日本はどうやって石炭のクリーン利用を実現したのか
中国メディア・和訊網は3月30日、日本が世界に冠たるクリーン石炭技術を発展させてきた過程を紹介するとともに、著しい石炭依存状態にある中国が学ぶべき点について提起する記事を掲載した。
記事は、クリーン石炭技術が石炭のクリーンかつ高効率な利用技術の総称であり、洗浄、選別、加工、燃焼、煙の浄化、汚染物制御など一連の技術が含まれると説明。日本では1980年には早くもクリーン石炭や新エネルギー技術の研究開発を行う機関ができ、95年にはクリーン石炭技術センターが作られ、巨額の研究投資が行われて卓越した成果を挙げてきたと紹介した。 また、2008年には日本政府が「クールアース・エネルギー革新技術計画」を始動し、そこには超臨界圧技術、石炭ガス化複合発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電技術(IGFC)などの高効率石炭発電技術や二酸化炭素の捕捉・密封技術が盛り込まれたとした。
さらに、14年に内閣が発表した新しいエネルギー基本計画において石炭が「ベースロード電源」の1つに位置付けられ、古い発電所の最新型への改造技術推進、IGCC技術開発強化が提起されこと、2020年にIGCC技術を、25年にIGFC技術を掌握するというロードマップを示し、関連研究への資金援助など様々な優遇政策を打ちだしていることを伝えた。
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そのうえで、日本が大々的に進めるクリーン石炭技術の発展は、石炭が一次エネルギー消費の3分の2を占める中国におって「多くの啓示を与える」ものであると解説。国家戦略化している日本の技術や政策の多くが「学ぶに値する」としている。そして、カーボンオフセットなどによって石炭消費の全体量を制御し、石炭の減産を実現すると同時に、クリーン石炭の発展戦略と技術革新ロードマップを速やかに制定、技術を普及させる必要があると論じている。
中国における大気汚染で大きな元凶とされている石炭エネルギー。しかしその問題点は石炭を使うこと自体ではなく、質や純度の低い、低効率な石炭をそのまま使用し、なおかつ排気ガスを浄化するなどの汚染制御に対する意識と技術が不足しているところにあるようだ。過剰生産を止め、化石燃料や太陽光、原子力にエネルギーの割合を分散させたとしても、石炭の使用を完全に停止することは少なくとも近い将来には考えられない。となればやはりここは、記事の指摘通り日本が培ってきたクリーン石炭技術とその戦略について、真摯に学ぶべきだろう。
サーチナ (編集担当:今関忠馬)
http://news.searchina.net/id/1606256?page=1
【管理人 補足記事&コメント】
石炭は、他の化石燃料に比べて、埋蔵量が豊富で地域的偏在性が低いという特徴を持つことから、重要なエネルギー源と位置付けられています。しかし、石炭は石油や天然ガスに比べて、発熱量当たりの二酸化炭素発生量が多いことなどから、地球環境問題への対応が求められいる。石炭をクリーンに利用する発電技術として、高効率で環境性に優れた石炭ガス化複合発電(IGCC)の開発が国内外で行われている。
我が国では、電力会社が一丸となって、他に例の無い空気吹き二段噴流床石炭ガス化技術を用いた高効率なIGCCの開発を進めている。1986年度から開始された、石炭処理量200トン/日規模のパイロットプラントプロジェクトを経て、250MW級のIGCC実証プラントプロジェクトを推進した。この実証プラントプロジェクトは、電力共同出資により設立された(株)クリーンコールパワー研究所が実施主体となって進められ、福島県いわき市の常磐共同火力(株)勿来発電所構内で、2007年度から2012年度まで実証試験運転を行なった。現在、常磐共同火力(株)により商用運転されている。
日本では全く進まない電力自由化である。当然だろうと思うが、電力は豊富にあるに限る。問題は発電能力と維持管理、現状の方法では電線が共通とはいえ、太陽光発電などは心もとないし、何より電力を貯める技術が不足している。
記事は、クリーン石炭技術が石炭のクリーンかつ高効率な利用技術の総称であり、洗浄、選別、加工、燃焼、煙の浄化、汚染物制御など一連の技術が含まれると説明。日本では1980年には早くもクリーン石炭や新エネルギー技術の研究開発を行う機関ができ、95年にはクリーン石炭技術センターが作られ、巨額の研究投資が行われて卓越した成果を挙げてきたと紹介した。 また、2008年には日本政府が「クールアース・エネルギー革新技術計画」を始動し、そこには超臨界圧技術、石炭ガス化複合発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電技術(IGFC)などの高効率石炭発電技術や二酸化炭素の捕捉・密封技術が盛り込まれたとした。
さらに、14年に内閣が発表した新しいエネルギー基本計画において石炭が「ベースロード電源」の1つに位置付けられ、古い発電所の最新型への改造技術推進、IGCC技術開発強化が提起されこと、2020年にIGCC技術を、25年にIGFC技術を掌握するというロードマップを示し、関連研究への資金援助など様々な優遇政策を打ちだしていることを伝えた。
