下がることを知らない中国の不動産価格
中国の不動産価格は一部で「バブル」といわれながら、値上がりが止まらない。大和総研金融調査部の研究員、中田理惠氏は5月30日に「上がり続ける不動産価格と政府の土地依存」と題したレポート(全2ページ)を発表し、中国の不動産価格が上がり続けるメカニズムについて考察している。レポートの要旨は以下の通り。中国の不動産価格はなぜ上がり続けるのだろうか? 直近の約20年間では、価格の上昇速度が鈍ることはあっても、大幅に下がることはほとんどなかったことが分かる。上昇を続ける不動産価格の背景には中国経済の目覚ましい発展や都市の人口増加も関係しているが、地方政府の土地依存もその一つであろう。
中国の地方政府の財政収入は大きく2つに分けることができる。一つは予算収入であり、地方政府自体の収入(税収等)と中央政府からの資金(補助金、税収返還等)からなる。もう一つは地方政府性基金収入(以下、基金収入)であり、土地の使用権の売却益(以下、土地売却益)等が主な構成要素である。2015年における地方政府の収入は予算収入と基金収入合わせて17.8兆元(335.7兆円 2015年末時点為替レート1元=18.895円換算)であった。うち土地売却益は3.1兆元(58.2兆円)あり、17.3%を占める。この土地売却益は中央政府からの移転資金よりも使途に自由があり、地方政府の債務の返済の原資にも充てられているといわれている。土地は地方政府の財政を支える重要な資産となっている可能性が高い。
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ここで問題となるのが、地方政府の土地売却価格は当然ながら周辺の不動産価格と連動することだ。周辺の不動産価格が下がれば、地方政府の土地売却益も減少し、債務の返済が困難となる地方政府が出てくる可能性もある。このため、これまで地方政府は中国特有の土地国有制度によって土地の供給をコントロールすることができ、ある程度土地の売却価格を管理してきたとされている。
http://biz.searchina.net/
【管理人 補足記事&コメント】
昨年日本経済新聞は、前年比でみた上昇幅は上海近郊の合肥が47%、深圳が34%、北京が30%。前月比の上昇幅も北京(4.9%)や上海(3.2%)のほか、無錫(8.2%)、鄭州(7.6%)、杭州(5.5%)などが大きく値上がりした。北京中心部では面積80平方メートルで1千万元(約1億5千万円)のマンションは珍しくないと報じている。また米調査会社によると、深圳のマンションの平均価格は住民の平均年収の70倍。3~6倍が正常とされ、庶民にはとても手が届かない。中国の不動産大手、大連万達集団の王健林董事長は9月、米CNNの取材で「中国の不動産は人類市場最大のバブル」と語っている。
高騰に危機感を募らせた地方政府は昨年9月末から建国を祝う10月初めの連休にかけて相次いで不動産の購入制限策を導入。不動産を購入する際の頭金比率の引き上げが柱だ。特に2軒目以降の購入は同比率を4~5割超に上げた。統計局の盛来運報道官は「不動産投資や投機に狙いを絞った抑制策」とみる。統計局は今回、通常は出さない昨年10月中旬の価格をわざわざ公表した。前月比の上昇幅は北京で1.2%、上海で0.7%、無錫で4.4%と9月より縮まり、深圳や成都はわずかに下落した。不動産仲介大手、中原地産の張大偉首席アナリストは「抑制策で不動産取引が減少した。今後は政府のコントロールの下で値上がり幅が縮小していく」と分析する。
昨年大都市の数か所で不動産価格崩壊が発生したわけだが、幽霊都市は誰も住まないで古くなり、立て直しもできずにあちらこちらに存在している。中国政府にとっても不動産価格の調整つかずで、限界点にあるのも事実。だが、不動産崩壊となれば、中国経済とともに崩壊するわけで、韓国経済も不動産がにぎっているわけで、不動産が崩壊しシャドーバイキングが倒産すれば大事では済まないだろう。まして環境汚染が進み、購入しても住まない、不動産転がしにも限界はある。
