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韓国大統領選で当選した朴槿恵氏は、大韓民国政府樹立以来で初の女性大統領で、その「女性リーダーシップ」に関心が集まっている。朴氏は選挙運動でも「初の女性大統領」という点を印象付け、得票を伸ばしたと分析されている。


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■サッチャー型かメルケル型か

女性大統領としての朴槿恵氏のリーダーシップは英国のサッチャー元首相としばしば比較される。サッチャー元首相は「鉄の女」と呼ばれ、男性のリーダーよりも強いリーダーシップを発揮した。サッチャー元首相は1979年から90年まで3選に成功した。在任期間には緊縮財政で経済を再生し、いわゆる「英国病」を治したとの評価がある。サッチャー元首相は自らを「信念の政治家」と呼んだ。朴槿恵氏は「約束と原則」を重視すると述べている。

朴槿恵氏はドイツのメルケル首相からも影響を受けているとされる。 セヌリ党の金鍾仁（キム・ジョンイン）国民幸福推進委員長は、朴槿恵氏がメルケル首相をベンチマーキングしたことがあると証言した。朴槿恵氏は自叙伝で「メルケル首相が追求する経済政策や外交政策の路線は、私が追求しているものと似ており、共に保守政党の党首である点、そして理工系出身である点で心が通じそうだ」と述べた。メルケル首相は自身が属するキリスト教民主同盟（CDU）がコール政権時代に秘密資金事件で危機に直面すると「党は独り立ちするすべを学ぶべきだ」と述べて非常事態を切り抜け、首相にまで登り詰めた点で朴槿恵氏と似た経歴を持っている。

一部からは朴槿恵氏が大統合を強調している点からチリのバチェレ前大統領（2010年退任）と比較する声も出ている。バチェレ前大統領は左派と右派が激しく対立したチリ社会で、国民統合にある程度寄与したと評価されている。バチェレ前大統領は「父は支配的だが、母は調停役を果たす」と述べ、女性リーダーシップの長所を強調していた。


■共感と配慮が強み

専門家は女性リーダーシップの長所として「共感」と「配慮」を挙げた。男性は命令と統制に基づくリーダーシップのスタイルを好むのに対し、女性は社会的な相互作用に基づくリーダーシップを好むとされる。ソウル大の金光雄（キム・グァンウン）名誉教授は「権威主義的で家父長的な伝統的リーダーシップに慣れた男性と異なり、女性は人同士の結び付き、配慮、協調を重視する特性がある。対立よりも共感、調和、命令よりも説得を重視することは国民統合により適している」と指摘した。

専門家は女性指導者に期待できるもう一つの強みとして「クリーンな政府」を挙げた。檀国大のカ・サンジュン教授は「一般的に女性政治家はこれまでの男性政治家よりも腐敗問題に関わりが薄い可能性が高い。朴槿恵氏の場合、夫や子どもがいないため、弟の面倒さえみればよいという期待感がある」と述べた。朴槿恵氏は最後のテレビ討論で「私には面倒を見なければならない家族も財産も子どももない」と語っている。


■朴槿恵氏は中性的リーダーシップ

専門家は初の女性大統領であるがゆえに、安全保障と危機管理の面で朴槿恵氏がどんなリーダーシップを発揮するかに注目すべきだと指摘した。カ・サンジュン教授は「国民が女性大統領に最も不安に感じるのは国防、特に北朝鮮との関係だ」と指摘した。高麗大の李来栄（イ・ネヨン）教授は「女性らしさは福祉や社会統合の分野では好印象だが、安全保障・国防の分野では脆弱（ぜいじゃく）に見える面がある」と話した。大統領の周囲の政治家や官僚には男性が多いため、むしろ意思疎通が難しくなるとの指摘もある。意思疎通と共感を重視する女性リーダーシップは効率性で劣るとの意見も存在する。

専門家は朴槿恵氏のリーダーシップはむしろ「中性」に近いと判断している。大統領リーダーシップ研究所のチェ・ジン所長は「朴槿恵氏は女性特有の暖かくソフトな雰囲気で国民にアピールしたが、（主張の）内容的には強い原則、信頼など男性的な要素もある」と分析。カ・サンジュン教授は「朴槿恵氏は約束と信頼を協調するが、これは他の女性政治家にはあまり見られない」と述べた。

（朝鮮日報）

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