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そのうえで、日本が大々的に進めるクリーン石炭技術の発展は、石炭が一次エネルギー消費の3分の2を占める中国におって「多くの啓示を与える」ものであると解説。国家戦略化している日本の技術や政策の多くが「学ぶに値する」としている。そして、カーボンオフセットなどによって石炭消費の全体量を制御し、石炭の減産を実現すると同時に、クリーン石炭の発展戦略と技術革新ロードマップを速やかに制定、技術を普及させる必要があると論じている。
中国における大気汚染で大きな元凶とされている石炭エネルギー。しかしその問題点は石炭を使うこと自体ではなく、質や純度の低い、低効率な石炭をそのまま使用し、なおかつ排気ガスを浄化するなどの汚染制御に対する意識と技術が不足しているところにあるようだ。過剰生産を止め、化石燃料や太陽光、原子力にエネルギーの割合を分散させたとしても、石炭の使用を完全に停止することは少なくとも近い将来には考えられない。となればやはりここは、記事の指摘通り日本が培ってきたクリーン石炭技術とその戦略について、真摯に学ぶべきだろう。
サーチナ (編集担当:今関忠馬)
http://news.searchina.net/id/1606256?page=1
【管理人 補足記事&コメント】
石炭は、他の化石燃料に比べて、埋蔵量が豊富で地域的偏在性が低いという特徴を持つことから、重要なエネルギー源と位置付けられています。しかし、石炭は石油や天然ガスに比べて、発熱量当たりの二酸化炭素発生量が多いことなどから、地球環境問題への対応が求められいる。石炭をクリーンに利用する発電技術として、高効率で環境性に優れた石炭ガス化複合発電(IGCC)の開発が国内外で行われている。
我が国では、電力会社が一丸となって、他に例の無い空気吹き二段噴流床石炭ガス化技術を用いた高効率なIGCCの開発を進めている。1986年度から開始された、石炭処理量200トン/日規模のパイロットプラントプロジェクトを経て、250MW級のIGCC実証プラントプロジェクトを推進した。この実証プラントプロジェクトは、電力共同出資により設立された(株)クリーンコールパワー研究所が実施主体となって進められ、福島県いわき市の常磐共同火力(株)勿来発電所構内で、2007年度から2012年度まで実証試験運転を行なった。現在、常磐共同火力(株)により商用運転されている。
日本では全く進まない電力自由化である。当然だろうと思うが、電力は豊富にあるに限る。問題は発電能力と維持管理、現状の方法では電線が共通とはいえ、太陽光発電などは心もとないし、何より電力を貯める技術が不足している。
≪ 高齢化進む韓国の労働者…50歳以上が若年層を上回る | HOME | 中国で高まる日本製品の評価、なぜ日本で「匠の精神」が存在し得たのか ≫
ど素人で何にも分かりませんが
エネルギーの話には興味があります。特にIGCC、IGFC、GTCCなどの話しはワクワクしますね。インドに造ると言う発電所にもこれらの何れかが使われるのでしょうか?
なんでも熱効率が高いばかりでなく、CO2を分離回収する技術も在るんだとか、旗振り役はNEDOなのかな? 世界中に普及させたいですね。
燃焼ガスを発生させる炉などは、中国に作れる代物なんでしょうか? チラと調べただけでも相当な高温・高圧に耐える必要がありそうな気がしますが、原子炉の圧力容器などと同じく、日本製鋼所の独壇場みたいなら素敵だなぁと思います。
なんでも熱効率が高いばかりでなく、CO2を分離回収する技術も在るんだとか、旗振り役はNEDOなのかな? 世界中に普及させたいですね。
燃焼ガスを発生させる炉などは、中国に作れる代物なんでしょうか? チラと調べただけでも相当な高温・高圧に耐える必要がありそうな気がしますが、原子炉の圧力容器などと同じく、日本製鋼所の独壇場みたいなら素敵だなぁと思います。
[ 2016/03/31 20:58 ]
[ 編集 ]
正気なのかと思いました
石炭火力発電所の排ガス処理に、超高性能で超高コストな電気集塵装置、脱硫装置、脱硝装置、さらには排水処理装置までつけるというのですから、会社は正気なのかと当時は思いましたね。
しかし、日本の経営層の判断は正しかったんですね。日本の青い空、きれいな水を取り戻し、あるいは保ったのですから。
当時、中国からの留学生と話す機会があり、彼は嘆いていました。
日本からの経済援助で、排煙脱硫装置を設置した石炭火力発電所があったそうです。
そこでは、日本からの視察の時だけ脱硫装置を運転し、普段は停止していると言っていました。
やはり、トップの判断は大切ですね。
しかし、日本の経営層の判断は正しかったんですね。日本の青い空、きれいな水を取り戻し、あるいは保ったのですから。
当時、中国からの留学生と話す機会があり、彼は嘆いていました。
日本からの経済援助で、排煙脱硫装置を設置した石炭火力発電所があったそうです。
そこでは、日本からの視察の時だけ脱硫装置を運転し、普段は停止していると言っていました。
やはり、トップの判断は大切ですね。
[ 2016/03/31 21:57 ]
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