日本が南シナ海にこだわる理由
12日、南シナ海の領有権をめぐってハーグ国際仲裁裁判所が下した判決に最も鼓舞された国は、第3者である日本だった。日本政府は同日の判決が公開されると、直ちに外相談話を発表し「仲裁裁判所の判断は最終的なもので、(国際紛争を)法的に拘束するものである。当事国は今回の判断に従う必要がある」と宣言した。
日本政府が今回の決定に迅速に反応し、中国に「判断に従うこと」を要求したのは、南シナ海問題を中国の今後の対外政策を見極める試金石と見なしているからだ。
日本は、日中関係を「戦略的互恵関係」と表現し、対中関係を安定的に管理することを最も重要な外交目標としている。外務省のある幹部はハンギョレの取材に対し、日本の対中政策を「私たち(日本)も中国との関係を発展させていくことを望んでいる。
しかし、両国の間には歴史や領土問題などでなかなか埋められない溝がある。だから『戦略的』という用語を使用する」と説明していた。今よりさらに強くなった中国が、南シナ海でフィリピンとベトナムに見せてきた傍若無人な態度を、日中が領土権争いをしている東シナ海でも繰り返すのではないかと懸念しているのだ。
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また、米中が鋭く対立している南シナ海は、米国が日本に「集団的自衛権」を行使し、軍事的な役割を分担することを求めている地域でもある。米国の外交・安保分野のシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)は2012年8月に発表した第3次「アーミテージ・ナイレポート」で、日本が安保問題で今より「責任の範囲をさらに拡大すべき」と主張し、その具体的な任務として、ホルムズ海峡における機雷の除去、南シナ海の共同監視の二つを挙げた。実際に、安倍政権は昨年4月、南シナ海に準空母「いせ」を派遣し、対潜哨戒機P3Cを出動させるなど、米国の要求に応えるのに尽力している。
韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/international/24625.html
【管理人 補足記事&コメント】
日本経済新聞は、国連の裁判所が12日、中国の主張する南シナ海の領有権を無効とする判断を下したことで、中国は国際舞台で存在感を高めていくうえで重大な時を迎えた。焦点は中国が国際法の判断を受け入れるのか、あるいは国益に資する場合にだけ受け入れるかどうかだとし、社説を掲載した。
国連がオランダ・ハーグに置く仲裁裁判所の判決は、世界の海洋利用に関する各国の権利と責任を定めた国連海洋法条約(UNCLOS)の下で拘束力を持つ。中国は条約締結国として判決に従うべきだ。従わなければ、通商や環境、政治、防衛に関する多数の条約に基づく国際体制の中で、信頼が傷つくことになる。
判決を無視すれば、中国は力による国際問題の解決を第一に考えているというメッセージを世界に送ることになる。中国はすでに判決が無謀で不当だと批判している。だが、中国はならず者国家などではなく、むしろ不当な裁判からUNCLOSを守ろうとしてきたのだという答弁は、およそ重みを持たない。審理にあたった5人の仲裁人が全員一致で判断した。今回の判決が最終となる。
フィリピンが2013年に申し立てた仲裁裁判の判決のポイントは、中国が独自に設定した境界線で、南シナ海の約85%を占める「九段線」内の資源保有権を持たないという点だ。加えて仲裁裁判所はベトナムやマレーシアなども領有権を主張する南沙(英語名スプラトリー)諸島について、人が住んで経済的な生活を送っていないと判断した。つまり、周辺国は沿岸200カイリの排他的経済水域(EEZ)を設定できないということだ。
中国は予想通り強硬な反応を示した。外務省は12日、判決は「無効で拘束力はない」と宣言した。一方、国防省は国家主権と海洋権益を守るため、いかなる種類の威嚇と挑戦にも対処すると表明した。国としてのプライドを傷つけられたことで中国政府が軍事力の誇示に走り、南シナ海の航行の自由を守ると宣言した米海軍と衝突する危険が高まる事態になりかねない。
世界の国々はこの問題の意味するところを完全に理解する必要がある。対応を誤れば、現在の超大国と将来の超大国との戦争が現実味を帯びてくる。南シナ海は中国と米国が対立する舞台だ。そこでの行動は世界中に余波を広げる。この係争地域で領土と資源を追い求めれば、通商上の主要相手国に対し大きな代償を払わなければならないことを中国にわからせる必要がある。
