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対中ビジネス「有事」に備えた事業継続計画はあるか

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尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化や安倍晋三首相(59)の靖国神社参拝を理由に対日強硬姿勢を強める中国。尖閣周辺の偶発的な衝突など日中に不測の事態はいつ起きてもおかしくない。米太平洋艦隊情報幹部のジェームズ・ファネル大佐は米国での2月13日の講演で、中国人民解放軍による昨年の大規模な軍事演習は「尖閣諸島を強襲し、制圧する作戦を想定していた」と述べた。

■20万人以上の邦人が滞在

中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)は閉幕日の13日、前年実績比で12・2%増となる2014年中央国防予算を承認。4年連続2ケタの伸びで、昨年の10・7%増という伸び率も大きく上回っている。

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李(り)克(こく)強(きょう)首相(58)は5日の「政府活動報告」で、対日関係を念頭におき、「領土の主権と海洋の権益を断固として守った。戦闘への備え、国境、領海、領空の防衛を強化する」と強調した。こうした緊迫した現実にもかかわらず、「対中進出した日本企業の中で有事に対応しうる事業継続計画(BCP)を策定したケースはほとんどない」(上海エリス・コンサルティングの立花聡代表=写真)との指摘がある。

立花氏が示す「有事」には軍事的な衝突以外にも、大規模な反日デモや、反日の気運に“便乗”する傾向のある日本企業での労使紛争、さらに中国内のテロ行為や反政府暴動など、社会不安の広がりも含んでいる。例えば「邦人保護」。中国には短期滞在者を含め、20万人以上の駐在員やその家族、留学生などの日本人が滞在しているとされるが、有事に中国脱出を求める日本人全員を安全に保護することは現実として難しい。

「在留邦人の身の安全は進出企業の自己防衛のみが頼り」と立花氏は強調する。まず一般社員を脱出させ、責任者はギリギリ最後まで現地に残って指揮を執るというのが日本企業の常識だろうが、立花氏は「まったく逆だ」という。

■まず責任者から逃げよ

有事に至らなくとも、中国で当局側が民事訴訟案件を作り出せば、日本人責任者の出国阻止や身柄拘束はいとも簡単だ。現地法人では董(とう)事(じ)長(ちょう)と呼ばれる最高経営責任者(CEO)が真っ先に狙われる。立花氏は董事長は日本など国外在住者に委ね、中国内は総経理(最高執行責任者=COO)以下のマネジメント体制として、まず総経理から脱出するBCPを作成するようアドバイスしている。一般社員の責任は問われにくい。

企業側の対応措置として(1)国外脱出のタイミングとゴーサインを誰が決めるか(2)多数の日本人駐在員や家族がいる場合の脱出の順序(3)中国からの脱出ルートの事前検討-などが欠かせない。12年の反日デモ前後には上海市内などで、歩行中や食事中の日本人が暴行を受ける事件が相次いだ。また、労使紛争の果てに日本人駐在員らが工場内に監禁される事件も頻発した。

対中進出している日本企業の大半は人的なリスク管理の大半を現地に任せ、本社では危機的状況になってから「事態を報告しろ」「ただちに脱出しろ」などと場当たり的、かつ的外れな命令を出すことが多い。

邦人保護に加え、緊張が高まった場合の中国人従業員の感情把握やメンタルケア、行動の予測や安全確保などまで盛り込んで、日本側の主導でBCP策定を急がねばならないだろう。

人の安全以外にも、日本企業の保有する現預金など資金、工場や店舗など設備を中国でどう守るか、という難題がある。

■日本色を薄める工夫

短期的に日中関係の改善が見込めない中で、それでも対中ビジネス拡大が必要との経営判断ならば、「資本は日本からの直接投資ではなく香港などを経由する迂回投資として日本企業色を薄め、現地法人の経営トップには中国人かマレーシアなど海外在住の中国系華人を起用し、可能な限り(従来型の現地法人による)日本企業ではなくなる方法をめざすしかない」という。

立花氏は中国ビジネスのBCPとしてリスクを5段階に分類した。危機を認識する「レベル1=注意喚起」。局地的な問題や社会不安の広がりが想定される「レベル2=厳重警戒」。偶発的な衝突や大規模デモ発生など「レベル3=危機発生」。軍事衝突や社会不安で中国当局が治安維持に乗り出す全国的混乱の「レベル4=重大危機」。さらに戦争勃発や国内の全面的内乱、内戦、クーデターなどの事態に陥る「レベル5=最重大危機」まで、具体的な対応策を細かく定めておく必要がある。

そのような事態は起こりえないと鼻で笑う企業経営者がいるとすれば、対中ビジネスの最前線に日本から従業員を送り出す資格などない。どんな危機が発生しても中国の事業と従業員を守り抜くという意志と覚悟がなければ、中国から全面撤退すべき時代がそこまで来ている。

(上海支局 河崎真澄)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140321/frn1403211638005-n1.htm



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[ 2014年03月21日 19:51 ] カテゴリ:中国 | TB(0) | CM(0)
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