韓国経済 サムスンの新スマートウオッチ、OSはTizen
Samsung Electronicsは、同社の最新ウェアラブル機器のOSにAndroidを採用しないことを選択した。今後、スマートウオッチやフィットネス用リストバンドなどの分野にその影響が及ぶとみられる。
Samsungは、「Mobile World Congress(MWC 2014)」(スペイン バルセロナ、2014年2月24~27日)において、同社の新型ウェアラブル機器として、スマートウオッチ「Gear」と「Gear Neo」、フィットネス用リストバンド「Gear Fit」の3機種を発表した。同社が以前に発表していた旧モデルのスマートウオッチ「GALAXY Gear」は、Android OSを搭載していたが、今回の新製品のOSはAndroidではない。Gear FitはリアルタイムOS(RTOS)を、GearとGear NeoはTizenを、それぞれ採用しているという。Tizenは、SamsungとIntelが中心となって開発を進めてきたLinuxベースのOSで、Androidの置き換えを狙って2011年に投入されたものだ。
スポンサードリンク
米国の市場調査会社であるGartnerでバイスプレジデントを務めるMartin Reynolds氏は、EE Timesのインタビューに応じ、「Samsungは以前から、Tizenを搭載したスマートフォンを販売するのではないかと報じられていた。もしそうであれば、市場に大きな影響を及ぼすことになる。スマートフォン市場におけるSamsungの地位は非常に大きいので、あえてそこまでのリスクを冒す必要はないと考えたのだろう。Tizenの投入先としてウェアラブル市場を選択したことは、非常に理にかなっている。Samsungにとっては、Tizenを小型機器向けに最適化するだけで済むためだ」と述べている。
Tizenは、Androidと同様にLinuxをベースとしているが、電池寿命が長いなどのメリットを持ち、さらなる簡素化を実現している。また、ウェアラブル機器は通常、さまざまな機能を備えているため、いくつもの複雑なアプリケーションをOSで管理する必要がない。Reynolds氏は、「Samsungは、Gear用のソフトウェア開発キット(SDK)を公開する予定だ。そのため、Tizen向けソフトウェアの開発はそれほど難しいことではないだろう」と指摘する。
Samsungは、RTOSの開発キットは提供しないようだ。ただ、RTOSは極めてベーシックなOSであるため、アプリケーションエコシステムを構築するまでもない。一方でCNETの報道によると、SamsungはGear Fit向けアプリに関しては、自社でカスタマイズしたり、開発メーカーと共同でリリースしなければならないようだ。
米国の市場調査会社であるEnvisioneering Groupでディレクタを務めるRichard Doherty氏は、「Samsungは最良の選択をしたといえるだろう。いずれは、AndroidアプリからTizenやRTOSのアプリへの移行が進むかもしれない。Samsungは、同社の端末向けOSの動向をサードパーティの開発メーカーに委ねた形となる」と述べる。「今後は、Samsungの端末向けにAndroid、RTOS、Tizenのコード変換ツールが増えていくとみている」(同氏)。新しいOSが成功するかどうかは、そのOS向けのアプリの開発にどれだけの時間が費やされるかによって左右される。Samsungの新製品がけん引役となって、他のウェアラブル機器でもRTOSやTizenの採用が進む可能性もある。
Doherty氏は、「今後数カ月間で、リソースが大きく移行する可能性がある。開発メーカーの中には、現在Androidによって得ている以上の利益を獲得すべく、Tizenに乗り換えるものも出てくるだろう。しかし、Tizenへの参入障壁は極めて高いため、アプリ開発を手掛けられるのは結局Samsungだけかもしれない」と述べる。
また同氏は、「一体どのOSがウェアラブル市場において優位性を獲得できるのか、現時点で判断するのは難しい」としているが、Reynolds氏はこの点に関して、それほど重要視していないようだ。
Reynolds氏は、「Samsungは、Android以外のOSを持っていることをアピールしたいのではないだろうか。このため、今後特にブレイクスルーや何らかの移行が生じるとは考えにくい。ウェアラブル機器の場合、幅広いアプリを備える必要がないため、どのOSが搭載されていても特に問題はない。重要なのは、全体としてのシステムインテグレーションだ」と述べる。
アナリストの予測では、今後ウェアラブル機器が増加していくにつれ、さらに高性能な半導体チップに対する需要が高まるとみられている。Samsungは既に、専用プロセッサを開発し、高い性能と電池寿命の延長を実現している。
また同氏は、「第1世代のGALAXY Gearは、性能の大半をGALAXY端末に依存していて、まるで母艦と発動艇のような関係だった。しかし次世代機は、機器そのものの機能性が向上し、GALAXY端末への依存度は既存機種よりも低くなる可能性がある。ウェアラブル機器は今後、さらに優れたプロセッサを搭載し、高い性能と処理速度を実現していくだろう」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
http://eetimes.jp/ee/articles/1402/28/news066.html
≪ サムスン「Gear Fit」スマートバンドの第一印象--曲面ディスプレイ搭載ウェアラブル端末 | HOME | 日本カジノに米サンズが100億ドルの賭け、巨大市場にらみ先陣争い ≫
コメントの投稿
トラックバック
≪ サムスン「Gear Fit」スマートバンドの第一印象--曲面ディスプレイ搭載ウェアラブル端末 | HOME | 日本カジノに米サンズが100億ドルの賭け、巨大市場にらみ先陣争い ≫
ブログランキング
最新コメント
- ななし:韓国経済「輸出に前向きな見通し」…中国経済減速がリスク (04/20)
- ななし:「5年間に38万人採用」約束はどこへ…韓国雇用市場に寒波 (04/18)
- ななし:韓国中銀総裁 G20財務相・中銀総裁会議出席へ=IMF会合にも (04/16)
- :韓国中銀総裁 G20財務相・中銀総裁会議出席へ=IMF会合にも (04/16)
- ななし:韓国中銀総裁 G20財務相・中銀総裁会議出席へ=IMF会合にも (04/16)
- :韓国中銀総裁 G20財務相・中銀総裁会議出席へ=IMF会合にも (04/16)
- :TSMCの工場誘致で日本の半導体産業が復活するはずはない (04/14)
- ななし:TSMCの工場誘致で日本の半導体産業が復活するはずはない (04/14)
- :韓国の半導体輸出、1年間に50%増加も…潜在成長率は依然2%台 (04/13)
- :米国「世界のどこで何が起きても我々と共に」…日本との同盟の「格上げ」を強調 (04/13)
リンク
- ハンギョレ新聞
- 中央日報
- 朝鮮日報
- 聯合ニュース
- 人民網
- サーチナ
- Record China
- 東洋経済
- 経済ニュース - Yahoo!ニュース
- サーチナニュース ビジネス
- 経済ニュース - エキサイトニュース
- 経済ニュース News i - TBSの動画ニュースサイト
- 経済 - 毎日jp(毎日新聞)
- 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- 政治 - 国内ニュース - Yahoo!ニュース
- 政治 - MSN産経ニュース
- 政治 - エキサイトニュース
- ZAKZAK (政治・社会)
- YouTube 高橋洋一チャンネル
- 中田敦彦のYouTube大学
- YouTube 堀江貴文 ホリエモン
- YouTube JAPAN 日本の凄いニュース
- YouTube トヨタイムズ
- 管理画面
カテゴリ
サイト内をキーワードや文書で検索
お問い合わせ
お問い合わせ
管理人 MON
連絡先 monma@asahinet.jp