると、韓国の輸出依存度(名目GDPに対する通関ベースの輸出額の比率)は、2021年時点で35.6%。主要国の中ではドイツ(38.6%)と並び、高めの水準になっている。ちなみに、同データベースなどによると、輸出依存度(同年)は、中国19.0%、日本15.0%、米国7.6%だ。いずれも、韓国よりも大幅に低い。輸出依存度が比較的高いというのは、輸出の好不調が経済に大きく影響する構造と言い換えることもできる(注1)。

足元の輸出が不振な最大の原因は、主力品目の半導体の輸出減少だ(注2)。前年同期比106億ドル減(15.0%減)と、輸出総額の減少幅(80億ドル)を上回るほどだった。半導体輸出がここまで減少したのは、半導体価格の下落によるところが大きい。半導体メモリー(HS 854232)の輸出単価は、2022年半ばから下落が鮮明になっている。2022年で最も高かったのは、5月。その当時のキログラム当たり2万1,700ドルが、12月には同1万400ドルと半分以下に下がった。市況回復には時間が掛かる見通しだ。かと言って、半導体に代わって輸出が好調な品目も見当たらない。そのため、当面は輸出不振が続きそうだ。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/c21124a5dbd3db79.html

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尹大統領は2023年1月1日、国民向けに「新年の辞」を発表した。主に言及したのが経済分野。世界経済や韓国経済が直面する課題に言及した後、「複合危機は輸出で突破しなければならない。輸出は韓国経済の根幹で、雇用の源泉」と述べ、輸出の重要性を強調した。さらに、「韓国の輸出戦略は過去とは変えなければならない」「全ての外交の中心を経済に置き、輸出戦略を直接構築する」と決意表明している。

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輸出先については、中国に対する輸出依存度を低める狙いがある。ちなみに、対中輸出が輸出総額に占める割合(2022年)は22.8%。これに香港を加えると26.8%と、4分の1を超過する。 中国に代わる輸出先として、韓国政府が特に注目しているのが、ASEANと中東。産業通商資源部は2022年8月31日、「輸出競争力強化戦略」を発表した。この戦略で、前述の原発、防衛産業、プラントの3業種について「大規模輸出プロジェクトの成果を上げる」と、決意を示している。

また韓国の主力輸出品目をみると、2000年以降はほぼ同じ。意気込みがあっても、実際に有力品目に成長させるのは難しいということだろう。尹政権も、このことに危機感を持っている。そこで打ち出されたキーワードが「産業大転換」。産業通商資源部は2023年1月26日、「産業システムの根本的改善のための産業大転換を本格推進」と題したプレスリリースを発表している。韓国政府の思惑どおり、産業構造は転換されるのか、また新たな有力な輸出品目が生まれるのか。今後の政策が注目される。


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[ 2023年02月21日 07:45 ] カテゴリ:韓国経済 | TB(0) | CM(0)
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