生き残りかけ構造調整に乗り出す韓国大企業
今年の韓国経済の最大の話題は構造調整だ。造船や海運業などの大型の受注産業が債権団主導の手術台に載せられるなか、企業別に構造調整が一斉に行われてる。特に、事業多角化の名の下に規模を膨らませてきた大企業は、非主力事業を整理するだけでなく有望資産まで売り出し、生存をかけた生き残りに腐心している。
サムスンはすでに防衛事業部門を韓火(ハンファ)に、化学系列会社をロッテに売るなど、非主力系列会社を整理し、電子、金融、バイオを主軸に事業再編を進めている。サムスンの「選択と集中」は世界経済の低迷が長引き供給過剰の問題が深まるなかで、先制的対応に乗り出したという点で財界周辺で注目を浴びている。産業研究院のイ・ハング主任研究員は「通貨危機や金融危機を経て財閥企業は肥大化したが、その一部が世界市場の流れを読み取り、うまく対応しているのは幸いだ」と指摘した。
斗山(トゥサン)の動きも注目される。昨年、過去最大の経営難を経験して大規模な人員削減を始めた斗山グループの系列各社は、今年第1四半期(1~3月)に黒字に転換。斗山グループの持株会社、斗山は、主力系列会社各社の業績改善に支えられ、第1四半期に連結財務諸表基準で2590億ウォン(約280億円)の営業利益を出した。1年前に比べ70%以上増えた値である。昨年の第4四半期(10~12月)に3400億ウォン(約310億円)の営業赤字を出したことを考えると目に見えてよくなっている。
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斗山グループの主力系列社の実績改善は、過去1年余りで進められてきた構造調整の効果といえる。事業部門を一部売却したり統廃合し、規模は縮小したものの、財務構造を改善させたのは成果として挙げられる。IBK投資証券のキム・ジャンウォン研究員は「斗山の場合、事業部門売却に伴う痛みと構造調整の影響はあったが、クレジット(信用)の解消案を財務改善に合わせて迅速に進めた代表的事例」と話す。
斗山グループは昨年まで、創業以来最大の危機に直面した。斗山は、主要資産を売り高コスト構造を減らす方法で突破口を見出した。2014年にKFCと斗山東亜を皮切りに、2015年に斗山インフラコアの工作機械事業部、今年に斗山建設とボイラー事業部を相次いで売却した。斗山インフラコアの中国工場は統廃合し、ベルギーとブラジル工場は生産を中断した。キム研究員は「財務的負担を減らすべき課題は今も続いているが、資産売却が計画どおり進められ子会社別に実績改善が行われており、負担は緩和される」と見通した。
中国発の供給過剰と世界の鉄鋼景気の落ち込みが続いた昨年、史上初の赤字を出したポスコは、今年第1四半期に5千億ウォン(約460億円)近い純利益を計上して黒字に転換した。鉄鋼業全体が困難に直面したなかで出された好実績だった。 ポスコは昨年5月に非常経営を宣言していた。専任経営陣と李明博(イミョンバク)前政権との癒着の疑惑で検察の捜査を受けていた時期だったが、ポスコは強力な経営刷新を断行した。ポスコが直面した危機は、チョン・ジュンヤン前会長時代に進めた非鉄鋼事業への進出など、無理な経営拡大が主要因とされる。このため規模は大きくなったが経営体質が弱まった。そこへ鉄鋼業の低迷まで重なり、ポスコは大きく揺らぐことになる。
韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/24198.html
【管理人コメント】
韓国の大手企業の上位は縮小を強いられるが残るだろう。むしろ問題は中小企業にある。韓国の雇用88%を背負っているわけで、中小企業改革が無ければ無理である。雇用を優先するならば、本気で中小企業改革に取り組む必要がある。内需とともに中小企業を活性化するのか、事業提携或は合弁会社として日本などの傘下に入るのか…。生き延びるための方法はまだいくらでも方法はありそうだが…。見栄や歴史ばかりに拘れば自滅するだけである。
大企業は縮小し、部品納入企業を整理するしか能が無い。縮小すれば失業者は増加する。それ以上に中小企業は倒産するだろう。すでに家計負債は返済できない比率が高まっている。中小企業に企業体力がつければ、大企業もそれにつられて頑張るのではないか…。
サムスンはすでに防衛事業部門を韓火(ハンファ)に、化学系列会社をロッテに売るなど、非主力系列会社を整理し、電子、金融、バイオを主軸に事業再編を進めている。サムスンの「選択と集中」は世界経済の低迷が長引き供給過剰の問題が深まるなかで、先制的対応に乗り出したという点で財界周辺で注目を浴びている。産業研究院のイ・ハング主任研究員は「通貨危機や金融危機を経て財閥企業は肥大化したが、その一部が世界市場の流れを読み取り、うまく対応しているのは幸いだ」と指摘した。
斗山(トゥサン)の動きも注目される。昨年、過去最大の経営難を経験して大規模な人員削減を始めた斗山グループの系列各社は、今年第1四半期(1~3月)に黒字に転換。斗山グループの持株会社、斗山は、主力系列会社各社の業績改善に支えられ、第1四半期に連結財務諸表基準で2590億ウォン(約280億円)の営業利益を出した。1年前に比べ70%以上増えた値である。昨年の第4四半期(10~12月)に3400億ウォン(約310億円)の営業赤字を出したことを考えると目に見えてよくなっている。
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斗山グループの主力系列社の実績改善は、過去1年余りで進められてきた構造調整の効果といえる。事業部門を一部売却したり統廃合し、規模は縮小したものの、財務構造を改善させたのは成果として挙げられる。IBK投資証券のキム・ジャンウォン研究員は「斗山の場合、事業部門売却に伴う痛みと構造調整の影響はあったが、クレジット(信用)の解消案を財務改善に合わせて迅速に進めた代表的事例」と話す。
斗山グループは昨年まで、創業以来最大の危機に直面した。斗山は、主要資産を売り高コスト構造を減らす方法で突破口を見出した。2014年にKFCと斗山東亜を皮切りに、2015年に斗山インフラコアの工作機械事業部、今年に斗山建設とボイラー事業部を相次いで売却した。斗山インフラコアの中国工場は統廃合し、ベルギーとブラジル工場は生産を中断した。キム研究員は「財務的負担を減らすべき課題は今も続いているが、資産売却が計画どおり進められ子会社別に実績改善が行われており、負担は緩和される」と見通した。
中国発の供給過剰と世界の鉄鋼景気の落ち込みが続いた昨年、史上初の赤字を出したポスコは、今年第1四半期に5千億ウォン(約460億円)近い純利益を計上して黒字に転換した。鉄鋼業全体が困難に直面したなかで出された好実績だった。 ポスコは昨年5月に非常経営を宣言していた。専任経営陣と李明博(イミョンバク)前政権との癒着の疑惑で検察の捜査を受けていた時期だったが、ポスコは強力な経営刷新を断行した。ポスコが直面した危機は、チョン・ジュンヤン前会長時代に進めた非鉄鋼事業への進出など、無理な経営拡大が主要因とされる。このため規模は大きくなったが経営体質が弱まった。そこへ鉄鋼業の低迷まで重なり、ポスコは大きく揺らぐことになる。
韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/24198.html
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大企業は縮小し、部品納入企業を整理するしか能が無い。縮小すれば失業者は増加する。それ以上に中小企業は倒産するだろう。すでに家計負債は返済できない比率が高まっている。中小企業に企業体力がつければ、大企業もそれにつられて頑張るのではないか…。
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