日本がアジア最大規模のイージス艦隊を建造に!
防衛省の関係者は、「北朝鮮のミサイル威嚇」を理由に、日本が弾道ミサイルを迎撃するイージス艦を2隻追加建造する準備に入ったと明かした。完成後、日本が保有するイージス艦は8隻に増加し、アジア最大規模のイージス戦艦群となる。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
共同通信社によれば、防衛省が新「防衛計画の大綱」でミサイル防衛システムの強化を提案した。イージス艦の建造費は1隻あたり2000億円にのぼる見通し。防衛省は、「北朝鮮のミサイル威嚇の長期化」を防ぐための措置だと表明している。
海上自衛隊は現在、「こんごう」4隻と「みょうこう」2隻の計6隻のイージス艦を保有。うち4隻がミサイル防衛システム「SM-3」を搭載し、その規模は米国に次いで世界2位だが、「北朝鮮のミサイル威嚇」に対抗するにはまだ不十分なようだ。防衛省は、北朝鮮のミサイル打ち上げに対応するため、SM-3を搭載したイージス艦を少なくとも2隻運用する必要があると発表したが、北朝鮮の長距離ロケット打ち上げの際、同型のイージス艦2隻が修理中だったため、運用できるのは2隻しかなかった。
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共同通信社によると、防衛省は新「防衛計画の大綱」の検討時、弾道ミサイルを迎撃するイージス艦を増やす必要があるとの見解を示した。残りの2隻へのSM-3搭載を迅速に行い、改修を2019年までに終えるほか、追加建造する2隻のイージス艦については15年度と16年度に契約を結び、21年に就役させる計画だ。(編集担当:米原裕子)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0708&f=politics_0708_004.shtml
日本はイージス艦をアメリカに次いで導入した国家であり、保有数も世界で2番目の6隻である。「こんごう型」の就役により、8艦8機体制(新八八艦隊)が完成するなど、イージス艦の配備は海上自衛隊にとっても大きな時代の節目となった。自衛隊のイージス艦はアメリカ海軍と異なりトマホークミサイルを搭載しておらず、純粋な防空艦として運用されている。48隻の護衛艦のうちイージス艦は6隻だけで、建造費も1200億円と護衛艦史上最高額である。
海上自衛隊の護衛艦の名称は旧日本海軍の艦のものを使用する場合が大半であるが、イージス艦にはそれ以前のミサイル護衛艦(DDG)で使われていた駆逐艦の名称ではなく、戦艦と重巡洋艦の名称が使われており別格の扱いを受けている。
自衛隊インド洋派遣の際には高性能なイージス艦の派遣を巡って議論が発生し、政治的問題化したため一時期派遣が見送られた。「こんごう型」の4隻はミサイル防衛に対応した改修がおこなわれ、日本におけるミサイル防衛の一翼を担う重要な存在となっており、北朝鮮によるミサイル発射実験に対して発令された破壊措置命令4回すべてに出動している。「あたご型」2隻も2013年現在、ミサイル防衛機能の追加改修を行っている。
イージスシステム
イージスシステムは、イージス艦のイージス艦たる所以であって、その戦闘システムの中核である。イージス艦が搭載する全ての兵器はイージスシステムに接続され、組み込まれる。このため、イージス艦が搭載する戦闘システム全体を指してイージスシステム(イージス戦闘システム; Aegis Combat System)と総称することもある。
イージスシステムは、SPY-1レーダー、情報処理システム、スタンダード対空ミサイル・システムによって構成されている。
SPY-1レーダーはイージスシステムの中核であり、八角形のフェーズドアレイ・レーダーが4枚、四方に向けて艦の上部構造物に固定されている外見は、イージス艦の特徴ともなっている。最大探知距離450キロ以上、最大探知目標は200以上である。
イージス艦のスタンダード対空ミサイル・システムは、改良型のスタンダード・ミサイル2型を使用し、また新型の射撃指揮装置が組み込まれているため、同時に多数(10個以上)の目標と交戦することができる。現在就役している艦では、ミサイル・ランチャーとしてMk 41垂直発射装置が採用されており、即応性や速射能力などが向上している。
さらに近年、イージスシステムはミサイル防衛任務にも対応できるように改修されつつある。ミサイル防衛は極めて困難な任務であるため、スパイラル開発のコンセプトに基づいて、漸進的に開発が進められており、2009年3月現在、イージスBMD3.6と呼ばれるバージョンが配備されている。イージスBMD3.6搭載艦は、弾道ミサイル迎撃専用に開発されたスタンダード・ミサイル3型(SM-3)を搭載し、高度150kmの目標と交戦できると言われている。
その他の搭載兵器・機器
これまでに建造されたイージス艦は、イージスシステム以外にも、その時点において標準的な各種の兵器を搭載してきた。
ミサイル
現用のイージス艦が搭載するMk 41垂直発射装置は汎用性が高く、スタンダード艦対空ミサイル以外にも多くの種類のミサイルを搭載することができる。ESSM(発展型シースパロー)、垂直発射式アスロック(VLA)対潜ミサイル、トマホークなどが、その例である。(ESSM(発展型シースパロー)は1セルにつき4発を搭載可能)
Mk 41では、どのミサイルをどれだけ搭載できるかが任意に決められるので、イージス艦の兵装構成は非常に多様である。例えば、防空艦としての活動が多いタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦においては、ミサイル搭載数の大部分をスタンダード対空ミサイルが占めているのに対し、汎用艦としての活動が多いアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦では、トマホーク巡航ミサイルの搭載数が増えていると言われているし、対潜戦闘を重視する日本の艦ではVLAがある程度の比率で搭載されており、ノルウェーのフリチョフ・ナンセン級フリゲートはESSM(発展型シースパロー)のみ搭載する。
