韓国の若者の就職難、韓国中小企業の求人難

韓国南東部の大邱に工場を置く中小企業、韓国トキメックは昨年、従業員7人を採用しました。また、今年に入ってからも3人を新たに採用しました。同社の従業員数は2009年には90人でしたが、今では125人に増えました。人数上では35人増えただけですが、増加率は実に38％に達します。フォークリフトなどのパワーをコントロールする部品である油空圧機器を製造する同社は、わずかずつながら毎年成長している中小企業です。

中小企業中央会が25日に発表した統計を見ると、韓国の雇用市場に中小企業が占める比重の大きさが分かります。韓国国内の労働者数1596万3000人のうち、中小企業に勤務する人は1402万8000人です。約10人に9人（87.9％）が中小企業で働き、生計を立てているのです。　ここ6－7年の間に増えた雇用も、大半は中小企業が生み出したものです。2009年から14年にかけ計256万4000人の雇用が新たに生じましたが、このうち88.8％に当たる227万8000人の雇用が中小企業により創出されました。

しかし、大企業と中小企業の二極化は進む一方です。中小企業労働者の平均月給は15年が294万ウォン（約27万円）で、依然として大企業（485万ウォン＝約45万円）の60.6％にとどまっています。09年（61.4％）に比べ、むしろ開きが大きくなっているのです。中小企業の労働者からは「中小企業で10年働いた人よりも大企業の新入社員の方が月給が高いのに、誰が中小企業に就職しようとするものか」と自嘲めいた声も聞こえてきます。

スポンサードリンク

韓国社会は今、史上最悪といえる若者の就職難に直面していますが、中小企業は働いてくれる若者がいないと求人難を訴えています。若者の働き手があふれているにもかかわらず求人が難しい理由の一つが、大企業と中小企業の二極化現象ではないでしょうか。バランスの取れた経済発展と雇用創出を実現するには、政府と大企業が中小企業と共に成長できるさまざまな共生モデルを生み出していくべきでしょう。全労働者の9割が貧しいのに大企業だけが成長している状況は、持続可能な成長モデルとは言えません。
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/05/27/2016052701936.html

【管理人補足記事＆コメント】一方データーは古いのだが統計庁の経済総調査（２０１０年基準）によると、宿泊・飲食店の場合、従業員は１７６万６０００人で全体の10％水準だが、売上高は全体の１・８％に過ぎなかった。それだけ４人以下の零細企業が多いことを意味する。全国の宿泊・飲食店63万４５００店のうち、４人以下の事業体は全体の91％に達したとしている。

全国の事業体数をみると、卸・小売業が87万７０００店（26・１％）で最も多かった。百貨店、大型割引店、コンビニエンスストア、町内の商店などがすべて含まれたためだ。小売事業体61万６５００店のうち、６・１％（３万７８９９店）はフランチャイズ加盟業者だった。特に、飲食店と居酒屋58万６２９７店のうち、14・６％（８万５４３０店）がフランチャイズ加盟店だった。

製造業の生産品目（２６００余個）のうち、最も高い売上高を記録したのは軽油（32兆２５２０億ウォン）だった。軽油の場合、２０１０年初めに１㍑＝６１０・38ウォンだった国際原油価格が年末に７４８・51ウォンへ急騰したうえ、ここ数年の厳冬のために暖房用軽油の消費が増えたためだ。　軽油に次いで、テレビ用ＬＣＤ（液晶ディスプレー）29兆８９１０億ウォン、携帯電話23兆５６５０億ウォンが続いた。　製造業の事業体で最も多い品目は、餅だった。全国に９７４２の餅屋があり、年平均売上は５２００万ウォンを記録した。

韓国国内の労働者数1596万3000人のうち、中小企業に勤務する人は1402万8000人。約10人に9人（87.9％）が中小企業で働き、生計を立てている。年収でいうと324万円になるが…。大手企業の平均年収は540万円となる。多すぎだろう。どういう計算なのか…。

2000大企業(売上高基準)社員の昨年の平均年俸は4730万ウォン(440万円)と調査されている。
http://kankoku-keizai.jp/blog-entry-32155.html
2000社大企業の平均年収が440万円。しかし中小企業は大企業の５０％規模であるから、単純に220万円程度。６０％としても262万円でしかないが…。しかし９０％は中小企業で生計を立てているという実態は理解しているようだ。全労働者の9割が貧しいのに大企業だけが成長している状況は、持続可能な成長モデルとは言えません。というが、成長しているのは上位のわずかな企業でしかないが…。