日系ビールが中国でダメだった理由
日本のビール大手・アサヒグビールがこのほど保有する青島ビールの全株式の売却を検討し始めたとのニュースが、ビール業界に日系ビールの中国での現状を改めて考えさせることになった。北京で小売の現場をのぞくと、日系ビールを置いているスーパーは少なく、消費者の購入率もずっと低いままで、外食で飲めるのは日本料理店くらいだ。業界の専門家は、「ビールの特徴や口当たりということでいえば、日系ビールは中国産ビールとそれほどはっきりした違いがあるわけではなく、競争における優位性が弱い。また、日系ビールは中国で発展を模索する中で合併買収(M&A)の窓口期を見過ごしてしまい、欧米ブランドや中国ブランドにより徐々に隅に追いやられていった」と指摘する。
消費量世界一とされる中国ビール市場で、日系ビールは思うような発展を遂げられずにいる。北京で小売現場をのぞくと、日系ビールを置いているスーパーは少数で、カルフール方荘店にはアサヒビールしかなかった。外食ルートでは、主に日本料理店に卸されている。
日系ビールのスーパーや外食での状況と対応するのは、日系ビールメーカーの中国業務の持続的な縮小だ。たとえばアサヒビールは保有する青島ビールの全株式を売却しようとしている。同じく日系ビールメーカーのキリンビールも中国市場で思うような発展を遂げていない。データをみると、世界のビール市場では、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)とSABミラーが合併してシェアが30%を超えたのに対し、アサヒのシェアは2%、キリンは1%だ。これについてビールの専門家・方剛(ファン・ガン)氏は、「日系ビールはもともと世界規模での競争力が高くはなく、中国市場ではさらに競争できる可能性が低く、基本的に中国市場から撤退したと言っていい」と指摘する。
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調査でわかったのは、日系ビールの販売不振は価格の高さと直接関係があるということだ。カルフールの店員によると、「輸入ビールでは、ドイツとベルギーの製品の売り上げが好調で、価格は5〜10元(約85〜170円)に集中する。一方、アサヒのスーバードライ・ドライブラックは1瓶が14.8元(約252円)で、購入率は低い」という。また、日本料理店でアサヒやキリンを飲むと1瓶で30元(約510円)くらいする。和食バイキング・東田之村では、198元(約3300円)コースでは青島ビールと雪花ビールしか飲めず、298元(約5000円)のコースを頼まなければアサヒとキリンは出てこない。
実際、日系ビールはいずれも中国市場を喉から手が出るほどほしがっているが、真の急成長は達成できていない。一方、ABインベブとカールスバーグは都市や地域を攻略するやり方で中国市場の陣地を迅速に固めていった。公開された資料によると、インベブは中国市場の東部での発展に集中し、ABは東北での業務に集中した。2008年に両社が合併すると、中国ビール企業上位5位に入った。その後、ABインベブは中国市場でM&Aを続け、カールスバーグも拉薩(ラサ)ビール、新疆ビール、蘭州黄河、寧夏ビールなどへの相次ぐ投資により、最終的に重慶ビールの買収に成功し、中国西部のビール市場で版図を広げた。
http://www.recordchina.co.jp/
実際、2013年度の中国の酒類年間生産量を見ると、ビールは約5000万klと断トツで、白酒は1200万kl強、紹興酒は150万kl弱と遠く及びません。しかも、5000万klという数字は世界のビール総生産量(※1)の4分の1! まさに“世界最大のビール大国”にふさわしい結果と言える。かつて中国のビールといえば、1903年に山東省の青島で誕生した中国で最も歴史ある「青島(チンタオ)ビール」が圧倒的な存在感でした。それが、猛烈な低価格戦略とM&A(合併・買収)で急成長した「雪花(シュエホァ)ビール」に、2006年に首位の座を奪われ、それ以来業界第2位となっている。
さらに、2011年にはバドワイザーなどで知られる外資の「百威英博(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)」が業界第3位に躍進。それまでは、雪花ビールと青島ビールに、北京の地ビール「燕京(イエンジン)ビール」で“御三家”といわれていたが、その勢力図はここ数年で大きく変わった。 現在は御三家に、百威英博と嘉士伯(カールスバーグ)の外資2社が加わり“5強”と呼ばれるようになっています。2013年度の順位はトップから雪花、青島、百威英博、燕京、嘉士伯となっており、5強の生産量で中国全国の75%を占有、80%越えも間近だと言われている。
消費量世界一とされる中国ビール市場で、日系ビールは思うような発展を遂げられずにいる。北京で小売現場をのぞくと、日系ビールを置いているスーパーは少数で、カルフール方荘店にはアサヒビールしかなかった。外食ルートでは、主に日本料理店に卸されている。
日系ビールのスーパーや外食での状況と対応するのは、日系ビールメーカーの中国業務の持続的な縮小だ。たとえばアサヒビールは保有する青島ビールの全株式を売却しようとしている。同じく日系ビールメーカーのキリンビールも中国市場で思うような発展を遂げていない。データをみると、世界のビール市場では、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)とSABミラーが合併してシェアが30%を超えたのに対し、アサヒのシェアは2%、キリンは1%だ。これについてビールの専門家・方剛(ファン・ガン)氏は、「日系ビールはもともと世界規模での競争力が高くはなく、中国市場ではさらに競争できる可能性が低く、基本的に中国市場から撤退したと言っていい」と指摘する。
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調査でわかったのは、日系ビールの販売不振は価格の高さと直接関係があるということだ。カルフールの店員によると、「輸入ビールでは、ドイツとベルギーの製品の売り上げが好調で、価格は5〜10元(約85〜170円)に集中する。一方、アサヒのスーバードライ・ドライブラックは1瓶が14.8元(約252円)で、購入率は低い」という。また、日本料理店でアサヒやキリンを飲むと1瓶で30元(約510円)くらいする。和食バイキング・東田之村では、198元(約3300円)コースでは青島ビールと雪花ビールしか飲めず、298元(約5000円)のコースを頼まなければアサヒとキリンは出てこない。
実際、日系ビールはいずれも中国市場を喉から手が出るほどほしがっているが、真の急成長は達成できていない。一方、ABインベブとカールスバーグは都市や地域を攻略するやり方で中国市場の陣地を迅速に固めていった。公開された資料によると、インベブは中国市場の東部での発展に集中し、ABは東北での業務に集中した。2008年に両社が合併すると、中国ビール企業上位5位に入った。その後、ABインベブは中国市場でM&Aを続け、カールスバーグも拉薩(ラサ)ビール、新疆ビール、蘭州黄河、寧夏ビールなどへの相次ぐ投資により、最終的に重慶ビールの買収に成功し、中国西部のビール市場で版図を広げた。
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実際、2013年度の中国の酒類年間生産量を見ると、ビールは約5000万klと断トツで、白酒は1200万kl強、紹興酒は150万kl弱と遠く及びません。しかも、5000万klという数字は世界のビール総生産量(※1)の4分の1! まさに“世界最大のビール大国”にふさわしい結果と言える。かつて中国のビールといえば、1903年に山東省の青島で誕生した中国で最も歴史ある「青島(チンタオ)ビール」が圧倒的な存在感でした。それが、猛烈な低価格戦略とM&A(合併・買収)で急成長した「雪花(シュエホァ)ビール」に、2006年に首位の座を奪われ、それ以来業界第2位となっている。
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