不動産が高騰しやすい理由として、中国人の資産運用手段が限られる事にある。中国人民銀行が預金金利を昨年自由化したが、銀行経営を支えるため金利規制を事実上復活している。海外の株式も買えない。国内の株式も一昨年夏の上海市場の暴落で多くの個人が痛手を受けた。不動産以外にめぼしい投資先が見当たらない中、景気下支えを狙った金融緩和であふれたマネーが不動産に流れ込むわけで、北京や上海では銀行に融資審査の証拠書類を多く集めさせるなどしてリスクを注視しているというが…。
中国の地方政府の財政収入は大きく2つに分けることができる。一つは予算収入であり、地方政府自体の収入(税収等)と中央政府からの資金(補助金、税収返還等)からなる。もう一つは地方政府性基金収入(以下、基金収入)であり、土地の使用権の売却益(以下、土地売却益)等が主な構成要素である。2015年における地方政府の収入は予算収入と基金収入合わせて17.8兆元(335.7兆円 2015年末時点為替レート1元=18.895円換算)であった。うち土地売却益は3.1兆元(58.2兆円)あり、17.3%を占める。この土地売却益は中央政府からの移転資金よりも使途に自由があり、地方政府の債務の返済の原資にも充てられているといわれている。土地は地方政府の財政を支える重要な資産となっている可能性が高い。
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ここで問題となるのが、地方政府の土地売却価格は当然ながら周辺の不動産価格と連動することだ。周辺の不動産価格が下がれば、地方政府の土地売却益も減少し、債務の返済が困難となる地方政府が出てくる可能性もある。このため、これまで地方政府は中国特有の土地国有制度によって土地の供給をコントロールすることができ、ある程度土地の売却価格を管理してきたとされている。
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【管理人 補足記事&コメント】
昨年日本経済新聞は、前年比でみた上昇幅は上海近郊の合肥が47%、深圳が34%、北京が30%。前月比の上昇幅も北京(4.9%)や上海(3.2%)のほか、無錫(8.2%)、鄭州(7.6%)、杭州(5.5%)などが大きく値上がりした。北京中心部では面積80平方メートルで1千万元(約1億5千万円)のマンションは珍しくないと報じている。また米調査会社によると、深圳のマンションの平均価格は住民の平均年収の70倍。3~6倍が正常とされ、庶民にはとても手が届かない。中国の不動産大手、大連万達集団の王健林董事長は9月、米CNNの取材で「中国の不動産は人類市場最大のバブル」と語っている。
高騰に危機感を募らせた地方政府は昨年9月末から建国を祝う10月初めの連休にかけて相次いで不動産の購入制限策を導入。不動産を購入する際の頭金比率の引き上げが柱だ。特に2軒目以降の購入は同比率を4~5割超に上げた。統計局の盛来運報道官は「不動産投資や投機に狙いを絞った抑制策」とみる。統計局は今回、通常は出さない昨年10月中旬の価格をわざわざ公表した。前月比の上昇幅は北京で1.2%、上海で0.7%、無錫で4.4%と9月より縮まり、深圳や成都はわずかに下落した。不動産仲介大手、中原地産の張大偉首席アナリストは「抑制策で不動産取引が減少した。今後は政府のコントロールの下で値上がり幅が縮小していく」と分析する。
昨年大都市の数か所で不動産価格崩壊が発生したわけだが、幽霊都市は誰も住まないで古くなり、立て直しもできずにあちらこちらに存在している。中国政府にとっても不動産価格の調整つかずで、限界点にあるのも事実。だが、不動産崩壊となれば、中国経済とともに崩壊するわけで、韓国経済も不動産がにぎっているわけで、不動産が崩壊しシャドーバイキングが倒産すれば大事では済まないだろう。まして環境汚染が進み、購入しても住まない、不動産転がしにも限界はある。
不動産が高騰しやすい理由として、中国人の資産運用手段が限られる事にある。中国人民銀行が預金金利を昨年自由化したが、銀行経営を支えるため金利規制を事実上復活している。海外の株式も買えない。国内の株式も一昨年夏の上海市場の暴落で多くの個人が痛手を受けた。不動産以外にめぼしい投資先が見当たらない中、景気下支えを狙った金融緩和であふれたマネーが不動産に流れ込むわけで、北京や上海では銀行に融資審査の証拠書類を多く集めさせるなどしてリスクを注視しているというが…。
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