日本政府が今回の決定に迅速に反応し、中国に「判断に従うこと」を要求したのは、南シナ海問題を中国の今後の対外政策を見極める試金石と見なしているからだ。
日本は、日中関係を「戦略的互恵関係」と表現し、対中関係を安定的に管理することを最も重要な外交目標としている。外務省のある幹部はハンギョレの取材に対し、日本の対中政策を「私たち(日本)も中国との関係を発展させていくことを望んでいる。
しかし、両国の間には歴史や領土問題などでなかなか埋められない溝がある。だから『戦略的』という用語を使用する」と説明していた。今よりさらに強くなった中国が、南シナ海でフィリピンとベトナムに見せてきた傍若無人な態度を、日中が領土権争いをしている東シナ海でも繰り返すのではないかと懸念しているのだ。
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また、米中が鋭く対立している南シナ海は、米国が日本に「集団的自衛権」を行使し、軍事的な役割を分担することを求めている地域でもある。米国の外交・安保分野のシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)は2012年8月に発表した第3次「アーミテージ・ナイレポート」で、日本が安保問題で今より「責任の範囲をさらに拡大すべき」と主張し、その具体的な任務として、ホルムズ海峡における機雷の除去、南シナ海の共同監視の二つを挙げた。実際に、安倍政権は昨年4月、南シナ海に準空母「いせ」を派遣し、対潜哨戒機P3Cを出動させるなど、米国の要求に応えるのに尽力している。
韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/international/24625.html
【管理人 補足記事&コメント】
日本経済新聞は、国連の裁判所が12日、中国の主張する南シナ海の領有権を無効とする判断を下したことで、中国は国際舞台で存在感を高めていくうえで重大な時を迎えた。焦点は中国が国際法の判断を受け入れるのか、あるいは国益に資する場合にだけ受け入れるかどうかだとし、社説を掲載した。
国連がオランダ・ハーグに置く仲裁裁判所の判決は、世界の海洋利用に関する各国の権利と責任を定めた国連海洋法条約(UNCLOS)の下で拘束力を持つ。中国は条約締結国として判決に従うべきだ。従わなければ、通商や環境、政治、防衛に関する多数の条約に基づく国際体制の中で、信頼が傷つくことになる。
判決を無視すれば、中国は力による国際問題の解決を第一に考えているというメッセージを世界に送ることになる。中国はすでに判決が無謀で不当だと批判している。だが、中国はならず者国家などではなく、むしろ不当な裁判からUNCLOSを守ろうとしてきたのだという答弁は、およそ重みを持たない。審理にあたった5人の仲裁人が全員一致で判断した。今回の判決が最終となる。
フィリピンが2013年に申し立てた仲裁裁判の判決のポイントは、中国が独自に設定した境界線で、南シナ海の約85%を占める「九段線」内の資源保有権を持たないという点だ。加えて仲裁裁判所はベトナムやマレーシアなども領有権を主張する南沙(英語名スプラトリー)諸島について、人が住んで経済的な生活を送っていないと判断した。つまり、周辺国は沿岸200カイリの排他的経済水域(EEZ)を設定できないということだ。
中国は予想通り強硬な反応を示した。外務省は12日、判決は「無効で拘束力はない」と宣言した。一方、国防省は国家主権と海洋権益を守るため、いかなる種類の威嚇と挑戦にも対処すると表明した。国としてのプライドを傷つけられたことで中国政府が軍事力の誇示に走り、南シナ海の航行の自由を守ると宣言した米海軍と衝突する危険が高まる事態になりかねない。
世界の国々はこの問題の意味するところを完全に理解する必要がある。対応を誤れば、現在の超大国と将来の超大国との戦争が現実味を帯びてくる。南シナ海は中国と米国が対立する舞台だ。そこでの行動は世界中に余波を広げる。この係争地域で領土と資源を追い求めれば、通商上の主要相手国に対し大きな代償を払わなければならないことを中国にわからせる必要がある。
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