東芝メモリ買収で2兆円、15日までに再譲歩案提示へ
東芝のメモリー事業売却を巡り、合弁相手で他社への売却に反対してきた米ウエスタンデジタル(WD)が、追加的な譲歩を含む買収案を15日までに再提示する計画であることが分かった。株式での出資を断念するほか、産業革新機構を軸とする日米連合としての買収額を2兆円に引き上げる方針だ。
事情に詳しい関係者によると、WDは米投資ファンドや革新機構、日本政策投資銀行と協議の上、提示する。WDは株式取得をあきらめ数千億円規模の社債購入などで資金を提供する方針だ。9日のスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)と東芝の綱川智社長との協議不調を受け、矢継ぎ早に再譲歩に踏み切る。WDは同社の同意なしでメモリー事業を第三者に売却することは合弁契約に違反するとして国際仲裁裁判所に申し立て、東芝は対応措置に出るなど対立が先鋭化してきた。しかし、有力売却先の米ブロードコムが2兆2000億円を示す中、経営権取得などを主張し、買収提示額も低かったWDは急きょ譲歩に動き出した。
別の関係者によると、ミリガンCEOは9日の綱川社長との会談で、米投資ファンド、革新機構、政投銀の日米連合に合流し同陣営を前提とした買収案を提示。この中で①WDの出資は転換社債とする②従来案より買収価格を引き上げる③買収資金は来年3月までに払い込むーーなどの譲歩案を伝えた。これまでWDは1兆5000億円、日米連合は1兆8000億円を示していた。
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その席では、東芝側から買収額が2兆円に届かないことなどへの不満が示されたという。一方、東芝幹部は9日夜、WDとの交渉について、WDは各国の独占禁止法の審査が通りやすくなるような譲歩案を示したものの、大きな進展はなかったとの認識を明らかにしていた。 債務超過解消のため4月に分社した東芝メモリ売却の2次入札では、米投資ファンドのKKR、米半導体のブロードコムが有力候補に浮上。他に台湾の鴻海精密工業、米ファンドのベインキャピタルの4陣営が応札した。革新機構や政投銀がKKRと組むことなどを模索していたが、WDとの対立が障害になっている。
https://www.bloomberg.co.jp/
【管理人 補足記事&コメント】
ミリガンCEOは米投資ファンド、革新機構、日本政策投資銀行、WDの4社連合としての買収案を提示。この中で①WDの出資は転換社債とする②従来案より買収価格を引き上げる③買収資金は来年3月までに払い込む…などの案を伝えたという。経営権の取得は断念したもようだ。9日の時点では、従来の買収提案でWDは経営権の取得を目指す一方、買収金額は米ブロードコムなど他の応札者に比べて低い1兆5000億円を提示。ファンドや革新機構の連合は1兆8000億円を示していた。
東芝は今月15日にも取締役会を開き、半導体メモリー事業売却への優先交渉先を選定する見通しだという。5月19日に締め切った2次入札では、米半導体大手ブロードコムが応札。官民ファンドの産業革新機構(INCJ)を軸に、WDが合流する日米連合も検討の対象になっている。金額面で好条件を示すブロードコムが優勢との声も一部にはある。一方で、産業革新機構(INCJ)、米ウエスタンデジタル(WD)(WDC.O)などを軸とした日米連合とは別に、米プライベート・エクイティ・ファンドのベイン・キャピタルが日米合同の入札を模索、INCJと協議したことも判明している。べインは当初、韓国の半導体メーカー、SKハイニックス)と組んで入札に参加していた。
事情に詳しい関係者によると、WDは米投資ファンドや革新機構、日本政策投資銀行と協議の上、提示する。WDは株式取得をあきらめ数千億円規模の社債購入などで資金を提供する方針だ。9日のスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)と東芝の綱川智社長との協議不調を受け、矢継ぎ早に再譲歩に踏み切る。WDは同社の同意なしでメモリー事業を第三者に売却することは合弁契約に違反するとして国際仲裁裁判所に申し立て、東芝は対応措置に出るなど対立が先鋭化してきた。しかし、有力売却先の米ブロードコムが2兆2000億円を示す中、経営権取得などを主張し、買収提示額も低かったWDは急きょ譲歩に動き出した。
別の関係者によると、ミリガンCEOは9日の綱川社長との会談で、米投資ファンド、革新機構、政投銀の日米連合に合流し同陣営を前提とした買収案を提示。この中で①WDの出資は転換社債とする②従来案より買収価格を引き上げる③買収資金は来年3月までに払い込むーーなどの譲歩案を伝えた。これまでWDは1兆5000億円、日米連合は1兆8000億円を示していた。
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その席では、東芝側から買収額が2兆円に届かないことなどへの不満が示されたという。一方、東芝幹部は9日夜、WDとの交渉について、WDは各国の独占禁止法の審査が通りやすくなるような譲歩案を示したものの、大きな進展はなかったとの認識を明らかにしていた。 債務超過解消のため4月に分社した東芝メモリ売却の2次入札では、米投資ファンドのKKR、米半導体のブロードコムが有力候補に浮上。他に台湾の鴻海精密工業、米ファンドのベインキャピタルの4陣営が応札した。革新機構や政投銀がKKRと組むことなどを模索していたが、WDとの対立が障害になっている。
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ミリガンCEOは米投資ファンド、革新機構、日本政策投資銀行、WDの4社連合としての買収案を提示。この中で①WDの出資は転換社債とする②従来案より買収価格を引き上げる③買収資金は来年3月までに払い込む…などの案を伝えたという。経営権の取得は断念したもようだ。9日の時点では、従来の買収提案でWDは経営権の取得を目指す一方、買収金額は米ブロードコムなど他の応札者に比べて低い1兆5000億円を提示。ファンドや革新機構の連合は1兆8000億円を示していた。
東芝は今月15日にも取締役会を開き、半導体メモリー事業売却への優先交渉先を選定する見通しだという。5月19日に締め切った2次入札では、米半導体大手ブロードコムが応札。官民ファンドの産業革新機構(INCJ)を軸に、WDが合流する日米連合も検討の対象になっている。金額面で好条件を示すブロードコムが優勢との声も一部にはある。一方で、産業革新機構(INCJ)、米ウエスタンデジタル(WD)(WDC.O)などを軸とした日米連合とは別に、米プライベート・エクイティ・ファンドのベイン・キャピタルが日米合同の入札を模索、INCJと協議したことも判明している。べインは当初、韓国の半導体メーカー、SKハイニックス)と組んで入札に参加していた。
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