また、アーレイ・バーク級35番艦以降を除いて、Mk 41のほかに対艦ミサイルの4連装発射筒を搭載している。対艦ミサイルの機種は、あたご型がSSM-1B、フリチョフ・ナンセン級がNSM、世宗大王級がSSM-700Kであり、他の艦はすべて、アメリカ海軍で標準的なハープーンである。
近接防空システム(CIWS)
アーレイ・バーク級35番艦以降を除いて、全てのイージス艦は、従来艦と同様に近接防空システム(CIWS)を搭載する。その機種は通常ファランクスだが、スペインのアルバロ・デ・バサン級フリゲートは国産のメロカを、韓国の世宗大王級駆逐艦はオランダ製のゴールキーパーおよびRAM近接防御ミサイルを組み合わせて搭載する。
また、CIWSを搭載していないアーレイバーク級35番艦以降では、ESSMをもってその代用とするとされているが、アーレイバーク級35番艦以降の中には後部にCIWSを1基のみ搭載している艦も存在する。
砲熕(ほうこう)兵器
イージス艦の主たる兵器はミサイルではあるが、汎用性が高く、即応性にも優れることから、通常型の艦砲も搭載する。
その機種は、こんごう型がオート・メラーラ社製の127 mm 単装砲、フリチョフ・ナンセン級が同じくオート・メラーラ社製の76 mm 単装砲を搭載している他は、全てのイージス艦がアメリカ製のMk 45 5インチ砲を搭載している。これは、現代のアメリカ軍でもっとも一般的な艦砲である。
伝えられるところでは、こんごう型で、オート・メラーラ社製の砲をイージス・システムに接続する際には、通常使われる砲とは違っていたために、若干の困難があった、とのことである。
対潜戦闘システム
全てのイージス艦は、それぞれの海軍で標準的な対潜戦闘システムを搭載している。
対潜水艦戦闘でのセンサーとしては、通常は最近の従来艦と同じくバウ・ソナーと戦術曳航ソナーを装備するが、沿岸海域での戦闘を重視したアーレイ・バーク級フライトIIAでは、ヘリコプター運用設備との兼ね合いから、曳航ソナーが省かれる。
また、攻撃手段としては、舷側のMk 32 短魚雷発射管から発射される短魚雷、Mk 41 VLSより発射されるVLA対潜ロケット、さらに場合によってはヘリコプターが使用される。ここで用いられる短魚雷としてはMk 46が長く用いられてきたが、現在は、より高速で強力なMk 50や97式短魚雷なども就役している。
これらセンサーと攻撃手段を統合した対潜戦闘システムとして、米艦とあたご型はAN/SQQ-89統合対潜戦闘システムを搭載している。これは、スプルーアンス級やオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートにおいて導入されたもので、対潜戦闘を大幅に自動化するものであり、いわば対潜版のイージスシステムということができる。
しかしSQQ-89は機密レベルが高く、海外輸出が制限されるため、こんごう型やアルバロ・デ・バサン級などでは、国産あるいは輸入した別の対潜戦闘システムを使用しており、従ってソナーの機種や構成も異なっている。
航空機
多くの場合、イージス艦も、他の現代水上戦闘艦と同様にヘリコプターを搭載する。アメリカのLAMPS構想に見られるように、これらはソナーと魚雷を搭載しての対潜哨戒のほか、軽輸送や救難など、多用途に用いられる。ただし、アーレイバーク級の初期建造艦(フライトI、II)、およびこれをもとにしたこんごう型は、格納庫をもたず、ヘリコプター用飛行甲板と給油設備、データ・リンクのみを設置している。
アメリカ海軍の艦ではSH-60B LAMPSヘリコプターが搭載されており、これを含んだLAMPSシステムは、SQQ-89統合対潜戦闘システムを介してイージス・システムに接続されている。一方、日本のあたご型護衛艦ではSH-60JかSH-60K 1機を搭載可能であるが、これはLAMPSのように母艦と連携しての運用のほか、独立しての作戦行動も可能になっている。
通信設備
イージス・システムの開発以前より、アメリカ海軍は艦隊全体で一体となって戦闘を行なうため、海軍戦術情報システム(NTDS)を開発・使用してきた。そのネットワークに接続するための戦術データ・リンク装置は、イージス艦にも当然搭載される。従来はリンク 11が使用されてきたが、1990年代より新型のリンク 16が運用開始され、既存の艦にも順次装備されている。
海上自衛隊では、こんごう型の4番艦で初めてリンク 16に対応し、続いて建造されたあたご型にも搭載されたほか、既存のこんごう型3隻に対しても搭載改修が行われている(イージス艦以外に、たかなみ型汎用護衛艦やひゅうが型ヘリコプター護衛艦にも搭載されている)。ただし、リンク 16は見通し線外通信ができないため、艦隊全体での通信にはリンク 11が依然として使われている。
また、より広域での作戦統制のため、アメリカ海軍のイージス艦ではUHF帯とSHF帯の衛星通信回線が設置されている。これらの衛星通信回線は、アメリカ海軍の骨幹的指揮統制システムである海上用-汎地球指揮統制システム(GCCS-M)や情報資料を配信する統合同軸報送信サービス、多国間作戦を調整するためのCENTRIXSといった情報システムのために用いられている。
ミサイル防衛(BMD)など広域での戦術情報共有が必要な作戦においては、アメリカ海軍はリンク 16をベースにした衛星データリンクであるS-TADIL Jを使用しており、海上自衛隊のイージス艦の一部にもその通信装置が装備される。海上自衛隊のイージス艦では、このほかに、海上自衛隊の骨幹的指揮統制システムである海上作戦部隊指揮管制支援システム(MOFシステム)のためのSUPERBIRD衛星通信回線が設置されている。
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