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「SVBショック」が示した利上げのリスク顕在化

アメリカ金融市場で急速にシステミックリスクが顕在化している。はたしてそれは燎原の火のごとく今後広がるのか──。3月10日、資産規模で全米16位の米シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻した。続いて12日にもニューヨーク州を拠点とするシグネチャーバンクで取り付け騒ぎが起こり、破綻に追い込まれた。

SVB破綻の原因は、FRB(米連邦準備理事会)の急速な利上げに伴い、資金調達と運用・貸し付けの財務バランスが悪化したことだ。SVBは、ベンチャーキャピタルファンドなどからの預金獲得で成長し、2022年3月末までの3年間で総資産は4倍近くまで膨張した(2022年末時点の総資産は2090億ドル<約28兆円>)。

ただ、大量に集まった預金のすべてをベンチャー企業に融資することはままならず、総資産の6割弱を国債やMBS(不動産担保証券)など長期債券への投資に回すという極端な運用ポートフォリオを構成していた。ここへFRBの利上げが直撃。長期債の金利上昇(債券価格は低下)によって大量の含み損を抱え込むことになった。

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信用不安が高まる中、SVBは3月8日に22.5億ドル(約3100億円)規模の増資計画を発表するとともに、保有債券を投げ売りして18億ドルの損失を計上したことを公表した。だが、これが逆に信用不安を加速させて銀行取り付け騒ぎまで発展し、株価も一気に60%の下落となった。翌々日の3月10日に、カリフォルニア州当局はSVBの事業停止を決めた。
https://toyokeizai.net/articles/-/659240

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FRB・政府の動きも速かった。アメリカ財務省とFRB、FDIC(米連邦預金保険公社)は金融市場が開く前の3月12日に共同声明を発表。通常の預金保険で保護される1口座当たり最大25万ドルを超えて、すべての預金を完全に保護する方法を承認したと説明。SVBとシグネチャーバンクの双方に適用されるが、これにより、預金者の増幅する不安を鎮め、新たな銀行取り付け騒ぎを抑え込むとしている。アメリカ国債やMBSを担保として、最長1年の特別融資を行うものだ。中央銀行が「最後の貸し手」機能に基づいて行う特別緊急融資となる。

今後の最大の焦点は、金融機関に対する信用不安が収まらず、システミックリスクが拡大してしまわないかどうかだ。銀行のビジネスモデルは、短期資金である預金を基に、長期的な融資や債券投資で運用するものであるため、いったん預金取り付けが起きると現金が不足し破綻することになりやすい。また、現金を確保するために金融機関が債券や融資パッケージ商品の投げ売りを拡大させれば、資産価格の暴落を誘発し、極端な場合はリーマンショックの再来になりかねない。


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[ 2023年03月14日 08:10 ] カテゴリ:国際 | TB(0) | CM(0)
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