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「インバウンド復活」が良いニュースだけではない理由

5月11日、財務省から公表された3月経常収支は+2兆2781億円と2カ月連続で+2兆円の大台を超える黒字となった。1~3月期の経常黒字は1月の大幅赤字が響いて+2兆5430億円にとどまっているが、このままいけば2022年通年の黒字(+11兆5466億円)は超えてくる可能性は高い。

昨年は半導体を筆頭とする供給制約や鎖国政策を受けた訪日外国人観光客(インバウンド)の停滞という特殊要因が貿易・サービス収支を実力以上に悪化させていた経緯があるため、「前年対比で経常収支は改善」というのがやはりメインシナリオになる。しかし、前回のコラム『外貨が入ってこない日本 経常黒字でも「円」が脆弱な理由』でも議論したように、そもそも第一次所得収支黒字に円買いが期待できない以上、貿易サービス収支で赤字が続くと「経常収支は黒字でも需給は円売り超過」という実情が続くことになる。それが米金利低下でも円高にならない原因だと筆者は考えており、その状況は続くと考えたい。

当面、日本の経常収支において耳目を引く項目はやはり旅行収支になるのだろう。1~3月期を終えたところでの旅行収支黒字が+7408億円と四半期の黒字としては2019年4~6月期以来、15期ぶりの水準まで回復している。鎖国政策の真っ只中だったので参考にはならないが、22年1~3月期の旅行収支黒字が+433億円だったことを思えば、1年で景色がかなり変っていることが分かる。

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訪日外客数の水準で見てもようやくパンデミック前の水準が視野に入ってきた状況とも言える(図表(1))。例年4~7月が訪日外国人観光客(インバウンド)需要のピークであることを踏まえれば、4月以降の数字はさらに顕著な改善を確認するはずである。これを日本経済の追い風にすべきという論調もますます強まってくるだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/756b7bea15788a954b5f14005f579bb655d94853

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外国人という新しい消費者が質(予算)でも量(訪日客数)でも増えている以上、日本人がこれまで通りの消費行動を貫くのは難しくなる。旅行収支の稼ぎに賭けるというのは結局のところ、外需依存である。訪日外国人からすればパンデック前と同程度の(外貨建て)予算で日本の財やサービスを消費しているつもりかもしれないが、円建てで見れば、つまり日本人から見れば顕著な増加。

インバウンド1人当たりの旅行支出がパンデミック直前からの比較で+24%増えているが、これは同期間におけるREERの下落率とほぼ一致している。インバウンド消費の増加は日本の財・サービスの付加価値が増した結果として沢山買って貰えるようになったわけではなく、単に円換算でかさ上げされるようになったというのが実情だ。


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[ 2023年05月15日 09:03 ] カテゴリ:日本経済 | TB(0) | CM(0)
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